業界ニュース

明光商会/シュレッダーのノウハウを活用し古紙向けで破砕機事業に参入
 明光商会は、このほど機密文書等を段ボール箱に入ったまま処理できる破砕機“MSC─3000”を発売し、新たに破砕機事業に参入した。
 同社はオフィスユースのシュレッダーで75%のシェアをもち、これまでに40万社に納入、300万台が稼働している。今回発売した破砕機はこれらシュレッダーで培ったノウハウをベースに開発したもので、段ボール箱に入った書類をそのまま投入し処理できる。
処理能力は約3〜4.2t/時(理論値)で、1軸カッターと2軸カッターを1つのドライブで駆動し約20×35〜76mm(不定形)に細断する。また作業員の安全確保のため、オプションでホッパー部に監視カメラを設置することができるほか、投入コンベア、投入・排出コンベア、投入コンベア+べーラーとの連結など多様なカスタマイズも可能。
 同社では、現在国内の倉庫や古紙原料問屋等で稼働している大型破砕機の多くが海外製であり、ユーザーから保守面で不満の声が多くあがっていることに着目。生産からメンテナンスまでを自社で一貫して行うことにより、迅速かつ信頼性の高いサービスが提供できることを強味に、初年度2億円の販売を見込む。
 〔MSC─3000の主な仕様〕
 本体寸法;W1,235×D2、030×H2,550mm
 制御盤寸法;W1,000×D350×H1,600mm
 投入口寸法(高さ);約780mm
 本体質量(制御盤除く);約3,900kg
 電源;200V
 定格時間;連続
 ユーザー必要電源;150A
 処理能力;約3,000〜4,200kg/時(理論値)、ばら紙2,772.7kg/時・段ボール2,136kg/時(実測値)
 細断寸法;約20×35〜76mm(不定形)
 定格細断枚数;約1、000枚
 最大投入枚数;約1箱(約2,500枚)
 最大投入箱寸;W300×D300×H400mm
 細断速度(50/60Hz);約8.3〜11.6m/分
 標準小売価格;1、890万円(税込)

 なお、2月22日には上記破砕機を含む新製品発表会ならびに記者発表会が東京都中央区の同社東京本社で開催され、代表取締役社長の土岐勝司氏が明光商会の概況と事業ビジョンなどについて述べた後、新製品披露とデモンストレーションが行われた。
 土岐社長の説明によると、同社は現在「世界一のシュレッダーメーカーになる」ことを目標とした「明光グローバルプランver.2」に取り組んでおり、今回の新商品は同プランに即して開発されたもの。
 具体的には
 @ 従来にはない画期的な付加機能;特許技術であるセミオートバインディング(半自動梱包)機構を搭載したシュレッダー“MSX─F700SAB”
 A 2012年モデルの更なる拡張・進化;細断くずを振動によって均等にならすバイブレーションプレスの高機能化・静音化を達成したシュレッダー“MSX─F700SV”“同450SV”
 B 破砕機事業への挑戦;“MSC─3000”
の3点に主眼が置かれている。
 また、設計から品質管理、修理までをすべて自社で行う“Made in Japan”にこだわり、その一環として保守体制の強化・拡充に注力。修理に関してはほぼ即日完了(平均1.09日)可能な体制が整備されているという。

(紙パルプ技術タイムス2013年4月号)

2012年紙類貿易/2年連続の新記録で150万tの入超
 2012年の紙類貿易は前年からの輸出減−輸入増という基調を引き継ぎ、入超幅が拡大した。年平均為替レートも概ね前年並みの円高・ドル安・ユーロ安で、こうした基調をフォローした。ただし月次ベースで見ると、昨年8月を一つのピークにして入超幅は徐々にだが縮小に転じつつある。アベノミクス効果を指摘する向きもあるが、実際にはそれ以前から変化の兆しは現れていた。変化が決定的になったのは12月で、円の対ドル為替レートが7ヵ月ぶりの80円台に下がるとともに、この間の入超拡大を牽引してきた紙の輸入が年初来初めて10万t台に落ち込んだのである。為替相場の変化を先取りするような輸入紙の後退は何を意味するのか。今年に入り、すでに1ドル90円台半ばをうかがう為替環境になっているが、これは輸入紙の一層の後退と輸出の回復につながるのだろうか。
 【貿易バランス】
 2012年は年明けの1月に紙・板紙の輸入が21.7万t、輸出が5万t、入超幅が△16.7万tという実に惨憺たる状況でスタートし、先行きどうなることかと危ぶまれたが、結局これが年間を通じてのピークとなった。すなわち、この1月は12ヵ月中で輸入が最多、輸出が最少だったため、入超も最大幅に膨れ上がったが、以後は4月と9月に△10万tの大台を割り込むなど少しずつ減少し、12月には△6.5万tと年初来の最低ラインを記録している。月平均の入超幅は△11.8万tで、うち紙が△9.3万t、板紙が△2.5万t。年計では紙・板紙合計の入超が△141.3万tに達している(紙△111.2万t、板紙△30.1万t)。これは11年の△114.1万tより27.1万tも多く、むろん過去最多である。
 紙類合計ベースで貿易バランスの推移を眺めたのが表1。2008年は印刷用紙の新マシンを主体に輸出が拡大したため数量で12.8万t、金額で642億円の出超を記録しているが、円高で紙の輸入が拡大し輸出が低調だった翌09年は△82万t/△329億円と一気に入超へ転落。10年は平均単価の高い加工紙の輸出が“貯金”となり、数量が入超(△37.5万t)も金額ベースでは180億円の出超を実現したが、11年は3.11大震災で国内の主力工場が被災したのに加え続伸する円高の影響もあり、輸出が大幅減を余儀なくされる一方、輸入が紙を中心に前年より34万t強も増えたため入超幅は数量で△125.4万t、金額で△562億円と拡大。
 そして12年はこの基調が全体として継続し、数量で△149.8万t、金額で△756億円の入超となっている。756億円と言えば準大手メーカーの年間売上高に匹敵するレベルで、わが国製紙産業としてはそれだけ“売り負けた”形である。この入超幅は数量・金額とも、もちろん過去最高であり、今年に入ってからの内外環境を勘案すると当分の間この記録が破られることはなさそうだ。
 あらゆる商取引がそうであるように、国際貿易もまた基礎部分と上積み部分から成る。コストにたとえると固定費と変動費。為替がどう変動しようと、それとは関わりなく輸入されたり輸出されたりするのが基礎部分(固定費)である。一方、為替に応じて増減を繰り返すのが上積み部分(変動費)だ。近年、輸入が拡大してきたのはこの上積み部分においてであり、基礎部分が伸びてきたわけではない。為替によって膨らんだマーケットである以上、為替によってしぽむのは当然と言える。

(以下、詳細はFuture 2013年2月25日号)

大王製紙/子会社群再編で同一業種内一本化による効率向上へ
 大王製紙は中期事業計画に基づく経営基盤再構築の一環として、子会社の再編に着手する。
 同社の子会社群は同一業種の中で分社化しているケースが多く、1社ごとの規模が比較的小さいため収益改善を進める力が分散していると判断。同一業種内の子会社群を統合して一体運営することで、質・量とも従来より幅広い事業展開ができるようにし、収益改善のスピードアップを図りつつ事業基盤を強化する。
 2月21〜22日の株主総会による正式な承認を経て、4月1日付で新体制がスタート。いずれの場合も、同一業種内にある複数子会社のうち1社を存続会社とする吸収合併方式で、他の子会社は解散する。詳細は次記の通り。
 <段ボール>
 中部大王製紙パッケージが存続会社として社名を「大王パッケージ」に変更、他の5社を吸収合併する。
 <販 売>
 大建紙販売が存続会社となり、社名を「大王紙パルプ販売」に変更、他の3社を吸収する。
 <物 流>
 大王紙運輸が「ダイオーロジスティクス」と社名変更のうえ存続会社となり、他の5社を吸収合併。
 <H&PC加工品生産>
 ダイオーペーパーコンバーティングが「エリエールプロダクト」と社名変更、エリエールペーパーテックを吸収合併。
 <三島工場構内−原材料>
 セカンドリーファイバーが四国エネルギー作業を吸収合併の上、「ダイオーエコワーク」と社名変更。
 <同−製紙工程>
 ダイオーペーパーテックが他の2社を吸収、社名を「ダイオーミルサポート」に変更。
 <エンジニアリング>
 ダイオーエンジニアリングがダイオーメンテナンスを吸収合併。
 <ゴルフ場運営>
 エリエールリゾーツゴルフクラブがエリエール商工を吸収合併。

(Future 2013年2月18日号)

レンゴーグループ/北九州・下関地域のコルゲータを統廃合
 レンゴーの連結子会社で段ボール・紙器メーカーの日之出紙器工業は、コルゲータを統廃合する。
 鹿児島に本社を置き、九州全域に段ボール・紙器を供給する日之出紙器は、2012年10月にレンゴーグループの段ボールメーカー、大興製凾を吸収合併し、現在は九州圏に5ヵ所の工場を持つ。このうち、旧大興製凾の工場は山口県下関市にあり、日之出紙器の小倉工場からは直線で約5qと至近。このため同社では、両工場の生産効率化を検討してきた。そして、1月に小倉工場のコルゲータが更新されたのを機に、段ボールシートの生産を小倉工場に一元化し、3月31日をもって旧大興製凾のコルゲータを休止することとしたもの。
 レンゴーは、「今回の設備統廃合を通じ、需要に見合った生産・供給体制の最適化を図るとともに、これまで以上に迅速なユーザーニーズへの対応と品質向上を図る。これにより、九州・山口県地域での段ボール事業をさらに強化する」と述べている。
<日之出紙器工業>
〔本社〕鹿児島県日置市伊集院町麦生田2158
〔代表者〕藤田哲郎代取社長
〔資本金〕8,100万円
〔主要株主〕レンゴー99.68%
〔事業内容〕段ボールシート・ケースの製造販売、包装用紙器の製造販売
〔売上高〕 133億4,200万円(2012年3月期)
〔従業員数〕440名

(Future 2013年2月25日号)

王子グリーンリソース/日南工場内にバイオマスボイラーを設置
 王子ホールディングスの100%子会社、王子グリーンリソース(藤原省二社長)は、宮崎県日南市に発電事業を目的とするバイオマスボイラーを設置することを決定した。
 王子グループは、グループ資源を活用した資源環境ビジネスの一層の拡大を目指しており、発電事業はその大きな柱の一つと位置づけられている。今回、日南市に設置するバイオマスボイラーは、豊富な森林資源を有する宮崎県を中心とした九州中南部地域の山林未利用材を主な燃料として活用する予定であり、発電した電気は全量を外部へ販売する計画。
 燃料の集荷に当たっては、王子グループの社有林や木材生産拠点、同地区における長年の製紙原料集荷の経験とノウハウを活用していく。
 また間伐材など未利用資源の活用により、国土保全、水源涵養、二酸化炭素吸収など、さまざまな機能を持つ森林の整備を促進するとともに、森林資源の総合的な利用を図ることで地域林業の活性化にも貢献できるものと考えている。
 同社では今後もグループ資源を生かして、再生可能エネルギーを活用した発電事業の拡大を図っていくとしている。
 <設置するボイラーの概要>
 設置場所;王子製紙・日南工場内
 設備能力;100t/h(ボイラー発生蒸気量)、25MW(発電能力)
 売 電 量;約150GWh/年(一般家庭の4万戸分相当)
 売 上 高;年間約40億円
 投 資 額;約85億円
 使用燃料;未利用材などの木質バイオマス
 稼動時期;2015年3月(予定)
 なお、同社グループでは現在、王子マテリアの富士第一工場でもバイオマスボイラーの設置工事を進めており、同じく2015年3月に完成の予定。こちらは未利用の木質バイオマス燃料のほか、一部RPFや石炭なども使用する計画になっている。

(Future 2013年2月25日号)

日本製紙/北海道の間伐材受入れを開始
 日本製紙は「北海道 森の町内会」が実施した間伐による木材を受け入れ、釧路工場で製紙原料の一部として有効利用する取組みを開始した。
 同社も参画する「北海道 森の町内会」は、北海道の企業・団体のCSR活動と北海道阿寒郡鶴居村における間伐促進による健全な森づくりを結ぶ仕組みとして環境NPOオフィス町内会(代表・半谷栄寿氏)が昨年4月に立ち上げたもの。間伐に賛同するサポーター企業・団体が通常の紙の代金に間伐促進費(従来の紙代の10%程度に相当する15円/kg)を付加した「間伐に寄与する紙」を購入することにより、上乗せ分が全額間伐の促進に活用される。
 北海道における間伐サポーターは6社・団体あり、これまでに約12tの「間伐に寄与する紙」が使用された結果、約18万円(15円/kg×約12t)の間伐促進費がプールされ、鶴居村での間伐費用として協力が可能となった。これにより搬出される間伐材として約20m3が予定されており、日本製紙のグループ会社であるニチモク林産北海道の鶴居工場でチップに加工後、釧路工場に引き渡される。

(紙パルプ技術タイムス2013年3月号)

日本製紙クレシア/産後ケアに関するアンケート調査を実施
 尿ケア専用品『ポイズ』を販売する日本製紙クレシアは、20〜40代の出産経験者を対象に、産後の身体へのケアに関する意識調査を実施した。
 それによると、出産を経験した女性の約7割が、産後も容姿が変わらない芸能人に憧れを抱き、しかしながら産後のエクササイズについては、「何もしない」「途中で断念」「予定なし」などの消極派が8割以上を占めていることが分かった。出産後の身体的な悩みとしては、「下腹部のたるみ」(60.9%)、「骨盤のゆがみ」(44.1%)、「体重が戻らない」(41.7%)が上位を占めた。また、出産経験者の約65%が尿モレを経験しており、尿モレ経験者の84%が出産をきっかけに尿モレするようになっていた。
 日本製紙クレシアは、尿ケア製品のパイオニアとして、女性が産後トラブルによる身体的な悩みから解放され、心地よく過ごせるようにという想いを込めて、「3(産)月5(後)日」を産後ケアの日と制定、今回の意識調査はそれに合わせて行った。調査実施に当たっては、産婦人科医で女性医療ネットワーク理事長の対馬ルリ子氏の監修を受けている。

(Future 2013年2月18日号)

レンゴー/LED照明の段ボ包装でワールドスター賞を受賞
 レンゴーはこのほど、貝DFと共同開発した『高天井用LED照明オール段ボール包装』で、世界包装機構が主催する「ワールドスターコンテスト」のワールドスター賞を受賞した。
 ワールドスターコンテストは、包装分野における唯一の国際的組織「世界包装機構」が毎年開催しているコンテスト。世界各国のパッケージについて、その使いやすさやデザイン、環境面への配慮など、総合的な視点から優れたパッケージを表彰している。今年は応募総数316点の中から、『高天井用LED照明オール段ボール包装』がワールドスター賞の一つに選ばれた。なお同包装は、「2012日本パッケージングコンテスト」でも電気・機器包装部門賞を受賞している。
 『高天井用LED照明オール段ボール包装』は、組み立ての簡便さと省資源を両立させた段ボール製緩衝固定材。段ボールシートを山・谷状に折り畳んで枚数を重ね合わせることなどにより、運搬時の衝撃から製品を保護する。これまで廃棄されていた部分を部材として有効活用することで、従来品と同等の緩衝性能を維持しながら、段ボール使用量を大幅に削減した。

(Future 2013年2月18日号)

荒川化学工業/谷奥勝三常務が社長に就任
 荒川化学工業は4月1日付で谷奥勝三常務が社長に昇格する人事を発表した。これにともない同日付で末村長弘社長は取締役相談役に就任する。
 〔谷奥勝三(たにおく・しょうぞう)氏略歴〕
 1979(昭和54)年大阪大学大学院工学研究科修了、荒川化学工業入社。2007(平成19)年取締役、ペルノックス社長、10年常務。奈良県出身。58歳。

(紙パルプ技術タイムス2013年3月号)

日本製紙連合会/2013年の紙・板紙内需試算を発表
 日本製紙連合会はこのほど2013年の紙・板紙内需試算を公表した。
 それによると、品種別試算結果を積み上げた13年の紙・板紙内需量は2,735万8,000tで前年比1.5%減、約41万tの減少となり、3年連続のマイナス成長である。また、過去最高だった00年(3,197万t)と比較すると14.4%減、約461万tの減少となる。
 紙・板紙別に見ると、紙では衛生用紙(188万2,000t)が横ばいの予測となっている以外は、構造的なマイナス要因が定着している新聞用紙(326万1,000t・1.3%減)、印刷・情報用紙(941万6,000t・2.8%減)、包装用紙(75万2,000t・3.0%減)をはじめ全主要品種で前年比マイナスとなり、合計では1,604万6,000t・前年比2.1%減(約35万t減)。マイナス成長は7年連続で、過去の実績値との比較では1990年代前半と同水準、過去最高だった06年(1,946万t)に対しては17.5%減(約340万t減)である。
 一方、板紙は前年に比べてマイナス幅は縮小しているものの、2年連続で全品種ともマイナス。主要品種では段ボール原紙864万5,000t・0.5%減,紙器用板紙202万6,000t・0.7%減(うち白板紙0.6%減)などとなっており、合計の内需量は1,131万2,000t・前年比0.6%減(約7万t減)の試算となった。また過去最高の97年(1,282万t)に対しては11.8%減(約151万t減)である。
 13年の予測について、アンケート、ヒアリング等に基づくベースシナリオでは、実質GDPは2年連続のプラス成長とこれにともなう企業業績の回復が見込まれるほか、震災復興需要の継続や増税前の駆け込み需要、医療・健康関連需要の増加といったプラス要素もあるが、電力問題の影響は引き続き懸念材料であり、世界経済も最悪期を脱したものの、先行き不透明感は強い。
 こうした経済環境の下、紙・板紙の内需は引き続き厳しい局面が予想され、紙は広告費抑制の継続や電子媒体へのシフトなどを背景に減少。板紙も電気・機械向けなどの不振により、微減ではあるが前年を下回ると予測される。

(紙パルプ技術タイムス2013年2月号、詳細は3月号で)

紙・板紙需給速報12月/月末在庫は200万tの大台割れに
 日本製紙連合会が集計した12月の紙・板紙国内出荷は前年同月比△0.5%の215.5万t、ほとんど横ばいだが7ヵ月連続の減少となった。うち、紙は△1.3%の124.7万tで9ヵ月連続のマイナス、板紙は+0.6%の90.8万tで5ヵ月ぶりのプラスだった。主要品種は新聞用紙、塗工紙、段ボール原紙を除き前年同月を下回った。
 紙・板紙のメーカー輸出は前年同月比+13.9%の4.9万tと、4ヵ月連続で増加している。震災前の水準は下回るも、アジア向けが増えている。
 紙・板紙の在庫は前月比△9.3万tの198.0万tと3ヵ月連続で減少し、200万tの大台を割り込んだ。うち、紙は△7.9万tの137.1万tで3ヵ月連続の減、印刷・情報用紙を中心に圧縮が進んだ。板紙は△1.4万tの60.8万tで、こちらも3ヵ月連続の減少、段ボール原紙を中心に減っている。
 以下、主要品種の動向である。
 〔新聞用紙〕
 国内出荷は前年同月比+0.1%の28.7万t。ほぼ横ばいだが、選挙関連需要もあって4ヵ月ぶりに増加した。
 〔印刷・情報用〕
 国内出荷は前年同月比△1.6%の67.4万tで、9ヵ月連続の前年同月割れとなった。主力の塗工紙は輸入の減少もあり、微塗工を中心に3月以来の増加(+1.8%の39.9万t)を示したが、非塗工紙、情報用紙は減少。荷動きは年末商戦向けのチラシ需要などがあったものの、全般的に盛り上がり感は今一つだった。
 メーカー輸出は△4.0%の2.8万tで、4ヵ月ぶりのマイナス。主力の塗工紙の減少が影響している。
 〔段ボール原紙〕
 国内出荷は前年同月比+1.3%の72.8万tで、5ヵ月ぶりに増加。荷動き自体は低調だったが、前年の価格修正後にあった反動減が影響している。
 〔白板紙〕
 国内出荷は前年同月比△2.2%の11.6万tで、2ヵ月連続の減少。荷動きは関西地区を中心に低調だった。

 暦年の国内出荷は88〜89年当時の水準に

 以上の12月の結果を受けた昨年1〜12月暦年の需給実績は生産が前年比△2.4%の2,595.8万t、国内出荷も△2.4%の2,516.7万t、メーカー輸出が△10.0%の65.0万t、出 荷の合計が△2.7%の2,581.7万tとなった(速報値)。
 国内出荷は、バブル経済初期に当たる1988年の2,394.2万tと89年の2,605.6万tのほぼ中間というレベルまで後退した。ちなみにピークは2,000年の3,053.1万t。
 主要品種別の国内出荷実績は次の通り(単位:1,000t、カッコ内は対前年増減率%)。
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紙・板紙合計 25,167(△2.4)
 新聞用紙 3,262(+2.5)
 印刷・情報 7,867(△4.7)
   非塗工 2,083(△5.4)
   塗 工 4,467(△4.4)
   情 報 1,317(△4.9)
 包装用紙 761(△6.5)
 衛生用紙 1,772(△0.4)
 雑種紙 726(△3.4)
紙合計 14,387(△2.7)
 段ボール原紙 8,559(△1.6)
 紙器用板紙 1,439(△4.4)
 その他の板紙 638(△3.1)
板紙合計 10,779(△2.1)
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(Future 2013年2月11 日号)

レンゴー/自社株取得を完了し総数989万株に
 レンゴーは、自己株式138万8,000株を6億521万3,000円で取得した。取得期間は1月1〜17日。
 レンゴーは2012年11月の取締役会で、自己保有株を除く発行済株式総数の3.88%に相当する1,000万株、買付総額40億円を上限とする自社株取得を決議しており、今回の買付はその3回目。これをもって同決議に基づく自社株取得を終了する。取得した株式の総数は988万8,000株、買付総額は39億9,999万6,000円。

(Future 2013年2月11 日号)

岡山製紙/自社株35万株を取得
 岡山製紙は1月17日、大証J-NET市場で、自己株式35万株を総額1億1,760万円で取得した。これにより、同社が保有する自己株式は103万7,253株となり、自己保有株を除く発行済株式総数は596万2,747株となった。前日の取締役会では40万株の取得を決議していたが、今回の買付けをもって自社株取得は終了する。取得の目的は、「経営環境の変化に対応した機動的な資本政策を実行するため」。

(Future 2013年2月4日号)

リンテック/国内2工場で太陽光発電を導入
 リンテックでは、土居加工工場(愛媛県四国中央市)と吾妻工場(群馬県吾妻郡)の2工場で、太陽光発電システムを本格導入した。  土居加工工場では、屋根を利用して出力約1MWのメガソーラーを導入。すでに昨年末に工事を完了し、1月8日から稼働している。設置面積は約1万u、投資金額は約3億円、年間発電量は約100万kWhを予測している。
 吾妻工場でも、同様に工場の屋根を利用して出力約500kWの太陽光発電システムの準備を進めており、1月末には工事が完了、2月上旬から稼働を開始する予定。こちらは設置面積約5,000u、投資金額約2億円、年間予測発電量は約50万kWh。これらによるCO2削減量は、両工場合わせて約500t-CO2/年となっている。
 2012年7月に「再生可能エネルギーの全量固定価格買取制度」が施行されたのを機に、製紙業界でも太陽光発電の導入が広がりつつある。王子グループやレンゴー、流通のセキなどが、導入や共同事業参画を発表している。

(Future 2013年2月4日号)

レンゴー、日本マタイ/放射線遮へいシートが福島の保育園で採用
 福島県の保育施設「ほくしん保育園」で、レンゴーグループの放射線遮へいシートを施工した屋内運動施設が、このほど完成した。
 レンゴーグループの重包装部門を担う日本マタイの樹脂加工技術を活かして開発された放射線遮へいシートは、軽量で柔軟性に富み、高性能ながら安価な点が特徴。レンゴーと日本マタイは、同シートを共同開発して昨年5月に発売、その後実地テストを重ねてきた。今回の採用は、生活空間として使用されている建築物としては国内施工第1号。原発事故以降、屋外で思いきって遊ばせてあげられなかった子ども達に、安心して遊べる環境を与えたいとの思いから建設が計画された。
 同運動場には、外部からの放射線を遮へいし線量を軽減するため、厚さ3cmの放射線遮へいシートが外壁内に取り付けられている。地域の子ども達の健全な発育・育成支援のため、広く一般にも開放される予定。

(Future 2013年2月4日号)

レンゴー/防炎段ボール『RAFEP』が日経優秀製品・サービス賞
 レンゴーの防炎段ボール『RAFEP(ラフェップ)』が、「2012年日経優秀製品・サービス賞 優秀賞 日経産業新聞賞」を受賞した。
 日経優秀製品・サービス賞は、日本経済新聞社が2012年に紙面掲載した新製品・サービスの中から、特に優秀と評価された製品・サービスに贈る賞。『RAFEP』は、紙でできた段ボールは火に弱いという常識を打ち破る画期的な段ボールとして高く評価され、今回の受賞となった。
 『RAFEP』は、バーナーで2分間以上火を当てても燃え広がらず、防炎製品として日本防炎協会から認定を受けている。一般的な構造用防炎合板2級規格品と比べて重量は約6分の1、強度は同等以上を有し、それでいて通常の段ボール同様の加工ができ、オフセット印刷も可能。また、防炎加工に用いられる薬剤は人体に安全無害で、100%リサイクルできる。すでに災害時避難所での間仕切り用として東京都板橋区で採用されており、今後は建材、フィルター類、自動車関連部品など、これまで段ボールが使用されていなかった分野への用途拡大も見込まれている。

(Future 2013年2月4日号)

古紙再生促進センター/地方自治体紙リサイクル施策の調査報告書刊行
 古紙再生促進センターはこのほど、『平成24年度地方自治体紙リサイクル施策調査報告書』を取りまとめた。体裁はA4判、本文124頁。
 全都道府県および市区町村を対象にして毎年継続的に行っているものだが、今年度は古紙持ち去り問題、資源化に関する施策の実施状況に加え、雑誌と雑がみの回収実態を把握することを目的に調査した。アンケートは昨年6〜7月に実施。回収数は47都道府県中42(回収率89.4%)、1,742市区町村中1,175(同67.5%)、合計で1,789地方自治体中1,217(同68.0%)だった。
 今回は経年変化がなかった調査項目を削除する一方、古紙回収実施の有無、年間の古紙回収量、雑誌や雑がみ回収区分の変更予定・計画の有無、「ごみ減量計画」の作成、古紙の持ち去り状況、RDF(廃棄物固形燃料)製造への関与、再資源化に関する情報の入手先、などを新たな設問として付け加えた。寄せられた回答は全体集計のほか、市区町村別・人口規模別・地域別の属性に分けて詳細に分析している。
 それによると、近年問題となっている古紙の持ち去り問題について「発生していない」とする回答が49.6%を占めたものの、「年々増加している」との回答が9.8%と約1割あった。また、再資源化に関する情報の入手先は「都道府県」(79.7%)、「環境省」(56.0%)、「近隣の市区町村」(45.7%)、「許可業者・資源回収業者」(41.2%)、「Web」(38.9%)の順だった。

(Future 2013年2月4日号)

紙・板紙需給速報11月/衛生用紙を除き国内出荷はすべて減少
日本製紙連合会が集計した11月の紙・板紙国内出荷は前年同月比▲3.7%の219.3万tで、6ヵ月連続の減少となった。うち、紙は▲2.1%(8ヵ月連続減)の123.1万t、板紙は▲5.7%(4ヵ月連続減)の96.2万t。主要品種は衛生用紙を除き、すべて減少している。
 紙・板紙のメーカー輸出は前年同月比+25.5%の5.6万tで、3ヵ月連続の増加。震災前の水準は下回るが、紙を中心にアジア向けが増えている。
 紙・板紙の在庫は前月比▲10.1万tの207.2万tと、2ヵ月連続で減少した。うち、紙は▲8万t(2ヵ月連続減)の145.0万tで、印刷・情報用紙を中心に減少。板紙は▲2.1万t(2ヵ月連続減)の62.2万tで、段ボール原紙を中心に減っている。以下、主要品種の動向である。
 〔印刷・情報用紙〕
 国内出荷は前年同月比▲3.1%の68.2万t。落ち幅は縮小しているが、8ヵ月連続の減少である。輸入は塗工紙を中心に減少、選挙需要も見られたが、荷動きは全般的に盛り上がりに欠ける状況だった。他方、輸出は+31.2%の3.6万t、塗工紙を中心に3ヵ月連続の増加となっている。
 〔衛生用紙〕
 国内出荷は前年同月比+1.5%の15.5万tと、2ヵ月連続で増加している。主力のティシュ、トイレットはともに伸長。
 〔段ボール原紙〕
 国内出荷は前年同月比▲5.8%の76.8万tで、4ヵ月連続の減少。前年の価格修正に伴う前倒し需要が影響している。
 〔白板紙〕
 国内出荷は前年同月比▲3.9%の12.4万tと、前月の横ばいから減少。荷動きは関西地区を中心に低調である。

(Future 2013年1月21日号

レンゴー/経営理念を改定
 レンゴーは、社会情勢の変化を踏まえて経営理念を改定した。新しい経営理念には、海外事業の拡大を念頭に置いた文言などが盛り込まれた。
<新・経営理念>
@活力ある事業活動を通じて、お客様の満足と信頼を獲得し、繁栄と夢を実現すること。
A高い倫理観を持ち法令遵守を徹底し、常に誠実に行動すること。
B積極的かつ正確な情報開示を通じ、広く社会とのコミュニケーションに努めること。
C働く者一人一人の価値を尊重し、安全で働きやすい環境づくりに努め、ゆとりと豊かさを実現すること。
D地球環境の保全に主体的に取り組むこと。
E良き企業市民として社会に貢献すること。
Fグローバル化に対応し、各国・地域の法令を遵守するとともに、文化や慣習にも配慮した事業活動を通じて、当該国・地域の経済社会の発展に貢献すること。

自社株350万株を取得

 またレンゴーは、自己株式350万株を14億2,823万9,000円で取得した。取得期間は12年12月1〜31日。
 レンゴーは11月の取締役会で、自己保有株を除く発行済株式総数の3.88%に相当する1,000万株、買付総額40億円を上限とする自社株取得を決議しており、今回の買付はその第2弾。これまでに買い付けた株式の累計は、今回の分を含めて850万株、買付総額は33億9,478万3,000円。3月末までに取得を完了する予定。

(Future 2013年1月28日号)

三菱製紙/新設PPC生産ラインが八戸工場で営業運転開始
 三菱製紙では、八戸工場の新設PPC生産ラインが完成、1月から営業運転を開始した。投資額は約12億円、生産能力は約3,000t/月。
 八戸工場は、東日本大震災以前には2系列の生産ラインで5,000t/月のPPC用紙を生産 していたが、震災で2台のカッターのうち1台が使用不能となり、以降は約3,000t/月の生産体制となっていた。 これが今回の設備完成で5,000tに回復し、仕上品質の向上と効率化も図ることができた。

有価証券評価損約8億円を戻入れ

 また三菱製紙は、2013年3月期の第2四半期連結業績で特損計上していた投資有価証券評価損について、一部で株価回復が認められたため、戻入益として7億9,800万円を第3四半期で計上する。これにより第3四半期累計期間(12年4〜12月)の投資有価証券評価損計上額は3,300万円に減少する。

(Future 2013年1月28日号)


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