業界ニュース

リンテック/4月1日付で新社長に西尾弘之氏
 リンテックは1月16日の取締役会で、4月1日付の社長交代を決議した。現 代取社長の大内昭彦氏が代取会長に、現 取締役常務執行役員の西尾弘之氏が代取社長に就任する。同社は4月から3ヵ年中期経営計画をスタートさせる予定で、これに併せて経営トップの若返りを図る。
 新社長となる西尾弘之(にしお・ひろゆき)氏は1954(昭和29)年10月18日生まれ、札幌市出身。1978年3月室蘭工業大学工学部卒、同年4月リンテック入社、2010年6月取締役−経営企画室長、11年6月取締役常務執行役員−経営企画室長兼CSR推進室長、13年4月同−経営企画室長兼CSR推進室長兼コスト改革本部管掌。

(Future 2014年2月3日号)

日本紙パルプ商事/ベトナム・ハノイに駐在員事務所を開設
 日本紙パルプ商事は1月6日、ベトナム・ハノイに駐在員事務所を開設した。
 安定的な経済成長が続くベトナムでは、紙・板紙の消費量が年々伸びている。同社グループは従来からベトナム向け輸出や三国間貿易を展開するとともに、南部のホーチミンでは子会社が開設した駐在員事務所を通じて市場調査を実施してきた。また、北部のハノイでは2006年から、家庭紙を製造する子会社が製紙事業を開始している。
 近年、特に北部のハノイやハイフォンでは、ベトナム政府が企業誘致を積極化しており、進出企業が増加するとともに、商品の多様化や市場の細分化が顕著になっている。こうした背景を踏まえ、同社は駐在員事務所を開設して地域経済や市場調査を進めていく考え。これによりビジネス機会の発掘に向けた体制を強化する。
 〔駐在員事務所の概要〕
 名  称;日本紙パルプ商事ハノイ駐在員事務所
 代 表 者;齋藤幸哉
 業務内容;ベトナム市場における市場調査と情報収集

(Future 2014年1月27日号)

日本製紙連合会/古紙回収システム研修会に東南ア3ヵ国24名が参加
 日本製紙連合会は13年12月5日〜13日の9日間、東南アジア3ヵ国の製紙・古紙関連企業関係者と行政担当者らを対象にした古紙回収システム研修会を、東京・北千住の海外産業人材育成協会(HIDA)東京研修センターで開催した。
 品質の良い日本の古紙が、どのようにして大量に回収されるのかを実地に学んでもらうため、当初は中国を対象に始まった研修会だが、3年間で一定の成果が得られたとして、2012年からは東南アジア諸国の中でも経済的発展度が高く、紙パ関連企業も多いタイ、ベトナム、マレーシアの3ヵ国に切り換えて実施している。対象国が変わって2回目となる今回はタイから9名、ベトナムから9名、マレーシアから6名の計24名が参加した。
 研修カリキュラムは本誌11月18日号で紹介した通り。初日は各国の研修生が自国の古紙リサイクルの現状について発表を行い、2日目以降は日本の古紙リサイクルに関する製紙業界と古紙回収・問屋業界の取組み、政府の施策や自治体の取組みに関する講義のほか、製紙工場、古紙ヤード、行政回収の現場を実地見学した。また最終日には研修生による成果発表会、研修生と日本側有識者との意見交換会が行われた。

(以下詳細はFuture 2014年1月27日号で)

紙・板紙需給10月/国内出荷が4ヵ月連続増
 日本製紙連合会が集計した10月の紙・板紙国内出荷は、前年同月比+3.5%の227万tと4ヵ月連続で増加した。うち紙は+4.3%の127.3万t、板紙は+2.5%の99.7万tで、いずれも4ヵ月連続のプラス。主要品種では、新聞用紙(△0.6%)と白板紙(△2.1%)を除き増えている。
 紙・板紙の輸出は前年同月比+25.3%の7.5万tで、14ヵ月連続の増加。うち紙は+16.8%の6.0万tで、東アジアや東南アジア向けを中心に14ヵ月連続のプラス。板紙は絶対量は少ないものの+75.3%の1.5万tで、東南アジア向けを中心に12ヵ月連続の増加。
 紙・板紙の月末在庫は前月比△0.5万tの193.8万tで、2ヵ月連続の減少。うち紙は+0.1tの131.9tと、ほぼ横ばいながら前月の減少から増加に転じた。一方、板紙は△0.6万tの61.9万tと、段ボール原紙を中心に前月の増加から減少に転じた。
 以下、主要品種の動向である。
 〔印刷・情報用紙〕
 国内出荷は前年同月比+6.6%の71.3万tで、4ヵ月連続のプラス。引き続き、輸入からの振替えや価格修正に伴う前倒し需要などが影響した。メーカー輸出は+16.1%の4.3万tで、塗工紙を中心に10ヵ月連続の増加となった。
 〔包装用紙〕
 国内出荷は前年同月比+0.7%の6.6万t。ほぼ横ばいだが、未ざらし(重袋用)を中心に2ヵ月連続で増加した。メーカー輸出は、前月同様高水準をキープしている。
 〔衛生用紙〕
 国内出荷は前年同月比+3.3%の15.6万tとなり、2ヵ月連続のプラス。ティシュを中心に製品輸入が増加しているが、トイレットペーパーの出荷増などが影響した。
 〔板 紙〕
 段ボール原紙の国内出荷は前年同月比+3.1%の79.3万tと、4ヵ月連続のプラス。全般的に荷動きが堅調だった。一方、白板紙の国内出荷は△2.1%の13.1万tで、コート白ボールを中心に3ヵ月ぶりの減少となった。

(Future 2013年12月16日号)

三菱製紙/第1次中期経営計画のフェーズ2を見直し
 三菱製紙はこのほど、「第1次中期経営計画 フェーズ2」の戦略と基本計画値の見直しを発表した。
 三菱製紙グループでは、東日本大震災で主力の八戸工場が甚大な被害を受けたことから、「洋紙事業の復興」(フェーズ1)と「成長に向けての収益基盤強化」(フェーズ2)を柱とした「第1次中期経営計画」(期間:2011年10月〜15年3月)を進めている。フェーズ1については概ね完了し、現在はフェーズ2の「成長に向けての収益基盤強化」に取り組んでいるが、事業環境が大きく変化し、計画前提条件との乖離が大きくなったことから、見直すことにしたもの。見直し計画の名称は「第1次中期経営計画 フェーズ2ローリングプラン」、概要は以下の通り。
 〔計画期間〕
 フェーズ2の最終年度を1年延長し、13年4月〜16年3月とする。したがって第1次中計全体の期間も11年10月から16年3月までの4年6ヵ月となる。
 〔取組みテーマ〕
 ○ 新 規
 八戸工場構造改革の断行;八戸工場分社化・子会社再編による労務費削減、エネルギー事業関連・省エネルギーの推進、配合改良等・物流費改善
 海外市場への踏込み強化;米国デジタル印刷市場への本格参入、日本・欧州オフセット印刷市場への品揃え強化による新規顧客開拓、感熱紙で世界市場3位を確保
 成長商品のニッチマーケットへの資源投入;新商品をテコとした機能性フィルム分野への本格参入(タッチパネルなど)、自動車用キャビンフィルターのクロスボーダーでの生産・販売体制確立▽水処理膜支持体の量産体制確立/LiBセパレータのグローバル展開
 ノンコモディティ化の推進;平判製品比率向上・情報用紙化の推進
 ○ 継 続
 財務体質の強化;有利子負債の早期返済の実行

(Future 2013年12月16日号)

日本製紙/タイのSCGペーパー社とフィブラス事業で合弁契約
 日本製紙は12月13日、かねて事業参画を公表していたSCGペーパー社(タイ)と、同社のフィブラス事業部門会社にかかわる合弁契約を締結した。フィブラス事業とはSCGペーパー社の植林、パルプ、紙で構成される事業群の総称。
 日本製紙は、SCGペーパー社との関係強化のため、2008年2月に包括的業務提携の覚書を交わし、12年7月には多用途薄物産業用紙事業の生産・販売を行うサイアム・ニッポン・インダストリアル・ペーパー社を合弁で設立。さらに新たな合弁事業についても協議を進め、日本製紙がSCGペーパー社のフィブラス事業に参画することで合意していた。そして今回、第三者割当増資引受により、日本製紙がフィブラス事業部門会社の株式を取得することとなった。
 日本製紙は今後、14年6月までにフィブラス事業部門会社の株式の約22%(約110億円相当)を取得し、16年を目処に約30%まで追加取得していく。また、同社を日本製紙の持分法適用会社とする予定で、今回の株式取得を機に、成長市場である東南アジアで新たな事業展開を加速させる。なお、これにより業績に与える影響は軽微。

(Future 2014年1月20日号)

王子ホールディングス/ベトナム・ホーチミンの紙器・段ボメーカーを買収
 王子ホールディングスは、ベトナムで紙器や美粧段ボール、紙コップなどを製造販売するUnited Packaging Joint Venture Co., Ltd(以下、UPJV社)の発行済株式の75%を取得する。12月2日付で株式売買契約書を締結した。
 王子グループは現在、生活産業資材、機能材・新素材、資源、エネルギー分野を中心に、ケミカル、メディカルなど周辺分野への事業展開も見据えた事業構造転換を積極的に推進している。このうち生活産業資材については、東南アジア・インド地域でパッケージング事業の積極展開を図っており、同地域での事業拠点は現在、18ヵ所に拡大している。ベトナムの事業拠点は、6月に稼働した北部バクニン省の新工場を含め、南部1ヵ所、北部2ヵ所だったが、今回のUPJV社は南部のホーチミン市にあるため、これにより南部、北部各2ヵ所の計4ヵ所体制となる。また今回の買収により、これまでの段ボールに加えて紙器も製品構成に加わる。
 王子グループは今後、インドネシアやフィリピンなど、未進出国へも速やかに進出し、東南アジア・インド地域全体で事業化を推進していく計画。ちなみに王子グループが同地域で2014年度以降に稼働させる事業拠点(段ボール)は、インドのラジャスタン州ニムラナ工業団地で14年7月に稼働予定のOji JK Packaging Private Limited(シート4,800万u/年、ケース4,400万u/年)と、ミャンマーのヤンゴン市近郊ミンガドラン工業団地で投資許可申請中の製造拠点(15年稼働予定。シート4,200万u/年、ケース1,800万u/年)の2ヵ所がある。
 〔UPJV社の概要〕
 所 在 地;ホーチミン
 設立年月;2002年1月23日
 事業内容;紙器箱、美粧段ボール箱、紙コップなどの製造・販売
 従 業 員;約200名
 業  績;2012年12月期=売上高1,170億ドン(6億円)、総資産750億ドン(4億円)

(Future 2014年1月6日号)

セッツカートン/ベトナムで新会社設立
 レンゴー100%子会社のセッツカートンは11月14日、ベトナムのドンナイ省で、同社80%出資の段ボールケース製造会社、Settsu Carton Vietnam Corporationを設立した。ホーチミン市の南東約40qに位置するロンドウック工業団地で工場建設に着手し、2014年10月頃の稼働開始を目指す。
 ロンドウック工業団地は日系企業が開発する工業団地で、多くの日本企業の進出が見込まれている。レンゴーグループは、日系企業のニーズを満たす高品質な包装資材の需要を見込み、同地で段ボールケースの製造販売事業を展開するもの。レンゴーは、ベトナムをはじめ東南アジアでの段ボール事業を、グループ海外事業の重要な戦略事業と位置付けている。
 〔Settsu Carton Vietnam Corporationの概要〕
 本社所在地;Long Duc Industrial Park, Long Duc Ward, Long Thanh District, Dong Nai Province, Vietnam
 役  員;会長・丹羽俊雄(セッツカートン代取社長)、社長・西川雅貴(セッツカートン専務)
 資 本 金;1,000万ドル
 株  主;セッツカートン80%、日商岩井紙パルプ20%
 事業内容;段ボールケースの製造販売
 規  模;敷地面積・約2万m2、建屋面積・約8,000m2

(Future 2014年1月6日号)

レンゴー/広岡紙器を子会社化
 レンゴーはこのほど、富山県の段ボールメーカー、広岡紙器汲フ株式100%を取得して子会社化した。同時に同社を株式会社化し、新商号を広岡紙器鰍ニした。
 広岡紙器は富山県高岡市を中心に得意先を持つ段ボールケースメーカー。レンゴーは同社へ役員を派遣するとともに、近隣のレンゴー直営工場およびグループ企業と連携し、北陸地区での段ボール事業の拡充を図る。
 〔広岡紙器鰍フ概要〕
 本  社;富山県高岡市六家1073
 代 表 者;青島安宏代取社長
 資 本 金;1,000万円
 事業内容;段ボールケース・紙器箱の製造販売
 売 上 高;1億3,500万円(2012年9月期)
 従 業 員;7名

(Future 2013年12月16日号)

大王製紙/ナノセルロースのサンプル提供を開始
 大王製紙はこのほど、次世代先端材料として世界的に注目を浴びているナノセルロースのサンプル提供を開始、併せて実用化に向けた用途展開を図っていく。
 ナノセルロースとは、植物の基本骨格物質であるセルロースを主体としたナノ材料。繊維幅が20nm〜数100nmの極細繊維状物質で、紙の原料でもあるパルプなどのセルロース系材料を微細化処理して得ることができる。
 一般的な特徴としては、環境配慮型、高強度、低線熱膨張、高アスペクト比、高保水性、大比表面積、軽量、高弾性、高ガスバリア性、小空隙、などが挙げられる。
 用途の可能性も多岐に渡り、保水剤、樹脂・繊維の補強剤、フィルター部材、電池部材、バインダー、建材・内装材の多機能化、化粧品・食品・医薬品関係などへの展開が期待されている。大王製紙でも一部の用途開発で成果が見えつつあるが、より多くの企業や研究機関に評価してもらい、用途に適したナノセルロースを開発することで、実用化を早めたい考え。そこで今回、サンプル提供を開始したもの。サンプルの特徴と入手方法は以下の通り。
 〔特 徴〕
 一貫生産型製紙工場である三島工場の強みを活かし、原料は化学パルプのほか機械パルプや古紙パルプも選択できる。解繊度合いの調整により、用途に応じた繊維の大きさに調整することも可能。
 〔原 料〕
 化学パルプ(広葉樹漂白品)、化学パルプ(針葉樹漂白品)、機械パルプ(漂白品)、古紙パルプ(雑誌古紙パルプ・漂白品)▽古紙パルプ(段古紙パルプ)
 〔各ナノセルロースの特徴〕
 化学パルプ由来;疎水性のリグニンが少ないため保水性が高く、親水性材料との相性がよい。
 機械パルプ由来;リグニンが多いため脱水性に優れ加工効率がよい。疎水性材料との混合性向上が期待できる。
 古紙パルプ由来;樹脂と複合した際、安価に補強効果が期待できる。機械パルプ由来と同様リグニンが多く、疎水性材料との優れた混合性が期待できる。

(Future 2014年1月6日号)

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