業界ニュース

レンゴー/連結子会社3社を合併
 レンゴーは連結子会社の経営効率を高めるため、4月1日を目途にマルソルホールディングス、森下梶A森下化学工業の3社を合併する。
 合併方式はマルソルホールディングスを存続会社とする吸収合併で、同社が森下と森下化学工業の権利義務の一切を承継し、森下と森下化学工業は解散する。またマルソルホールディングスは、合併期日(4月1日予定)をもって商号を「森下株式会社」に改称し、消滅会社である森下および森下化学工業の事業と従業員を引き継ぐ。各社の概要は次の通り。
 〔マルソルホールディングス(存続会社)〕
 本  社;岡山県瀬戸内市長船町磯上1900
 代 表 者;神ア恭(かんざき・やすし)
 資 本 金;1億円
 株  主;レンゴー100%
 事業内容;森下、森下化学工業の株式を所有する純粋持株会社
 〔森下(消滅会社)〕
 本  社;岡山県瀬戸内市長船町磯上1900
 代 表 者;神ア恭
 資 本 金;1億円
 株  主;マルソルホールディングス95.06%、中国銀行4.94%
 事業内容;各種ネット製品の製造販売
 売 上 高;30億3,900万円(2013年5月期)
 従 業 員;78名
 〔森下化学工業(消滅会社)〕
 本  社;岡山県瀬戸内市長船町磯上1900
 代 表 者;神ア恭
 資 本 金;1億円
 株  主;マルソルホールディングス95.06%、中国銀行4.94%
 事業内容;ラミネート製品の製造販売、物流資材の製造販売
 売 上 高;52億3,000万円(2013年5月期)
 従 業 員;90名
 〔合併後の状況(予定)〕
 商  号;森下
 本  社;岡山県瀬戸内市長船町磯上1900
 代 表 者;神ア恭(かんざき・やすし)
 資 本 金;1億円
 株  主;レンゴー96.44%、中国銀行3.56%
 事業内容;各種ネット製品の製造販売、ラミネート製品の製造販売、物流資材の製造販売

(Future 2014年3月17日号)

日本紙パルプ商事/古紙事業の効率経営目指し持株会社を設立
 日本紙パルプ商事(JP)は2月4日、古紙事業における意思決定の迅速化を目指し、古紙事業を展開するグループ各社を統括する持株会社を設立した。
 JPグループは、1970年代より本格的に古紙再資源化事業に着手。それ以来、全国規模の古紙回収ネットワークを構築し、紙資源の有効活用を行ってきた。近年は、古紙を主原料とした製紙事業にも積極的な事業投資を進めており、古紙原料を重要な戦略物資と位置づけている。また、今は古紙も国際商品となり、さらに国内のリサイクルシステムの構造変化などもあって、古紙事業各社と各地域を融合した迅速な意思決定が喫緊の課題となっていた。こうした事業環境を背景に、JPと各グループ会社の事業活動を統括する持株会社を設立したもの。これによりJPネットワークのシナジー効果を高め、より効率的な資源循環を追求していく考え。
 〔新会社の概要〕
 名  称;潟GコリソースJP
 所 在 地;東京都中央区勝どき3-12-1(フォアフロントタワー)
 資 本 金;4,000万円
 出資比率;JP100%
 〔持株会社が株式を取得する子会社・関連会社〕
 ○JP資源
 設  立;1973年
 資 本 金;3億5,000万円
 株  主;エコリソースJP100%
 本  社;東京都中央区
 拠点(ヤード);小山事業所(栃木県)、八千代事業所(千葉県)、東村山事業所(東京都)、南港事業所、平林事業所(大阪府)、犬山事業所(愛知県)、小郡事業所(福岡県)
 ○北海紙業
 設  立;1971年
 資 本 金;2,000万円
 株  主;エコリソースJP70%
 本  社;北海道旭川市
 拠点(ヤード);同上
 ○JHリサイクル
 設  立;2004年
 資 本 金;5,000万円
 株  主;エコリソースJP50%
 本  社;宮城県仙台市
 拠点(ヤード);福島事業所(福島県)
 ○ジェーピー北海
 設  立;2000年
 資 本 金;8,000万円
 株  主;エコリソースJP48.75%
 本  社;北海道札幌市
 拠点(ヤード);江別事業所(北海道)

(Future 2014年3月17日号)

日本製紙/ノンアルミの常温長期保存充填包装システムを開発
 日本製紙はこのほど、アルミ箔を使用せずに常温で飲料の長期保存を可能にする無菌充填包装システム『ノンアルミフジパック』システムの販売を開始した。すでに伊藤園が3月3日から順次リニューアル発売する『充実野菜』シリーズの4商品で、「ECO容器」として採用している。
 このパックのメリットは、牛乳などの屋根型紙パックと同じルートで回収できるところ。日本製紙は現在、常温で長期保存可能な液体用紙容器として、レンガ型の『フジパック』システムを展開しているが、これは長期保存を可能にするためバリア性に優れたアルミ箔を積層した紙を使用しており、一般的な回収ルートではリサイクルできない。リサイクル率向上のためには、屋根型紙パックと同じルートで回収できる飲料容器の開発が求められていた。
 そこで日本製紙はアルミ箔の代替素材を検討、その結果アルミ箔と同等レベルのバリア性を持ちながらリサイクル適性を有する凸版印刷の透明ハイバリアフィルム「GLフィルム」の採用を決め、『ノンアルミフジパック』システムとして展開できるようになったもの。
 『ノンアルミフジパック』は80〜300mlの8種類の容量・形状に対応し、1時間に6,000パックを充填できる(超音波横シール方式)。新システムでは、容器は屋根型紙パックと同様に回収でき、「紙パック」マークを表記できる。

(Future 2014年3月10日号)

王子ホールディングス/高輝度LED向けサファイア基板の新規製造技術を確立
 王子ホールディングスは微細粒子の精密塗工技術を応用し、フラットな基板のLEDと比べて正面輝度が2倍以上となるLED向けサファイア基板(PSS)の製造技術を確立した。このほどサンプル出荷を開始する。
 LED用サファイア基板上に微細凹凸構造を形成し、光を効率よく取り出す技術は広く用いられており、このようなサファイア基板はPSS(Patterned Sapphire Substrate)と呼ばれる。王子HDは、新開発の技術で全面に微細凹凸を形成したPSSの量産技術を開発。王子のPSSは、約3μmから、これまでの技術では作製が困難であった約200nm(1nm=100万分の1o)までの広範囲で微細凹凸構造のピッチを制御でき、円錐型や釣鐘型、ドーム型など、さまざまな形状と大きさで形成できる。また、LED生産ラインの最大サイズである径6インチウエハにも対応する。新開発のPSSを用いたLED素子は、波長385nmの場合で、フラットな基板と比べて正面輝度が2.4倍、全光束が1.8倍に向上する(王子HD調べ)。また従来のPSS製品と比較しても、20%程度の正面輝度向上が確認されている(同社調べ)。
 PSSの最適構造はLEDの発光波長や素子構成に左右されるが、新開発のPSSは微細凹凸構造のピッチや形状を自由にコントロールできるため、よりきめ細かいパターン設計が可能となる。さらに、LED工程中の成膜品質を高めると考えられる数百nmピッチの微細構造体と、LED素子内部の光取り出しに有効な数μmピッチの微細構造体を組み合わせた「複合構造体」も作製できる。これにより、さらにLED素子内部の光を効率よく取り出せるようになる。

(Future 2014年3月24日号)

2014年紙・板紙内需試算/紙は1.3%減、板紙は0.1%増
 日本製紙連合会は先頃、2014年の紙・板紙内需が13年の実績見込みに対して△0.7%の2,746万tにとどまり、4年連続で前年実績を割り込むとの試算を取りまとめた。
 品種別の内訳では〈紙〉が07年以降8年連続のマイナスを予測しているのに対し、〈板紙〉は2年連続のプラスを見込んでいる。グラフィック系の低調、パッケージング系の堅調という数年来の傾向が14年も続くと見ているわけだ。今年は4月に消費税率の引き上げが予定されており、鉱工業生産や個人消費といった各種の経済指標もその前後で大きく変動すると思われるが、製紙連は「1年間で均せば増税の影響は軽微」と捉えている。
 この内需予測が現在のような形で始まった1990年代は概ね[内需≒国内出荷≒国内生産]という時代で、つまり輸出入の動向などはあまり考慮する必要がなかった。だが今世紀に入って輸入紙の存在感が少しずつ高まる一方、日本のメーカーも輸出比率を上げて稼働率を維持(=限界利益を追求)する行き方を指向するようになったため、内需−国内出荷−国内生産の関係は以前ほど単純なものではなくなった。
 例えば2012年の内需は流通在庫の増減を加味する前の段階で紙・板紙の合計が△1.7%の予測だったが、サプライ別の内訳は国内出荷が△2.5%、輸入が+6.1%となっていた。同様に13年の内需は紙・板紙の合計が±0.0%だが、サプライ別では国内出荷が+1.2%、輸入が△12.2%。つまり一方が増加すれば、他方は減少するという関係にある。したがって14年についても合計の△0.7%に対するサプライ別の内訳が、国内メーカーの設備稼働率や輸出比率に大きな影響を及ぼすはずだ。
 14年の内需試算では構成比の大きい塗工印刷用紙や段ボール原紙の伸び率が全体の動向を左右、内需に影響を及ぼす増減要因としては総じて13年の増減要因と大差ないが、14年に固有の要因として製紙連はソチ冬季五輪やサッカーW杯などのイベント需要、消費増税前の駆け込み需要とその反動などを挙げている。以下、紙・板紙合計、紙合計、板紙合計の試算結果である(詳細な品種別試算結果についてはFuture誌にて)。
 ●紙・板紙合計
 〔近年の動向〕
 紙・板紙の内需はリーマン・ショック後の2009年に大きく数量を落とし、翌10年は大きな反動もなく微増にとどまった。11年以降はマイナス成長が続き、13年はアベノミクス効果などで主力の段ボール原紙を中心に板紙は増加したが、紙は減少、全体では微減となり、3年連続のマイナスとなった。
 サプライ別では国内出荷が3年ぶりに増加する一方、輸入は5年ぶりに減少している。
 〔2014年の予測〕
 2014年の景気は消費増税による腰折れが懸念されるが、5.5兆円規模の経済対策や米国経済の回復による製造業の輸出環境改善などから、実質GDPは3年連続のプラス成長が見込まれる。こうした経済環境のもと、紙・板紙の内需は、〈紙〉が広告費の抑制や電子媒体へのシフト継続により減少、他方〈板紙〉は食品分野を中心に2年連続の増加を見込む。この結果、紙・板紙全体では前年をわずかに下回ると予測した。
 紙・板紙合計について、品種別試算結果を積み上げると、内需量は2,746万t、前年に対して△0.7%=約20万tの減少となる。マイナス成長は4年連続。過去の実績値と比較すると、リーマン・ショック後では、09年(2,791万t)に対し△1.6%=約45万tの減少となる。
 紙・板紙別の寄与度では紙が△0.8ポイント(pt)、板紙は+0.1ptで、ウェイトの高い紙のマイナスが全体を押し下げる見込みである。
 ●紙合計
 〔近年の動向〕
 紙の内需は2006年をピークに減少しており、特に09年はリーマン・ショックの影響から大きく数量を落とした。10年以降は微減で推移し、13年は衛生用紙のみプラス、その他の品種は軒並みマイナスとなり、全体では△1.3%と7年連続のマイナスとなった。
 サプライ別では、国内出荷が印刷・情報用紙の増加により3年ぶりのプラス、一方の輸入は円高是正に伴い前年を大きく下回っている。なお、流通在庫は増加した。
 〔2014年の予測〕
主要品種のうち衛生用紙は微増を見込むが、新聞用紙、印刷・情報用紙、包装用紙はユーザーの節約志向に加え他媒体へのシフトといった構造的なマイナス要因により減少するため、全体ではマイナスと予測。
 紙合計について品種別の試算結果を積み上げると、内需量は1,596万t、前年に対して△1.3%=約21万tの減少となる。マイナス成長は8年連続。過去の実績値と比較すると、リーマン・ショック後では09年(1,687万t)に対し△5.4%=約91万tの減少となる。
☆品種別の寄与度では新聞用紙が△0.4pt、印刷・情報用紙が△0.9pt、包装用紙が△0.1pt、衛生用紙が+0.1ptの見込みである。
 ●板紙合計
 〔近年の動向〕
 板紙の内需は、リーマン・ショック後の2009年に大きく減少した。翌10年は前年の大幅減からの反動増もあり4年ぶりに増加、また11年は大震災後の被災地支援などがプラスに寄与し、2年連続で前年を上回った。12年は輸出関連需要の減少や前年の大震災による特需の影響から再びマイナスとなったが、13年は加工食品や飲料向けを中心に増加し前年を上回った。
 〔2014年の予測〕
 主要品種では主力の段ボール原紙が+0.3%、他方、紙器用板紙は△0.5%(うち白板紙は△0.5%)とマイナスを予測する。
 板紙合計について品種別試算結果を積み上げると、内需量は1,150万tで前年に対して+0.1%=約1万tの増加となる。過去の実績値と比較すると、リーマン・ショック後では2009年(1,105万t)に対し+4.1%=約45万tの増加となる。
 品種別寄与度では段ボール原紙が+0.2ポイント(pt)、紙器用板紙が△0.1pt、その他の板紙が△0.0ptと主力の段ボール原紙がプラスに牽引する。

(Future 2014年2月17日号17日号・24日号)

紙・板紙需給12月/国内出荷が6ヵ月連続増
 日本製紙連合会が集計した12月の紙・板紙国内出荷は、前年同月比+1.2%と6ヵ月連続の増加となった。うち紙は△1.8%の121.9万tで6ヵ月ぶりの減少、一方板紙は+5.4%の95.7万tと6ヵ月連続で前年同月を上回った。品種別では、新聞用紙(△3.1%)、印刷用紙(非塗工△1.1%、塗工△2.7%)衛生用紙(△6.3%)がマイナスだった。
 紙・板紙の輸出は前年同月比+64.3%の8.0万tで16ヵ月連続の増加。うち紙は+54.4%の6.1万tで、東アジア、東南アジア、大洋州向けを中心に16ヵ月連続増。板紙は倍増しており(+109.1%)、東南アジア向けを中心に14ヵ月連続の増加。
 紙・板紙の月末在庫は前月比△4.3万tの182.0万tで、4ヵ月連続の減少。うち紙は+0.3万tの126.1万tと2ヵ月ぶりに増加。品種間でバラツキはあるが新聞用紙の増加などが影響した。他方、板紙は△4.6万tの55.8万tで、段ボール原紙を中心に3ヵ月連続で減少した。
 以下は主要品種の動向である。
 〔印刷・情報用紙〕
 国内出荷は前年同月比△1.2%の66.6万tで、6ヵ月ぶりの減少。荷動きは、年末商戦向けのチラシ需要などもあったが盛り上がりは今ひとつ。輸入紙の増加なども影響した。他方、メーカー輸出は+64.2%の4.6万tで、塗工紙を中心に12ヵ月連続の増加となった。
 〔包装用紙〕
 国内出荷は前年同月比+1.2%の6.0万tで、未ざらしを中心に4ヵ月連続の増加。メーカー輸出は引き続き高水準をキープ(+25.0%、1.1万t)。
 〔衛生用紙〕
 国内出荷は前年同月比△6.3%の15.4万tと、2ヵ月連続の減少。引き続き、製品輸入の増加などにより、ティシュを中心に減少した。
 〔板 紙〕
 段ボール原紙の国内出荷は前年同月比+5.9%の77.1万tで、6ヵ月連続の増加。荷動きは堅調で、価格修正や消費増税、年末年始9連休を控えての前倒し需要などが影響した。白板紙の国内出荷は+2.2%の11.8万tと、コート白ボールを中心に2ヵ月連続の増加。これも、消費増税のほか年末年始9連休を控え、前倒し需要が発生した。

(Future 2014年2月10日号)

王子グリーンリソース/野菜工場を設置しアグリビジネスに参入

 王子ホールディングスの100%子会社である王子グリーンリソースは、このほど最先端植物工場の開発と運営を手がける潟Oランパと共同出資で農業法人を設立、三重県鈴鹿市に太陽光利用型植物工場(写真)を設置した。
 リーフレタスなどの葉物野菜を栽培し、2月から販売を開始している。王子グループは資源環境ビジネスの拡大を図るため、新規事業の取組みを進めており、今回のアグリビジネスへの進出もその一環。
 同社グループでは、林木育種の研究を進め、この技術を国内外で森林管理・植林事業へ活用してきた。さらに昨年9月には、育種・育苗技術を活用して漢方薬原料となる薬用植物研究にも着手している。こうした研究技術とグランパの最先端技術を融合し、安定した農業経営体の構築と新たな価値の創造を目指していく。また、地域の生産者、生産団体、自治体などとも協力し、地域農業の活性化に貢献していく考え。
 新会社および事業の概要は以下の通り。
 〔王子グランパ株式会社〕
 ・設  立;2013(平成25)年7月10日
 ・本  社;三重県鈴鹿市広瀬町(旧森林資源研究所跡地)
 ・払込資本金・1億2,000万円(王子グリーンリソース75%、グランパ25%)
 ・社  長;追永洋
 ・ドーム数:6棟
 ・栽 培 量;2,400株/日
 ・栽培品種;バタビアレタス(グリーンリーフ)、ホワイトセロリ、サラトリオ(3種レタス)など
 ・販 売 先;中部、京阪神地域
 〔株式会社 グランパ〕
 ・設  立;2005(平成17)年9月17日
 ・本  社;神奈川県横浜市中区
 ・払込資本金;9億100万円
 ・売 上 高:13億円(2012年度)

(Future 2014年2月24日号)

王子アドバ/子会社のニチパックを吸収合併
 王子ホールディングスの事業子会社である王子アドバは、同社完全子会社のニチパックを2月1日付で合併した。
 ともに軽包装事業を中核事業とする両社の経営統合により、業務の効率化と販売促進を図る。合併方式は王子アドバを存続会社とする吸収合併。
 両社の概要は次の通り。
 〔王子アドバ株式会社〕
 ・所 在 地;神奈川県座間市
 ・代 表 者;畑迫信二代表取締役社長
 ・資 本 金;9,600万円
 ・主な事業;紙袋および包装用品の製造販売など
 ・従 業 員;163名(1月31日現在)
 〔ニチパック株式会社〕
 ・所 在 地;東京都町田市
 ・代 表 者;前嶋美和代表取締役社長
 ・資 本 金;1,500万円
 ・主な事業;各種紙袋・紙製品の製造、印刷、加工、販売など
 ・従 業 員;92名(1月31日現在)

(Future 2014年2月24日号)

大王製紙/印刷関連子会社4社を合併
 大王製紙はグループの印刷事業を強化するため、4月1日を目途に印刷関連子会社4社を合併させる。業態の異なる印刷会社と制作会社を一体化し、販売体制を強化するとともに、組織見直しによる省力化と固定費削減を進める。
 合併するのは末広印刷(連結子会社)、スエヒログラフィックアーツ(非連結子会社)、コンピュータ印刷(連結子会社)、美幸堂(同)の4社。末広印刷が存続会社となり、ほかの3社を吸収合併する。合併後、末広印刷は社名を「ダイオープリンティング株式会社」に変更し、引き続き大王製紙の連結子会社となる。吸収される3社は解散する。4社と新会社の概要は次の通り。
 ●存続会社
 〔末広印刷株式会社〕
 ・所 在 地;〒170-0004 東京都豊島区北大塚1-13-4
 ・設  立;1952(昭和27)年4月
 ・資 本 金;8,000万円
 ・株  主:大王製紙100%
 ・売 上 高;84億3,000万円(2013年3月期)
 ・代 表 者;篠原義幸代表取締役社長
 ・従 業 員;265名
 ・事業内容;総合印刷業(チラシ・カタログ・パンフレット・カレンダー・ポスター・書籍等)、印刷物の企画・制作・印刷・加工・製本・配送
 ●消滅会社
 〔スエヒログラフィックアーツ株式会社〕
 ・所 在 地;〒170-0004 東京都豊島区北大塚1-13-4
 ・設  立;1991(平成3)年12月
 ・資 本 金;1,000万円
 ・株  主;末広印刷80%、大王製紙20%
 ・売 上 高;5億800万円(13年3月期)
 ・代 表 者;篠原義幸代表取締役社長
 ・従 業 員;28名
 ・事業内容;印刷物に関する企画・編集・デザイン・写真製版・印刷
 〔コンピュータ印刷株式会社〕
 ・所 在 地;〒170-0004 東京都豊島区北大塚1-13-4
 ・設  立;1971(昭和46)年2月
 ・資 本 金;6,000万円
 ・株  主;大王製紙99.8%
 ・売 上 高;24億5,600万円(13年3月期)
 ・代 表 者;舘賢二代表取締役専務
 ・従 業 員;128名
 ・事業内容;一般帳票/商業印刷・フォーム印刷・情報処理サービス
 〔株式会社 美幸堂〕
 ・所 在 地;〒170-0004 東京都豊島区北大塚1-13-4
 ・設  立;1968(昭和43)年6月
 ・資 本 金;5,000万円
 ・株  主;大王製紙99.9%
 ・売 上 高;13億7,200万円(13年3月期)
 ・代 表 者;篠原義幸代表取締役社長
 ・従 業 員;65名
 ・事業内容;シールラベル・パッケージの企画・デザイン・製造・販売、ラベラー・プリンター・各種サプライ品の企画・販売
 ●合併後の新会社概要
 〔ダイオープリンティング株式会社〕
 ・所 在 地;〒170-0004 東京都豊島区北大塚1-13-4
 ・資 本 金;8,000万円
 ・代 表 者;篠原義幸代表取締役社長
 ・事業内容;チラシ、カタログ、パンフレット、ビジネスフォーム、シールラベル等の製造・販売、印刷物に関する企画・編集・デザインなど

(Future 2014年2月10日号)

北越紀州製紙/2,361t-CO2の吸収量クレジットを取得
 北越紀州製紙は岩手県、新潟県および石川県内の社有林で森林経営活動(間伐促進型)のJ-VERプロジェクトを実施してきたが、制度の終期である2013年3月末までに合計2,361t-CO2の吸収量クレジット認証を取得した。
 クレジット期間は岩手県内社有林が11年1月〜13年3月(1,634t-CO2)、新潟・石川県内社有林が11年4月〜13年3月(727t-CO2)の約2年間。
 同社では「今後は取得したクレジットの活用方法を検討するとともに、引き続き社有林の整備を推進して地域環境の向上に貢献できる森林づくりを目指す」と述べている。加えて2013年4月からスタートした「J-クレジット制度」への移行参加も進めていくとしている。

(Future 2014年2月24日号)

リンテック/西尾弘之氏が新社長に

 リンテックは1月16日の取締役会で、4月1日付の社長交代を決議した。
 現・代表取締役社長の大内昭彦氏が代表取締役会長に、現・取締役常務執行役員の西尾弘之氏(写真)が代表取締役社長に就任する。同社は4月から3ヵ年中期経営計画をスタートさせる予定で、これに併せて経営トップの若返りを図る。
 新社長となる西尾弘之(にしお・ひろゆき)氏は1954(昭和29)年10月18日生まれ、札幌市出身。1978年3月室蘭工業大学工学部卒、同年4月リンテック入社、2010(平成22)年6月取締役・経営企画室長、11年6月取締役常務執行役員・経営企画室長兼CSR推進室長、13年4月同・経営企画室長兼CSR推進室長兼コスト改革本部管掌。所有株式数は1万14株。

(Future 2014年2月3日号)

国際紙パルプ商事/古紙関連事業の子会社を合併
 国際紙パルプ商事の完全子会社、むさし野紙業とコスモリサイクルセンターは、4月1日付で合併する。
 合併方式はむさし野紙業を存続会社とする吸収合併で、コスモリサイクルセンターは解散する。これにより古紙回収事業の効率化、規模の拡大を図るとともに、管理部門の一体化など経営合理化を目指す。両社の概要は次の通り。
 〔むさし野紙業株式会社〕
 ・所 在 地;埼玉県川越市大字下広谷404-1
 ・設  立;1990(平成2)年10月
 ・資 本 金;3,000万円
 ・2013年度上期業績;売上高8億3,633万8,000円、営業利益4,907万7,000円、経常利益4,458万4,000円、当期純利益4,068万4,000円
 ・代 表 者;小見裕之代表取締役社長
 ・従 業 員;62名
 ・事業所数;7(川越、ふじみ野、和光、西多摩、北多摩、横浜、厚木)
 ・事業内容;古紙の集荷・配送・販売、産業廃棄物・一般廃棄物の収集・運搬
 ・そ の 他;合併後も社名、所在地、事業内容、資本金に変更はない。代表者は小森修代取社長。
 〔株式会社 コスモリサイクルセンター〕
 ・所 在 地;東京都江東区新木場2-4-3
 ・設  立;1985(昭和60)年6月
 ・資 本 金;4,000万円
 ・13年度上期業績;売上高2億881万1,000円、営業利益1,396万5,000円、経常利益1,409万7,000円、当期純利益915万9,000円
 ・代 表 者;小森修代表取締役社長
 ・従 業 員;9名
 ・事業所数;1(新木場)
 ・事業内容;製紙原料の販売・加工、産業廃棄物の運搬・加工

(Future 2014年2月10日号)

三菱製紙/Li-ion電池セパレータ用塗布型不織布の開発進む
 三菱製紙はこのほど、リチウムイオン2次電池セパレータとして塗布型不織布がNi系正極のリチウムイオン電池でも高い安全性を確保できることを確認した。
 リチウムイオン電池は、携帯電話やパソコンなどの情報端末だけでなく、大量のエネルギー蓄積が必要な電力貯蔵用や電気自動車用まで用途が拡大している。これにより、容量の大きなリチウムイオン電池の需要が増加することが予想される。そして、これら電池の大型化・高エネルギー密度化に伴い、電池の熱暴走などの重大事故を回避する安全対策も、今まで以上に重要になる。
 セパレータに関しては、現在主流となっている微多孔膜の耐熱性を改善するため、微多孔膜の片面あるいは両面に数μmの耐熱層を設ける塗布型微多孔膜の使用が増えてきているが、もともと耐熱性の低い微多孔膜を使用しているため、その効果は限定的と見る意見もある。そうした中、三菱製紙は200℃以上の温度でも目立った収縮を示さないポリエステル不織布にセラミックを塗布することで、より耐熱性の高いセパレータ(NanoBaseX)の開発を進め、量産化を実現させた。
 そして同社では、量産可能となったNanoBaseX(30μm)セパレータが、塗布型微多孔膜より高い安全性を示すことを確認するため、高温時の安定性が低く、一般的な正極材料の中では安全性を確保しにくいと言われているNi系正極(LNO)を用いたリチウムイオン二次電池の釘さし試験を実施。比較対象としては、総厚25μmの微多孔膜(両面に2μmの耐熱性塗布があるもの)を使用したリチウムイオン電池を用いた。いずれのリチウムイオン二次電池も、負極にはハードカーボンを使用し、容量は1.7Ahのラミネートとした。
 実験では、それぞれの電池に釘を刺してから5秒後の様子を比較した。その結果、塗布型微多孔膜では釘刺し直後に激しく発火発煙し熱暴走に至ったが、NanoBaseX使用の電池は、釘刺し後も目立った変化は起こらず、電池の表面温度も実験終了までの30分間で最大でも60℃程度に止まっていた。
 この30μm厚のNanoBaseXセパレータは、中国でMn系正極のリチウムイオン電池用セパレータとして採用が決定しており、自動車用のスターター電池(鉛電池の代替電池)としてのモニターテストで環境特性も含め良好な電池性能が確認されている。さらに、三菱製紙ではNanoBaseXの薄膜化に取り組んでおり、すでに25μm厚のプロトタイプは試作が完了、今春までには20μm厚のNanoBaseXを完成させたい考え。

(Future 2014年2月17日号)

紙・板紙需給11月/国内出荷が5ヵ月連続増
 日本製紙連合会が集計した11月の紙・板紙国内出荷は、前年同月比+1.9%と5ヵ月連続の増加となった。うち紙は+1.9%の125.6万t、板紙も+1.9%の97.9万tで、いずれも5ヵ月連続増。主要品種では、新聞用紙(△0.7%)と衛生用紙(△1.0%)を除き増加している。
 紙・板紙の輸出は前年同月比+34.9%の7.5万tで15ヵ月連続の増加。うち紙は+23.1%の5.8万tで、東アジアや東南アジア向けを中心に15ヵ月連続増。板紙は倍増しており(+104.8%)、東南アジア向け中心に13ヵ月連続の増加。
 紙・板紙の月末在庫は前月比△7.3万tの186.6万tで、3ヵ月連続の減少。うち紙は△5.9万tの126.1万t、印刷・情報用紙、新聞用紙を中心に前月の増加から減少に転じた。板紙は△1.4万tの60.5万t、段ボール原紙を中心に2ヵ月連続で減少した。
 以下は主要品種の動向である。
〔印刷・情報用紙〕
 国内出荷は前年同月比+3.1%の70.4万tで、5ヵ月連続の増加。引き続き輸入からの振替や価格修正に伴う前倒しが影響した。メーカー輸出は+11.8%の4.0万tで、塗工紙(薄物)を中心に11ヵ月連続の増加となった。
〔包装用紙〕
 国内出荷は前年同月比+1.5%の6.5万tで、3ヵ月連続の増加。未ざらし、さらしとも増えている。メーカー輸出は引き続き高水準(+23.2%、1.2万t)。
〔衛生用紙〕
 国内出荷は前年同月比△1.0%の15.4万tと、3ヵ月ぶりの減少。価格修正やティシュを中心に製品輸入の増加が影響した。
〔板  紙〕
 段ボール原紙の国内出荷は前年同月比+1.6%の78.0万tで、5ヵ月連続の増加。荷動きは年末商戦関連で比較的堅調だった。白板紙の国内出荷は+1.5%の12.6tと、コート白ボールを中心に前月の減少から増加に転じた。いずれも消費税増税の前倒しが一部後押ししている。

 

王子ホールディングス/抄紙機の再稼働と停止を発表
 王子グループは経営環境の急激な変化への対応と持続的な成長のため、事業構造の転換を経営戦略の中心に掲げ、グループ経営力の強化を進めている。このほどその一環として、抄紙機の再稼働や停止などの諸施策を次の通り決めた。
 (1) 王子マテリア富士工場(抄紙機の再稼働と停止)
 効率的な生産体制構築と環境負荷低減のため、富士第一工場のN-1号抄紙機(2011年停止)を改造・再稼働して中芯原紙を生産する。稼働時期は14年7月(予定)。再稼働後の生産能力(中芯)は16.7万t/年。これに伴い富士第二工場の10号抄紙機(中芯原紙、17.3万t/年)を14年7月に停止する。
 (2) 王子エフテックス東海工場富士宮製造所(抄紙機停止)
 需要に見合った生産体制を構築するため、白板紙・その他板紙を製造する抄紙機2台を停止し、白板紙製品の生産・販売を王子マテリアへ移管する。停止するのはB-1号抄紙機(白板紙、4.1万t/年)とB-2号抄紙機(白板紙・その他板紙、2.9万t/年)。停止時期は14年9月(予定)。なお、同製造所の既存水力発電設備を活用した発電事業については検討を進めていく。
 (3) 感熱紙の生産集約
 王子製紙日南工場で生産している感熱紙の生産を王子イメージングメディア神崎工場およびOji Paper(Thailand)に移管し、日南工場の3号コーター(感熱紙1億5,400万m2/年)、4号コーター(感熱紙4億2,500万m2/年)を停止する。停止時期は14年10月(予定)。
 以上の施策に伴う固定的費用を中心としたコスト削減額は、年間約50億円。同社では「今後も常に先行して事業構造の転換を進めていく」としている。設備停止に伴い、14年3月期決算で事業構造改善費用を特損計上するが、業績予想に変更はない。

(Future 2014年1月27日号)

日本製紙/タイのSCGペーパー社とフィブラス事業で合弁契約
 日本製紙は2013年12月13日、かねて事業参画を公表していたSCGペーパー社(タイ)と、同社のフィブラス事業部門会社にかかわる合弁契約を締結した。フィブラス事業とはSCGペーパー社の植林、パルプ、紙で構成される事業群の総称。
 日本製紙は、SCGペーパー社との関係強化のため、08年2月に包括的業務提携の覚書を交わし、12年7月には多用途薄物産業用紙事業の生産・販売を行うサイアム・ニッポン・インダストリアル・ペーパー社を合弁で設立。さらに新たな合弁事業についても協議を進め、日本製紙がSCGペーパー社のフィブラス事業に参画することで合意していた。そして今回、第三者割当増資引受により、日本製紙がフィブラス事業部門会社の株式を取得することとなった。
 日本製紙は今後14年6月までにフィブラス事業部門会社の株式の約22%(約110億円相当)を取得し、16年を目処に約30%まで追加取得していく。また、同社を日本製紙の持分法適用会社とする予定で、今回の株式取得を機に、成長市場である東南アジアで新たな事業展開を加速させる。なお、これにより業績に与える影響は軽微。

(Future 2014年1月20日号)

レンゴー/新名古屋工場が営業開始

 レンゴーは名古屋工場(名古屋市)の移転先として、かねて愛知県春日井市に新名古屋工場の建設を進めていたが、このほど完成し、1月6日から正式営業を開始した。
 新工場は、太陽光発電をはじめとした環境配慮はもちろん、同社段ボール工場初のラック式免震自動製品倉庫を導入し、効率的な在庫管理と物流作業の安全性向上を図るなど、最先端技術と環境保護の工夫を結集させた。省エネとCO2削減を図りながら、より少ない資源でより付加価値の高い製品づくりを目指す「Less is more.」を体現するとともに、中部地区における同社グループの中核拠点工場として機能させていく。
 〔新名古屋工場の概要〕
 所 在 地;愛知県春日井市明知町字頓明1514-82(明知東工業団地内)
 代 表 者;井上芳工場長
 従 業 員:120名
 工場敷地;10万5,785m2(建築面積2万9,295m2、延床面積3万6,991m2)
 事  業;段ボールシート、段ボールケースの製造販売
 ラック式免震自動製品倉庫;最大約4,000パレット、スタッカクレーン5台、設置高約30m
 太陽光発電;総発電容量1,505.9kW、年間発電量約154万kWh(約425世帯分の消費電力に相当)、パネル枚数7,436枚(屋根部5,868枚、法面部1,568枚)、面積1万340m2

 コート白ボールでCoC認証を取得

 またレンゴーは、コート白ボールを生産する利根川事業所製紙工場(1号抄紙機)で、FSC森林認証のCoC認証を取得した。食品や日用品のパッケージなどに使用されるコート白ボール専用抄紙機でのFSC認証取得は国内初。
 従来から古紙リサイクルシステムの維持発展に取り組んできた同社だが、今回のFSC認証取得により、環境配慮面での品質が一層強化されたことになる。

(Future 2014年1月27日号)

日本製紙/十條サーマル社を完全子会社化
 日本製紙はこのほど、連結子会社の十條サーマル社(本社;フィンランド・エウラ市)を100%子会社化した。共同出資会社だったアールストローム社(本社;フィンランド・ヘルシンキ市)から、同社が所有する十條サーマル社の全株式を買い取ったもの。
 十條サーマル社は日本製紙の技術協力のもと、フィンランド南西部のカウツアで感熱紙を生産している。感熱紙の需要は世界的に堅調で、十條サーマル社は三大市場の一つである欧州で感熱紙事業を展開する、日本製紙の重要な事業拠点。同社を完全子会社化することにより、日本製紙グループは情報・産業用紙事業の競争力を強化していく。
 〔十條サーマル社の概要〕
 代 表 者;三宅純生社長
 設  立;1992年7月
 資 本 金;1,261万ユーロ(約18億円)。完全子会社化する前の出資比率は日本製紙50%、アールストローム社50%
 事  業;感熱紙などの生産・販売
 売 上 高;8,248万2,000ユーロ(2012年)
 生産能力;7万2,000t/年
 生産設備;マシン2台、コーター2台(うちカーテン・コーター1台

(Future 2014年1月27日号)

北越紀州製紙/自社株1,512万株を取得
 北越紀州製紙は12月27日、東証の自己株式立会外買付取引(ToSTNeT-3)により、自己保有株を除く発行済株式総数の7.78%に相当する自社株1,512万1,000株を取得した。取得総額は75億6,050万円。取得の目的は、「経営環境の変化に対応した機動的な資本政策の遂行を可能にするため」。
 なお今回の自社株式取得に際して、筆頭株主の三菱商事が保有株式の一部を売却した結果、同社の北越紀州株式保有比率は25.5%から19.5%に低下、「その他の関係会社」には該当しなくなった。

(Future 2014年1月27日号)

レンゴー/段ボールの軽量化進展でLCCの普及に弾み
 レンゴーはこのほど、LCC原紙の本格普及をにらみ、供給体制が整っていること、生産量を拡大させていることをPRした。
 LCCは、強度を維持しながら原紙自体を軽量化することで古紙資源の有効活用を図るとともに配送時のCO2排出量も削減する、レンゴー独自の軽量強化中しん段ボール原紙。Less Caliper & Carbon containerboardの頭文字を取って名付けられた。製品ラインアップは120g/m2と、今年新たに開発された90g/m2の2種類があり、それぞれ一般的な中しん原紙の160g/m2と120g/m2に対応し、同等以上の強度を保ちながら25%の軽量化を実現した。LCC利用によるCO2排出量削減率は7〜9%に上ると試算されている。原紙1本当たりの巻メーター長が伸びることも特徴で、貼合工程の作業効率向上や、原紙在庫の少スペース化にもつながる。
 環境問題への関心が高まる中、段ボール軽量化のニーズは一層高まっており、2004年を100とした段ボールの平均坪量指数は、2012年には段ボール業界全体で96.4、レンゴーは92.9まで軽量化した。同社では現在、埼玉県の八潮工場と福井県の金津工場でLCCを生産し、全国に供給できる体制を整えており、金津、八潮両工場合わせた生産量は、月間7,000tに拡大している。レンゴーは、段ボールの軽量化をさらに進めていく意向で、「LCCはそのさきがけとなる、段ボール原紙の新時代を拓くイノベーション」として、本格的な普及に向けた飛躍を期待している。

(Future 2014年1月20日号)


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