業界ニュース

大王製紙/時代に合わせ“エリエール”をリブランド
 大王製紙は7月29日、東京都内のホテルにバイヤーを中心に約400名を招き、「2015年秋 新製品発表会」を開催、新しいエリエールのブランドロゴを発表した。同社の新製品発表会は2010年以来5年ぶり。なお、2日前の27日には大阪でも同様の発表会が行われている。
 大王製紙は今年3月、経産省と東京証券取引所が共同で“女性活躍推進”に優れた東証一部上場企業を紹介する「2014年度 なでしこ銘柄」に選出されたが、今回の発表会でも同社の将来を担う女性社員がステージに立ち、各商品のプレゼンテーションを行った。
 最初に、エリエールのリブランドについて説明があった。エリエールは1979年、大王製紙が家庭紙事業に参入した際に紙製品のブランドとして誕生した。フランス語で女性を意味する「エル」、風を意味する「エアー」という二つの言葉を組み合わせた造語である〈エリエール〉は、誕生から35年間、ブランドロゴの変更やブランドスローガン「やさしく触れていいですか。」の選定など、時代と生活者のニーズに対応する形で進化を続けてきた。
 今回は新たなステージへ進化すべく、
 (1) ブランドとしてのスケール感、視認性の付加
 (2) 長期的成長に向け、次世代の購入者から支持される先進性、新鮮さの付加
 (3) 世界展開をさらに進めるためのグローバル対応力の付加
の3点を主眼にリブランドを行った。そして日本を代表するグラフィックデザイナー・佐藤卓氏を起用し、エリエール史上初のシンボルマークを採用。「エアーエンブレム」と名づけられた同マークは、ブルーの球体が地球、白い曲線がやさしい風を表現しており、〈世界中の人々にエリエールの製品を通して優しい風を届けたい〉との思いが込められている。

(Future 2015年9月7 日号)

日本製紙/1割軽くなった特板『ビライトカード』を発売
 日本製紙は、特殊板紙の新製品『ビライトカード』を発売した。
 製品名の“ビライトカード=Be Light Card”は、「軽い」という特長を表したもので、高度な嵩高技術により従来の片面コートカードより7〜10%の軽量化を実現した。食品用をはじめ、医薬品、化粧品、CD・DVDなどのパッケージのほか、包装以外でもさまざまな用途に活用できる。食品用パッケージを想定しているので、蛍光染料は使用していない。
 ラインアップは210g(230)、240g(260)、280g(310)、315g/u(350)の4米坪(カッコ内は既存の片面コートカードの米坪を参考表示)。生産は富士工場の51号抄紙機。

キャストコートに迫る高光沢度の塗工紙を発売

 また日本製紙は、塗工紙『アルティマックス』シリーズから、新製品『アルティマグロス80(煌=きらめき)』を発売する。
 『アルティマグロス80(煌)』は、グラビア印刷でしか得られなかった印刷面のシャープな仕上がりをオフセット印刷で実現した印刷用紙。紙のグロス感を示す光沢度80%は、キャストコート紙に迫る非常に高い値となっている。この“煌き”が、印刷物でありながら写真タッチの質感を実現し、最高のハイライト部を再現するという。雑誌・ムック誌・写真集などの出版物のほか、さまざまな用途に適している。

(Future 2015年9月14 日号)

国際紙パルプ商事/「タウン ecomo」がイオンのWAONと連携
 国際紙パルプ商事(KPP)が全国のスーパーマーケットで展開する古紙回収ポイントシステム「タウンecomo(タウンエコモ)」が、一部店舗でイオンの電子マネー「WAON」と連携を開始し、WAONポイントが付くようになった。
 KPPの「タウンecomo」は、2011年4月にスタートし、全国246店舗で実施されている古紙リサイクルシステム。スーパーなどの小売店に設置してある古紙回収ボックスに買い物客が古紙を持ち込むと、1kg当たり1ポイントが付与され、一定のポイントがたまるとその店舗で使える商品券と引き換えられる。今回のイオンとの連携では、1kg=1WAONポイントが付き、WAONステーションまたはイオン銀行ATMで10WAONポイントから受け取れるようになった。タウンecomoとWAONの連携は現在、イオンタウン木更津朝日、イオンモール羽生、イオン焼津店の3店舗で稼働中で、今後も随時導入する予定。

(Future 2015年9月28 日号)

日本製紙/北海道農業土木協会賞奨励賞を受賞
 日本製紙はこのほど、北海道上川総合振興局南部耕地出張所および北海道農業近代化技術研究センターとの共同により、第31回農業土木新技術検討報告会で「再生骨材(焼却灰固化体)の暗渠疎水材としての適性評価」を発表、北海道農業土木協会賞奨励賞を受賞した。
 同賞は、北海道の農業農村整備事業の推進と農業土木、事務および技術の向上に大きな実績があり、寄与した者または寄与すると認めた者に贈られる賞。
 再生骨材とは、解体したコンクリート塊などを原材料とし、破砕、磨砕、分級などの処理を行って製造されたコンクリート用骨材(コンクリートやアスファルト混合物を作る際に用いられる材料)。
 日本製紙の北海道工場旭川事業所では、バイオマスボイラーから排出される焼却灰をセメントで固めて再生骨材を製造しており、それらは道路の凍上抑制層(凍結防止のために路床に敷かれる層)などに使用されている。これまで、再生骨材が暗渠(地下に埋設された水路)の疎水材として使用された実績はなかったが、上川総合振興局南部耕地出張所が主体となり、再生骨材の有効活用と暗渠整備費削減のため、再生骨材の暗渠疎水材としての適性調査を実施(2012年〜14年)、日本製紙は旭川事業所で製造した再生骨材を提供した。その結果、再生骨材は現行の木材チップと同等以上の排水能力を持つこと、また排水の水質や作物収量などにも影響しないことが確認できた。
 この調査結果を受け、今年7月から暗渠疎水材として再生骨材の出荷を開始している。

(Future 2015年9月28 日号)

レンゴー/「日本パッケージングコンテスト」で3作品入賞
 日本包装技術協会主催の「2015日本パッケージングコンテスト」において、レンゴーの作品3点が以下の通り入賞した。
 ・包装技術賞(適正包装賞)
 小容量ニーズ対応『省才数・簡単とまとトレイ』(Sロックトレイ)。青果物を中心とした小箱需要の拡大に対応した、手組み、機械組みのいずれも可能な新形態トレイ。
 ・包装部門賞(POP・店頭販売包装部門賞)
 積める・たためる・三角柱ディスプレイケース。店頭で素早く、きれいに開封・陳列できるパッケージ。ケースとカバーの2ピース構造により、カバーを取るだけで陳列できる。
 ・包装部門賞(電気・機器包装部門賞)
 埋め込み型エアコンの段ボール包装。製品を横置きから縦置きに変更することで、底面積の縮小を図り、保管効率の25%向上と、緩衝材の小型化を実現(ダイキン工業との共同開発)

(Future 2015年9月28 日号)

紙・板紙需給6月/板紙の国内出荷は増加も紙は15ヵ月連続減
 日本製紙連合会が集計した6月の紙・板紙国内出荷は、前年同月比+0.2%と、前月の減少から増加に転じた。前々年同月比は△0.9%。
 紙・板紙国内出荷の内訳は、紙が前年同月比△2.8%の109.7万tで、15ヵ月連続のマイナス(前々年同月比△5.3%)、板紙は+4.0%の93.3万tで前月の減少から増加に転じた(前々年同月比+4.9%)。主要品種のうち前年同月比がプラスだったのは衛生用紙と段ボール原紙の2つのみで、前々年同月比は衛生用紙、段ボール原紙、情報用紙がプラスだった。
 紙・板紙のメーカー輸出は前年同月比+16.7%の9.8万tとなり、12ヵ月連続の増加。うち紙は+22.8%の7.1万tで、東アジア、東南アジア向け向けを中心に2ヵ月連続増。板紙は+2.8%の2.6万tとなり、主力の東南アジア向けは減少したが、東アジア、南アジア向けの増加により32ヵ月連続増を記録した。
 以下は主要品種の動向である。
 〔新聞用紙〕
 国内出荷は前年同月比△5.7%の24.4万tで、16ヵ月連続の減少。前々年同月比は△6.3%だった。
 〔印刷・情報用紙〕
 国内出荷は前年同月比△3.3%の59.1万tで、15ヵ月連続のマイナス(前々年同月比は△7.3%)。メーカー輸出は前年同月比+27.0%の5.3万tとなり、2ヵ月連続で増加した。
 〔包装用紙〕
 国内出荷は未晒を中心に減少して前年同月比△7.7%の5.8万t。6ヵ月連続の減少となった(前々年同月比△5.6%)。メーカー輸出は前年同月比+19.6%の1.4万tで、3ヵ月連続の増加。
 〔衛生用紙〕
 国内出荷はティシュ、トイレットペーパーともに増加して、前年同月比+5.9%の14.2万t。3ヵ月連続増となった(前々年同月比+1.4%)。
 〔板 紙〕
 段ボール原紙の国内出荷は前年同月比+5.5%の75.6万tで、前月の減少から増加に転じた(前々年同月比+6.5%)。白板紙は△2.0%の11.3万tで、9ヵ月連続の減少(前々年同月比△1.9%)。

(Future 2015年8月10 日号)

紙・板紙需給2015年上期/反動減が長引き出荷は3年ぶりに減少
 日本製紙連合会の集計による1〜6月期の紙・板紙需給(6月分は速報ベース)は、生産・出荷とも前年同期を下回り、従来からの構造的な要因に加えて、前年の消費税率引き上げにともなう駆け込み需要の反動から、今なお立ち直れていない実態が浮き彫りになっている。
 この傾向は同期間の需給をグラフィック系(新聞用紙+印刷・情報用紙)とパッケージング・産業用紙系(包装用紙+雑種紙+板紙)に分けて眺めると、一層はっきりする。すなわち前年同期比で、グラフィック系の需給は生産△3.8%/出荷△3.0%と引き続きマイナス基調だが、本来なら国内景気の緩やかな回復に伴って、増勢に転じてもおかしくないパッケージング・産業用紙系も生産△0.8%/出荷△0.9%と前年割れから脱却できていない。
 生活必需品として底堅いはずの衛生用紙が、生産△3.0%/出荷△2.3%と落ち込んでいることと併せて考えれば、紙・板紙はもともと駆け込み需要(と、その結果としての反動減)を招きやすい素材であるのかもしれない。しかし前回の消費増税時(97年;3%→5%)と比べると回復の遅れが目立っており、その要因としては個人消費の落ち込みが97年当時より大きい点が挙げられる。
 一方、1〜6月期の輸入通関実績は<紙>が製品扱いの衛生用紙を含め前年同期比△17.9%の70.6万t、<板紙>がミルクカートン用紙を含め同+1.7%の27.2万t、<紙・板紙計>で△13.3%の97.8万t。紙では主力の塗工紙が大幅減、板紙では主力の白板紙が堅調で、対照的な結果となった。
 以上のメーカー国内出荷+輸入通関に、流通在庫増減の影響を加味した1〜6月期の内需量は紙が△4.3%、板紙が△1.3%、合計で△3.0%(1,332.3万t)の実績見込み(表)。製紙連が年初に試算した2015年の通年予想はそれぞれ△2.0%、+0.6%、△0.9%なので、今のところ下振れしており、7〜12月期にどこまで巻き返せるかが焦点になる。
(以下、概況、分野別・品種別の分析・解説はFuture 2015年8月24 日号で)

(Future 2015年8月24 日号)

日本製紙/シンガポールに直営販社を立ち上げ
 日本製紙はこのほど同社グループの日本紙通商傘下にある「NP Trading Singapore」(エヌピー・トレーディング・シンガポール)を、「NP INTERNATIONAL」(エヌピー・インターナショナル)に商号変更のうえ全株式を取得、直営化した。
 日本製紙は2015年度からスタートした第5次中期経営計画において、グローバル販売体制の強化を主要施策の1つに掲げている。エヌピー・インターナショナルの立ち上げはそれに基づくもので、これにより東南アジアから中近東諸国におけるマーケティング機能を強化する。また、メーカー直営の販売会社とすることで情報伝達の短縮化と市場ニーズへの迅速な対応を実現し、日本製紙グループのグローバル販売を強化する。
 エヌピー・インターナショナルは東南アジア地区販売事業の本社機能をもち、将来的には同エリアにおける日本製紙グループの販売子会社を統括する予定。

 〔新会社概要(予定)〕
 商 号;NP INTERNATIONAL(S)PTE. LTD.
 事 業;紙・板紙およびグループ製品の販売、地域内グループ販社統括
 代表者;沼田健一(日本製紙国際販売統括部長)
 資本金;25万シンガポールドル(日本製紙100%出資)

(Future 2015年8月24 日号)

大王製紙、三菱商事/インドネシアの紙おむつ事業を合弁化
 大王製紙と三菱商事は、インドネシアにある大王製紙グループの100%子会社「エリエール インターナショナル トレーディング インドネシア」(以下EITI)と、「エリエール インターナショナル マニュファクチャリング インドネシア」(以下EIMI)を両社の合弁会社とすることで合意し、8月3日に株主間契約を締結した。
 大王製紙が保有するEITIとEIMIの発行済株式の一部を三菱商事に譲渡するとともに、本年11月にEITIとEIMIが行う三菱商事に対する第三者割当増資により、三菱商事が2社の株式をそれぞれ40%取得し、出資比率が大王製紙60%、三菱商事40%の合弁会社となるというスキーム。
 年間450万人以上の出生人口と生活水準の向上により、乳幼児用紙おむつ需要の継続した成長が見込まれるインドネシアにおいて、大王製紙は2013年3月に販売会社EITIを設立、タイの生産拠点(現地法人)からの輸入販売を開始し、『GOO.N』ブランドの認知度向上と販売数量の拡大に取り組んできた。
 昨年11月には現地生産化による安定供給とコスト低減を図るため生産会社EIMIを設立し、現在、本年中の操業開始を目指して工場建設を進めている。
 大王製紙は海外においても競争力のある紙おむつ製造技術や開発力をもち、タイ、中国での先行事例や、過去2年間のインドネシアにおける輸入販売での経験を踏まえた販売・マーケティング活動を行える点が強みとなる。5月に公表された第2次中期事業計画では、紙おむつを含むホーム&パーソナルケア事業の海外売上高を2017年度に500億円まで拡大するとの目標を設定しており、インドネシア工場の早期立ち上げはそのための重要なステップと位置づけられている。
 一方、三菱商事はインドネシアにおいて、同国の大手流通・小売グループであるアルファグループとの資本・業務提携により食品製造や流通分野で複数の事業を展開している。
 両社は今般、現地生産化による乳幼児用紙おむつ市場への本格参入にあたり、アルファグループの中核事業で店舗数1万を超える同国有数の小売チェーン「アルファマート」をはじめ、各種チェーン店、一般店などへの販売先拡大や、現地における販売網・物流網の整備に協同で取り組み、ジャパンクオリティの商品をインドネシアの生活者に幅広く提供することを目指す。また両社は、この事業を通じてインドネシアにおける国民生活をより豊かにし、現地の雇用の促進にも寄与していくとしている。
 将来的にはインドネシアからの輸出やベビー用紙おむつに続き、他の製品カテゴリー(大人用・生理用品、ウェットワイプ、衛生用紙など)の展開も視野に入れているという。
 〔合弁化2社の概要〕
(1)エリエール インターナショナル トレーディング インドネシア(PT.Elleair International Trading Indonesia)
 事業内容;紙おむつの輸入・販売
 所 在 地;ジャカルタ首都特別州
 資 本 金;4,930億ルピア(約47億円)→(合弁後)5,730億ルピア(約55億円)。1ルピア=0.0096円で計算。以下同。
 出資構成;大王製紙グループ100%→(合弁後)大王製紙60%、三菱商事40%
 設 立 日;2013年3月25日
(2)エリエール インターナショナル マニュファクチャリング インドネシア(PT.Elleair International Manufacturing Indonesia)
 事業内容;紙おむつの製造
 所 在 地;西ジャワ州ブカシ県ブカシ国際工業団地
 資 本 金;4,150億ルピア(約40億円)→(合弁後)5,320億ルピア(約51億円)
 出資構成;大王製紙グループ100%→(合弁後)大王製紙60%、三菱商事40%
 設 立 日;2014年11月27日
 敷地面積;約3万9,000m2
 操業開始;2015年12月(予定)

(Future 2015年8月24 日号)

王子製紙/富岡工場7号機を2016年3月に停止
 王子製紙は、富岡工場7号マシンの停止を発表した。停止時期は2016年3月の予定。主要生産品種は加工原紙と上質紙、生産能力は4.4万t/年。
 同社は先頃、中越パルプ工業との資本・業務提携と併せ、最適生産体制構築の一環としてマシン停止を検討している旨を発表しており(本誌6月15日号既報)、このほど7号機の停止を確定したもの。

(Future 2015年8月10 日号)

コアレックスグループ/富士市の新工場が営業運転を開始

 日本紙パルプ商事の連結子会社で構成されるコアレックスグループが、静岡県富士市で再生家庭紙新工場の建設を進めてきたが、このほど完成し営業運転を開始した(写真)。
 この新工場は、次の3つのテーマとコンセプトに基づいて設計・建設されている。
 (1) 生産性
 エネルギー効率の高い最新鋭設備の導入による製品品質の向上と生産の効率化を追求。
 (2) 環境性
 グループの三栄レギュレーター東京工場と連携して、極限まで廃棄物を削減する準ゼロエミッション化を図り、環境負荷の低減を実現。
 (3) 地域防災性
 富士市、JR東海などと災害協定を締結、災害時における地域住民や帰宅困難者の避難場所としての機能も兼ね備える。
 このほか、地域に対する貢献では植栽による美観の整備や設備の配置を考慮することによる防音、地域雇用の拡大などにも取り組んでいる。
 コアレックスグループでは「今後も、これまで蓄積してきたエンジニアリング技術を最大限に活用し、再生家庭紙メーカーとして高品質の家庭紙製造と高度な紙資源リサイクルを両立させることにより、地球環境の保護と社会貢献に努めていく」と抱負を述べている。

 〔新工場の概要〕
 事 業 地;静岡県富士市中之郷575-1
 敷地面積;4万980m2
 総投資額;約120億円
 事業内容;再生トイレットロールおよびティシュの製造
 生産能力;日産約150t

 グループ各社の社名を10月から変更

 なお、コアレックスグループでは今年10月1日付でグループ各社の社名を次の通り変更する(現社名→新社名)。
 三栄レギュレーター梶ィコアレックス三栄
 信栄製紙梶ィコアレックス信栄
 道栄紙業梶ィコアレックス道栄
 日本紙パルプ商事では変更の理由について、「“コアレックス”を統一して使用することにより、コアレックスブランドの強化、環境事業会社としての企業姿勢をより明確にするため」と説明している。

(Future 2015年8月24 日号)

JPグループ/釧路音別太陽光発電所が営業運転を開始
 日本紙パルプ商事(JP)の100%子会社、エコパワーJPでは釧路音別太陽光発電所(写真)の建設工事が完了し、7月1日より営業運転を開始した。再生可能エネルギー固定価格買取制度(FIT)により、今後20年間、売電事業を行っていく。発電所が建設された釧路地方は、長い日照時間、高い晴天率、年間を通じて気温が低いことなど、太陽光発電に適した気候条件を備え、高い発電効率が期待されている。
 日本紙パルプ商事はグループ内製紙会社への電力供給を目的としたバイオマス発電事業に参入して以来、社会的要請が高まっているクリーンで安全な電力の安定供給のため、発電事業に取り組んできた。現在、木質バイオマス発電所2ヵ所、太陽光発電所3ヵ所の計5ヵ所がすでに営業を開始しており、さらに2016年4月には、岩手県野田村でもバイオマス発電所が稼働する予定。

 〔釧路音別太陽光発電所の概要〕
 所 在 地;北海道釧路市音別町
 敷地面積;119ha(パネル設置面積39ha)
 モジュール;245W×10万800枚
 出  力;2万kW(20MW)
 発 電 量;年間約2,600万kWh(約8,000世帯分の年間使用量)

 〔JPグループの再生可能エネルギーによる発電事業〕
 (1) 野田バイオパワーJP(JP70%出資)
 発電方式;木質バイオマス発電(使用燃料:未利用材、バーク、剪定枝、PKS)
 所 在 地;岩手県九戸郡野田村
 出  力;1万4,000kW
 発 電 量;年間9,648万kWh
 稼働予定;2016年4月
 (2) 松江バイオマス発電(JP40%出資)
 発電方式;木質バイオマス発電(使用燃料:間伐材、林地残材の未使用木材や製材残材など)
 所 在 地;島根県松江市
 出  力;6,250kW
 発 電 量;年間約4,316.4万kWh▽営業運転開始:2015年6月
 (3) サン・エナジー洋野/洋野角浜太陽光発電所(JP34%出資)
 発電方式;太陽光発電
 所 在 地;岩手県九戸郡洋野町角浜サイト/平内サイト
 出  力;9,300kW
 発 電 量;年間約1,160万kWh
 営業運転開始:2014年7月
 (4) サン・エナジー石巻/石巻泊浜太陽光発電所(JP10%出資)
 発電方式;太陽光発電
 所 在 地;宮城県石巻市
 出  力;9,500kW
 発 電 量;年間約1,188.7万kWh
 営業運転開始;2014年4月
 (5) 川辺バイオマス発電/川辺木質バイオマス発電所(JP90%出資)
 発電方式;木質バイオマス発電(使用燃料:建築廃材、森林間伐材など)
 所 在 地;岐阜県加茂郡川辺町
 出  力;4,300kW
 発 電 量;年間約2,850万kWh▽
 営業運転開始;2007年6月

(Future 2015年8月10 日号)

全段連/「環境自主行動計画」でさらに進んだCO2排出原単位の改善
 全国段ボール工業組合連合会は今年5月、環境自主行動計画(温暖化対策)の進捗状況を把握するため、計画への参加企業に対して2014年度実績に基づくフォローアップ調査を実施した。
 全段連の目標計画は「2006〜08年度の3年間平均に対し、2013〜16年度の4年間平均でCO2総排出量を20%削減する」というもの。この自主行動計画に参加している企業は37社で、全国の段ボール生産量に対するカバー率は61.5%(2012年度)に上る。
 なお、今年4月資源エネルギー庁でエネルギー源別標準発熱量と炭素排出係数が改訂され、また一部で過去にさかのぼっての数値訂正があったことから、全段連では基準年度、計画、2013年度実績の数値をそれぞれ修正している。
 調査結果によると、参加37社を合計した2014年度の貼合生産量は、前年度より1億4,700万m2(△1.7%)少ない84億2,100万m2。これに対して、CO2総排出量も1万5,159t(△3.4%)減少し43万5,967t-CO2/年となった。これによりCO2総排出量を貼合生産量で割ったCO2排出原単位は、対前年度比0.88kg減(△1.7%)の51.74kg-CO2/千m2に向上した。燃料の重油からガスへの転換、省エネ設備の導入、生産効率の向上などによりCO2排出原単位の改善がさらに進んだことになる。
 ただし、基準年度(06〜08年度平均)の排出量52万7,655tを△20%削減するという目標に対しては、13年度が45万856tで△14.6%、14年度が43万5,697tで△17.4%、両年度平均が44万3,276tで△16.0%と、いずれも計画目標に届いてない。
 この調査結果を受けて全段連は「2015〜16年度の2年間で、さらに改善を進める必要がある」と説明している。

(Future 2015年8月24 日号)

森林総合研究所/セルロースナノファイバーのサンプル提供を開始
 森林総合研究所はこのほど、セルロースナノファイバーのサンプル提供を開始した。
 セルロースナノファイバーは、植物細胞壁の主成分であるセルロースをナノサイズまでほぐすことによって生産される新規素材。軽量で高強度、低線熱膨張などの特性を有するため、バイオマス由来の持続型資源として、工業原料をはじめさまざまな用途開発が行われている。「セルロースナノファイバー製造技術実証事業」を進めている森林総合研究所では、用途開発の可能性を探り実用化を加速させるため、企業や研究機関にサンプルを提供するもの。
 提供するセルロースナノファイバーは、国産スギチップをアルカリ蒸解して製造したパルプを原料とし、酵素処理を併用した湿式粉砕により製造されたものとなる。サンプル提供の概要は次の通り。
 名  称;国産スギ由来セルロースナノファイバー
 内  容;酵素処理を併用した湿式粉砕法によりアルカリ蒸解(ソーダ・アントラキノン法)スギパルプから調製したセルロースナノファイバー
 性  状;固形分濃度1〜5%のペースト状
 含有成分;セルロース、ヘミセルロース
 提供条件;基本的に無償(要確認)
 頒布期限;2016年2月末日まで

 〔問合せ先〕
 森林総合研究所CNF頒布事務局
 e-mail nanofiber@ffpri.affrc.go.jp

(Future 2015年8月10 日号)

紙・板紙需給5月/国内出荷が14ヵ月連続減
 日本製紙連合会が集計した5月の紙・板紙国内出荷は前年同月比△3.3%と、前月の増加から再び減少に転じた。前々年同月比は△6.4%。
 紙・板紙国内出荷の内訳は、紙が前年同月比△3.4%の110.3万tで、14ヵ月連続のマイナス(前々年同月比△7.7%)、板紙は△3.1%の85.0万tで前月の増加から減少に転じた(前々年同月比△4.6%)。主要品種のうち前年同月比がプラスなのは衛生用紙のみで、前々年同月比はすべてマイナスだった。
 紙・板紙のメーカー輸出は前年同月比+15.1%の9.3万tとなり、11ヵ月連続の増加。うち紙は+4.6%の6.7万tで、東南アジア、南アジア、北米向けの増加により前月の減少から増加に転じた。板紙は+55.9%の2.6万tと、東南アジア、南アジア向けを中心に31ヵ月連続増となった。
 紙・板紙の月末在庫は前月比+10.8万tの204.4万t、4ヵ月ぶりの増加となった。うち紙は、印刷・情報用紙を中心に2ヵ月連続で増加し+7.1万tの135.3万tとなった。板紙は+3.7万tの69.1万tで、段ボール原紙を中心に増加した。以下は主要品種の動向である。

 〔新聞用紙〕
 国内出荷は前年同月比△5.0%の24.2万tで、15ヵ月連続の減少。前々年同月比は△8.4%だった。
 〔印刷・情報用紙〕
 国内出荷は前年同月比△4.0%の60.4万tで、14ヵ月連続のマイナス(前々年同月比は△9.1%)。メーカー輸出は前年同月比+5.6%の4.9万tとなり、前月の減少から増加に転じた。
 〔包装用紙〕
 国内出荷は晒、未晒ともに減少して前年同月比△5.9%の5.8万t。5ヵ月連続の減少となった(前々年同月比△6.2%)。メーカー輸出は前年同月比+10.5%の1.3万tで、2ヵ月連続の増加。
 〔衛生用紙〕
 国内出荷はティシュ、トイレットペーパーともに増加して、前年同月比+3.2%の14.1万t。2ヵ月連続増となった(前々年同月比△1.9%)。
 〔板 紙〕
 段ボール原紙の国内出荷は前年同月比△2.3%の68.4万tで、前月の増加から減少に転じた(前々年同月比△3.9%)。白板紙は△6.7%の10.6万tで、8ヵ月連続の減少(前々年同月比△7.3%)。

(Future 2015年7月13 日号)

日本製紙/理文造紙の全株式を売却
 日本製紙は6月25日、中国の段ボール原紙メーカー、理文造紙有限公司(Lee & Man Paper Manufacturing Limited、以下L&M社)の株式について、日本製紙の保有分2億100万株(発行株式総数の4.32%)のすべてを、香港証券取引所で売却した。売却額は9億3,100万香港ドル。
 日本製紙はL&M社との業務提携を4月に解消したのにともない、すでに日本製紙が保有するL&M社株の一部を創業家に売却しており、今回は残る保有分を売却したもの。これにより両社の資本関係はなくなったが、日本製紙は「L&M社が中国における紙パルプ事業のベストパートナーであることには変わりはない」としている。
 今回の株式売却にともない日本製紙は、2016年3月期第1四半期で売却益約58億円を特別利益として計上する。既売却分を合わせると、特別利益は計約165億円となる。

 〔L&M社の概要〕
 代 表 者;Lee Man Bun(CEO)
 事業内容;段ボール原紙の製造および販売
 資 本 金;1億1,740.2万香港ドル
 設  立;2003年5月21日
 主要株主;Gold Best Holdings Ltd. 54.55%、Lee Man Chun Raymond 7.12%、Lee Man Bun 5.50%、日本製紙4.32%(売却前)
 直近の売上高;2012年12月期114億2,400香港ドル、2013年12月期169億7,000香港ドル、2014年12月期170億9,900香港ドル

(Future 2015年7月13 日号)

レンゴー/ベトナムの軟包装メーカーに出資
 レンゴーのタイにおける合弁会社であるTCフレキシブル・パッケージング社(TCFP社)は、このほどベトナムのティン・タイン・パッキング社(BATICO社;登記上のショートネーム)に出資し、株式の80%を取得した。
 BATICO社は、ホーチミン市中心部から西へ約30km、ロンアン省ドゥックホアハのプラスチック工業団地内に本社工場をもち、ベトナム市場で有力な地位にいる軟包装メーカー。年間生産能力は約2億3,000万m2。
 一方、TCFP社は軟包装需要の成長が期待される東南アジア地域で、食品・日用品向けを中心に軟包装事業の拡充を進めており、BATICO社への資本参加もその一環。昨年出資したタイのプレパック・タイランド社に続く取組みとなる。
 レンゴーは、「TCFP社を通じてグループの豊富な軟包装製造ノウハウを活かし、東南アジア地域で軟包装事業の拡大を図るとともに、あらゆるパッケージングニーズに応えるべく供給体制の充実を進めていく」としている。

 〔TCFP社の概要〕
 代表者;Karan Tejasen
 株 主;レンゴー20%、朋和産業(レンゴー100%子会社)5%、TCG社(レンゴー30%+SCGパッケージング社70%出資の合弁会社)75%
 事 業;東南アジアにおける軟包装事業の統轄・持株会社

 〔BATICO社の概要〕
 代表者;Jakjit Klomsing
 株 主;TCFP社80%ほか
 事 業;軟包装製品の製造・販売
 売上高;2014年度9,540億ドン(約53億円)

(Future 2015年7月20 日号)

日本製紙/新システム「洋紙Planet」を構築
 日本製紙は紙事業の販売強化のため、印刷・情報・産業用紙の注文進捗管理と製品トレーサビリティを向上させる新システム「洋紙Planet」を構築する。
 洋紙Planetは、既存の生産・販売・在庫システム「PRIME」と連携させ、注文に対する生産進捗の“見える化”と、バーコード管理によるトレーサビリティ向上を実現する。これにより問合わせへの対応をスピードアップさせる。2016年度から順次導入を進め、17年度までに北海道工場白老事業所、秋田工場、石巻工場、岩国工場、八代工場で運用を開始する。

(Future 2015年6月22 日号)

信栄製紙/富士工場を災害避難所に富士市と協定締結
 信栄製紙はこのほど、災害時に住民などを受け入れる施設利用に関する協定を、富士市および富士川地区区長会と締結した。富士市中之郷にある同社富士工場の敷地の一部を、災害発生時に避難場所として開放する。小長井義正市長、斎藤臣弘区長会長、黒崎暁社長が富士市役所で協定書に調印した。
 同工場がある富士川地区は富士川に隣接し、土砂災害警戒区域が多い。また工場近くにはJR富士川駅があるため、緊急避難場所として活用し、今後は物資の備蓄なども進めていく予定という。

(Future 2015年7月27 日号)

日本製紙連合会/第9回古紙配合率問題フォローアップ調査を実施
 日本製紙連合会は2008年の古紙配合率偽装問題を受け、再発防止を目的に「古紙パルプ等配合率検証制度」および「再生紙の表示」の運用について、毎年フォローアップ調査を実施している。このほど2014年7月〜15年6月の期間を対象に行った第9回調査の結果が次のようにまとまった。
 調査は正会員33社を対象としており、うち32社より回答があった。とくに再生紙を製造する14社からはすべて回答を受けた。
 (1) 制度の運用状況
 ・「古紙パルプ等配合率検証制度」および「古紙パルプ等配合率表示」については、ともに問題なく運用されており、需要家から指摘を受けるといった問題も発生していない。
 ・取引先による立入り監査は対象期間中に17社/61件あった(前回調査19社/66件)。
 ・再生紙製造企業では社内内部監査を全社で実施しており、再生紙製造企業の3分の2が第三者機関による監査を受けている状況に変化はなかった。
 (2) コンプライアンス
 @ 社内コンプライアンス体制の強化、研修、教育の実施
 ・4分の3の企業でコンプライアンスに関わる研修、教育などが行われていた。
 ・社内のコンプライアンス体制・組織の見直しや改善に関しては、「海外事業の管理強化と本社部門による現地法人の支援体制整備を目的として組織を新設」「組織の変更にともない見直しを実施」「社内コンプライアンス・マニュアルの改訂」「コンプライアンス・ホットラインを設置」などの回答があった。
 A 受注体制、生産管理体制、情報開示に関する見直し
 変更、見直しなどの報告はなかった。
 B 古紙配合率問題全般
 「古紙配合率問題を風化させないために、今後も内部監査などで注意喚起とチェックを実施していく」との回答があった。

(Future 2015年8月3 日号)


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