業界ニュース

日本製紙連合会/新たな「環境行動計画」を策定
日本製紙連合会はこのほど2020年度を目標とする新たな『環境行動計画』を策定した。
 製紙連は世界的な環境問題の高まりに対応しつつ持続可能な経済社会を目指す“経団連環境アピール”に呼応し、1997年1月「環境に関する自主行動計画」を制定。以来今日まで15年間にわたり通算8回の改定を行うなど、絶えず目標の追加や上積みに努めてきた経緯がある。そこで同計画の最終年度を迎えるに当たり、新たに20年度を期限とする「環境行動計画」(以下、計画)を制定して、さらに積極的に環境と経済活動の調和を追求していくことにしたもの。
 計画では冒頭、「環境問題に積極的に取り組むことにより、環境と経済が調和する持続可能な社会の構築に貢献する」との理念を掲げ、
 ・低炭素社会の実現
 ・自然共生社会の実現
 ・循環型社会の実現
 ・環境リスク問題への対応
 ・環境経営の着実な推進
という5つの環境方針を打ち出している。続いて、この環境方針に基づく行動方針を次のように定めた。
 〔低炭素社会の実現〕
 @ CO2の削減
 燃料転換、省エネルギー設備の導入により、05年度比で20年度までに化石エネルギー由来CO2排出量を139万t削減する。
 原材料・製品輸送におけるモーダルシフトや、消費地における配送合理化を図る。
 本社、営業所、研究所などにおける省エネルギーを推進する。
 A 吸収源の造成
 20年度までに所有または管理する国内外の植林地の面積を、90年度比で52.5万ha増の80万haとする。
 〔自然共生社会の実現〕
 @ 違法伐採対策の推進
 地球規模での森林破壊を防止するとともに、違法伐採木材を市場から排除するため、違法に伐採され不法に輸入された木材・木製品は取り扱わない。
 A 国産材の利用拡大
 国内木材資源の有効利用を図ることで、森林整備による森林吸収源の造成および山村地域の活性化に資するため、間伐材をはじめとする国産材の利用拡大に取り組む。
 B 持続可能な森林経営の推進
 生物多様性の保全、森林生態系の生産力の維持、地域の社会・経済的便益の増進などを図るため、森林認証の積極的な取得などを通じて持続可能な森林経営の推進に努める。
 〔循環型社会の実現〕
 @ 古紙利用の推進
 廃棄物の発生抑制および天然資源の有効利用を通じて循環型社会の形成を図る観点から、15年度までに古紙利用率64%の目標達成に努める。
 A 産業廃棄物の最終処分量削減と有効利用推進
 15年度までに産業廃棄物の最終処分量を有姿量で35万tまで低減することを目指す。
 〔環境リスク問題への対応〕
 @ 環境負荷の削減
 大気・水質・騒音振動・地下水管理・廃棄物・臭気など定常生産活動で生じる環境負荷は、規制遵守にとどまらず一層の負荷削減に努力する。
 災害や事故による汚染を防ぐため危機管理を定着させる。
 A 化学物質のリスク管理
 生産工程や製品に利用する薬品の管理、原材料や回収資源の管理を徹底することにより、紙・板紙製品への化学物質利用によるリスク軽減を図る。
 〔環境経営の着実な推進〕
 @ 環境マネジメントの定着
 環境マネジメントシステム機能を向上させるとともに、環境コンプライアンスを徹底して不適切状態の発生を防止する。
 地域社会とのリスクコミュニケーションを改善して企業の経営基盤を確立し、地域の経済活動に貢献する。
 A 国際貢献の推進
 省資源・省エネルギー技術・設備の研究・開発に努め、国際的な環境対策の推進に貢献する。
 東アジア経済圏をはじめとする各国の製紙業界と協同して、省エネルギー技術や古紙利用システムの普及・交流を推進するため、製紙連が中心的な役割を果たす。

(Future 2012年4月16日号)

王子製紙グループ/資源環境ビジネスを拡大、印刷情報用紙は生産体制最適化へ
 王子製紙グループはこのほど、機能材事業と資源環境ビジネスの拡大、印刷・情報用紙事業の競争力強化に向けた施策を決定した。
 グループ内組織として資源環境ビジネスカンパニーを設置するほか、機能材事業やバイオマス発電事業の強化を図る。一方、印刷・情報用紙事業では市場の縮減に対応した生産設備の停機を進める。
 同社は、急激に変化する経営環境に機敏に対応しつつ持続的な成長を達成するため、事業構造転換の推進を経営戦略の中心に掲げている。今回の施策も、そうしたグループ経営力強化の一環。各事業別の転換施策は以下の通り。
 【機能材事業】
 (1) 生産設備の改造による生産品種の転換
 顧客ニーズの多様化が進む特殊紙市場において広範囲の新製品を開発し、提案型ビジネスの展開を推進するとともに、パルプ生産から抄紙までの一貫生産による競争力強化を図るため、王子特殊紙・江別工場の6号抄紙機を改造し、印刷情報用紙から特殊紙への抄物転換を実施する。この工事では、薄膜塗工や表裏別塗工が可能な設備への改造を行うほか、嵩高品から高平滑品まで幅広い品質に対応可能な表面処理設備を設置する。改造後は環境に優しい剥離紙や、食品の安全性に配慮した耐油包装用紙などの特殊紙を生産する予定。
 ・主な改造内容;オンライン塗工設備、オンラインキャレンダー設備設置ほか
 ・完成時期;2013年3月
 ・設備投資額;約39億円
 (2) 生産設備の停止
 東海地区に生産が集中している薄葉紙について、一部製品を江別工場へ移管し製造拠点の分散化を図り、東海工場岩渕製造所4号抄紙機を停止する。また、稼働率が低い江別工場7号抄紙機も停止する。時期はいずれも13年度下期。
 ・停止設備;江別工場7号機(特殊紙、片艶紙0.5万t/年)、東海工場岩渕4号機(特殊紙1.3万t/年)
 【資源環境ビジネス】
 (1) 資源環境ビジネスカンパニーの設置
 資源環境ビジネスの拡大による収益力強化を目的として、4月1日付で資源環境ビジネスカンパニーをグループ内組織として設置。グループが保有する国内外の森林資源などを活用した付加価値の高い木材・パルプ事業の拡大を目指すとともに、水力発電・バイオマス発電の設備を活用した発電事業の強化を図る。
 (2) 発電事業の強化
 グループはすでに保有する水力発電所やバイオマスボイラーを活用して発電事業を行っているが、昨今の社会状況に鑑み同事業の一層の強化を図り、電力の安定的供給に寄与する。その第一弾として、北海道の千歳市とニセコ町に所有する6水力発電所設備のリフレッシュを順次実行していく。投資額は約20億円で、16年3月に完了の予定。さらに王子製紙・釧路工場の生産体制再構築(後出)に伴い、現有設備の有効活用を図り12年度から発電事業を開始する。
 【印刷情報用紙事業】
 需要構造の変化に対応して印刷情報用紙事業の最適生産体制を構築すべく、王子製紙の釧路工場2号抄紙機と春日井工場5号抄紙機を今年9月で停止し、前出の王子特殊紙・江別工場6号機の抄物転換と合わせ、印刷情報用紙の年産能力を約21万t削減。これによりコストミニマムをさらに追求し、国際競争力の強化に努める。
 ・停止・転換設備;釧路工場2号機(新聞用紙9.9万t/年)、春日井工場5号機(上質紙4.5万t/年)、江別工場6号機(上質紙6.9万t/年)
 一連の事業構造改善費用は特損に計上。なお08年度以降のグループ生産体制再構築に伴う年産能力の削減は、上記のものを含め抄紙機17台で約100万tに達し、コスト削減額は年間約230億円に上る。

(Future 2012年4月9日号)

大王製紙/いわき市と富士宮市で新増設へ
 大王製紙は3月29日、創業家一族との間で続けていた関係会社株式の買取交渉が不調に終わったと発表した。
 3月14日付で創業家一族より、株式売却の意図がない旨の書面による回答を得たもの。これを受け同社は現時点で、関係会社株式の買取りが困難と判断。連結子会社19社、および引き続き重要なビジネスパートナーである従前の連結子会社18社から成る企業グループとして事業を遂行していく。併せて概略以下のような今後の事業計画も発表した。
 【経営基盤の再構築】
 ・徹底したコスト低減による洋紙事業の収益力向上
 ・生産・開発体制の見直し
 ・組織改革による省力化
 ・財務体質の改善
 【成長戦略】
 ・国内における板紙・段ボール事業とホーム&パーソナルケア(H&PC)事業の拡大・強化;福島県いわき市における段ボール原紙マシン新設、静岡県南陵新工場における新増設計画
 ・海外事業の強化;タイにおけるベビー用紙おむつ事業の強化、紙おむつ等加工品の輸出拡大、H&PC海外工場を核とした段ボール事業の展開

(詳細はFuture 2012年4月9日号)

レンゴー/新仙台工場が開業

 レンゴーは昨年3月の東日本大震災で仙台工場が壊滅的被害を受けたため新仙台工場の建設を進めていたが、4月1日正式開業した。
 レンゴーは同工場の開業に当たり、「雇用の場の確保はもちろん物流に欠かせない包装材として地域経済と密接な関係にある段ボール工場がいち早く再生へと踏み出すことで、地元宮城県をはじめ東北復興への先導役になれればとの思いも込めて建設を進めた」と新工場建設の趣旨を語っている。
 新工場は太陽光発電設備や蓄電池を導入し耐震性も強化するなど、環境への配慮と同時に東日本大震災の教訓も生かしている。また、震災の犠牲者の鎮魂とともに復興・再生へと心を一つにして取り組んだ人々の絆、未来への決意を込めて、モニュメント「一心の塔」(写真)と記念碑タブレット「絆3.11」を敷地内に設置した。
 <新仙台工場の概要>
 所在地;宮城県黒川郡大和町松坂平6-3-2(第一仙台北部中核工業団地・電022-344-0070)
 代表者;堀井徹工場長
 面 積;敷地面積7万3,488m2・延床面積2万8,284m2
 従業員;約100名
 生産品;段ボールシート・ケース
 主な環境関連設備;
 @ 太陽光発電(シャープ製、12年夏稼働予定)
 パネル数2,592枚、総発電容量498kW、年間発電能力・約45万kWh(約130世帯の消費電力分に相当)、CO2削減量・年間約200t(森林面積で約54haに相当)
 A ガスボイラーを採用しCO2排出を削減
 B リフトは排気ガスの出ないバッテリーリフトを採用
 C 蒸気循環システムなどコルゲータの省エネ化
 D 空調ダクトに段ボール製空調ダクト「コルエアダクト」を使用
 震災の教訓から;
 @ 建屋の耐震性を強化
 A 電力貯蔵用大型リチウムイオン蓄電池を導入(エリーパワー製)
 蓄電容量14.7kWh、最大出力10KVA、使用可能時間・日中約5〜6時間、夜間約1時間

 タイで段ボールの供給体制を拡充

 また、レンゴーの海外合弁会社、タイ・コンテナーズ・グループ社(タイ)はこのほど、同国の段ボールメーカー、タワナ・コンテナー社の株式72%を取得する契約を締結した。
 タワナ・コンテナー社は、段ボールの需要地であるバンコクに近いサムップラカーン県のバンプー工業団地内に工場を所有している。今回の株式取得完了後、タイ・コンテナーズ・グループ社のタイでの段ボール生産拠点は11工場へ拡大し、生産能力も年間64万2,000tから70万3,000tに増強される。
 タイの段ボール需要は、昨年は洪水の影響で前年を下回ったが、今年は景気が回復、GDP成長率も5.5%と予想されており、段ボール需要の伸長も見込まれる。レンゴーは、タイを海外段ボール事業の重要な戦略拠点の一つと位置づけ、今後も段ボール供給体制の一層の充実を図るとしている。

(Future 2012年4月9日号)

日本製紙/新有楽町ビルの区分所有権を売却
 日本製紙グループの日本製紙は資産効率向上のため、新有楽町ビル(東京都千代田区有楽町1-12-1)の区分所有権および借地権を、50億9,000万円で三菱地所に売却した。これにともない売却益42億7,600万円を特別利益として2012年3月期第4四半期に計上する予定。同ビルには以前、日本製紙が本社を置いていた。

(Future 2012年4月9日号)

日本テトラパック/サービスステーションを茨城・つくばに新
 日本テトラパックは4月2日、東関東サービスステーションを開設した。
 同社は、国内に6ヵ所のサービスステーションを持ち、充填包装システムを設置した食品工場へのメンテナンスなどの技術サービスを提供してきた。関東圏は北関東サービスステーションと南関東サービスステーションの2拠点だったが、今回3拠点目となるサービスステーションを茨城県内に開設したもの。これにより、食品工場が集中している関東圏の技術サービスの充実を図る。
 <東関東サービスステーション>
 新事務所;〒305-0032茨城県つくば市竹園1-6-1(つくば三井ビル18F)電029-861-7780・F029-861-7820)
 担当地域;千葉県、茨城県、栃木県、東京都(一部)

(Future 2012年4月9日号)

2012年2月紙・板紙需給/国内出荷で紙は減少し板紙は増加
 日本製紙連合会が集計した2月の紙・板紙国内出荷は、前年同月比1.6%減の204.8万t。落ち幅は縮小したものの6ヵ月連続の減少である。うち、紙は3.3%減の119.7万tと6ヵ月連続のマイナス。他方、板紙は0.9%増の85.1万tと3ヵ月ぶりのプラスだった。主要品種は新聞用紙、衛生用紙、段ボール原紙を除き軒並み減少している。
 紙・板紙のメーカー輸出は前年同月比47.5%減の5万tで、18ヵ月連続の減少となった。大震災以降、紙を中心に国内向け優先の考え方に加え円高の進行などもあり、伸び率半減の状態が継続している。
 紙・板紙の在庫は前月比+1.6万tの201.1万t。うち、紙は+3.2万tの141.2万tと5ヵ月連続の増加だが、板紙は▲1.6万tの59.9万tと3ヵ月ぶりに減少している。
 主要品種の動向は次の通り。
〔新聞用紙〕国内出荷は前年同月比
2.2%増の25.8万t。閏年による発行日数の1日増などにより、前月の減少から増加に転じた。
〔印刷・情報用紙〕国内出荷は同6.3
%減の67.4万t。輸入の大幅な増加などもあって、6ヵ月連続の減少である。メーカー輸出は50.9%減の3.5万tと、主力の塗工紙を中心に17ヵ月連続の減少となった。
〔衛生用紙〕国内出荷は2.6%増の14.5万t。製品輸入は引き続き増加
基調だが、閏年による営業日数の増加などが寄与して、前年の4月以来10ヵ月ぶりの増加に転じた。
〔板紙〕段ボール原紙の国内出荷は1.9%増の67.2万t。やはり閏年による営業日数の増加などから、3ヵ月ぶりに増加した。他方、白板紙は1.6%減の11.4万tと4ヵ月連続の減少となった。

(Future 2012年4月2日号)

王子製紙グループ/カンボジアで段ボールの新工場建設
 王子製紙は2月28日開催の取締役会で、カンボジアに現地法人を設立し同国南部シハヌークヴィルに新たな段ボール工場を建設することを決定した。同社グループは、経済発展が続く東南アジア諸国でパッケージング事業の拡大、強化を推し進めており、今回のカンボジア新工場の建設によって、同国内に2ヵ所、東南アジアでは15ヵ所の段ボール製造拠点を有することになる。
 今後はこれらの拠点間の連携を強化し、顧客サービスの向上と競争力強化に努めるとともに、東南アジアにおけるグループ事業の展開を加速させる。
 <新工場の概要>
 ・設立形態;現地法人を設立
 ・新会社名;Ojitex Harta Packaging (Sihanoukville) Ltd.
 ・建設予定地;Sihanoukville Port 工業団地
 ・事業内容;段ボール箱・シートの製造と販売
 ・営業開始時期;2013年初期
 ・総投資額;12億円
 ・生産能力;6,700万u/年
 新工場建設の狙いは、第一義的には増大する現地の段ボール需要に対応することだ。近年、カンボジアの経済は他の東南アジア各国と同じく急速な成長を遂げており、これに伴って段ボールの需要も年々増えている。プノンペンにある王子の既存拠点も、2004年の設立以来順調に業績を伸ばし、すでにフル稼働に近い状態となっている。
 さらにプノンペンやシハヌークヴィルを中心とした産業都市では、工業団地の開発も急速に進んでいる。特に新工場の建設を予定しているシハヌークヴィル・ポート工業団地は、国内唯一の国際深水港を持つシハヌークヴィルに立地することに加え、日本政府のODA事業として高水準のインフラが整備されているため、日系企業を含む外資の活発な事業進出が予想されている。
 新工場建設により、カンボジア国内の経済成長に伴う既存顧客の段ボール需要増大に対応するばかりでなく、国内外からの事業進出に伴う新規需要にも対応できるようになる。
 またカンボジアの物流集積地であるシハヌークヴィルに新たな製造拠点を構えることにより、原材料調達面でグループのネットワークを活用した競争力のある事業が期待できるとしている。

(Future 2012年3月12日号)

王子製紙/新社長に進藤清貴氏

 王子製紙では、4月1日付で篠田和久代取社長が代取会長に、進藤清貴取締役常務執行役員(写真)が代取社長に、矢嶋進取締役常務執行役員が代取副社長に昇格する。現・代取会長の鈴木正一郎氏は、同日付で取締役(顧問)となり、6月下旬の株主総会をもって取締役を退任して顧問に就任する。
 <新社長のプロフィール>
 進藤清貴(しんどう・きよたか)氏は1952(昭和27)年3月27日生まれ、59歳。北海道出身。75年北海道大学工学部卒、同年王子製紙入社、2007年執行役員兼王子エンジニアリング社長、09年取締役常務執行役員−統括技術本部長兼王子エンジニアリング社長。
 <新副社長のプロフィール>
 矢嶋進(やじま・すすむ)氏は1951(昭和26)年5月11日生まれ、60歳。東京都出身。75年慶応義塾大学経済学部卒、同年本州製紙(現・王子製紙)入社、2006年王子製紙執行役員兼森紙業常務、09年常務執行役員、11年取締役常務執行役員−経営企画本部長。

(Future 2012年3月12日号)

三菱製紙グループ/今夏を目途に本社を移転
 三菱製紙グループは、東京・丸の内にある三菱製紙と子会社の本社を、東京・両国に移転する。移転時期は7〜8月の予定。
 同社では、「震災による被災からの完全復興を目指す第1次中期経営計画の達成に向け、さらなる経営効率の向上を図るとともに、役員・従業員の意識を強固なものとし、心機一転、復興・発展に向かうため本社を移転する」としている。移転を機に、オフィスの効率化と機能性の向上を図り、完全復興と収益基盤の強化を目指す。
 <移転する会社>
 ○本社の移転
 三菱製紙(現住所:東京都千代田区丸の内3-4-2新日石ビル)▽エム・ピー・エム・シェアードサービス(同)▽菱紙(同)▽ダイヤミック(現住所:東京都千代田区丸の内3-2-3富士ビル)▽ピクトリコ(同)
 ○その他の移転
 KJ特殊紙営業本部(現住所:東京都千代田区丸の内3-4-2新日石ビル)
 <移転先>
 〒130-0026東京都墨田区両国2-10-14「両国シティコア」

(Future 2012年3月12日号)

特種東海製紙/自社株1,482万株を取得
 特種東海製紙は2月14日付で、自己株式1,482万7,000株を取得した。取得総額は26億3,920万6,000円。同社は2011年11月の取締役会で、発行済株式総数の10.03%に相当する1,600万株を上限として12年3月末までに自己株式を取得すると決議しており(取得上限額32億円)、今回の取得はこれに基づくもの。

(Future 2012年3月5日号)

巴川製紙所/インドの絶縁紙メーカーAura社に出資
 巴川製紙所はこのほど、アジアを中心とした新興国での絶縁紙ビジネス拡大を目指し、インドの絶縁紙メーカー、Aura Paper Industries (India) Pvt. Ltd.(=Aura社)への出資を決めた。
 巴川製紙所は創業以来、産業用特殊紙の製造技術を蓄積し、需要に応じて高機能な特殊紙を供給してきた。中でも電気絶縁紙については、早期からアジア周辺国へ供給しており、とりわけインドに対しては30年以上の実績がある。また、新興国の中でも経済成長が期待できるインドでは、電力の安定的かつ効率的供給が大きな課題となっており、電気絶縁紙の主用途である変圧器に対する品質要求が急速に高まっている。こうした中、巴川製紙所はAura社からの意向を受ける形で、同社株式の40%取得を決めたもの。
 電気絶縁紙の需要は、日本国内では市場の成熟化に伴い減少傾向にある。しかし、アジアを中心とした新興国では今後も伸長が見込まれ、これら成長市場での需要獲得に向けた戦略策定は喫緊の課題。今回の提携で、巴川はAura社に技術供与して同社の生産性向上と品質改善を図ると同時に、インドを除くアジア地域でAura社製品の独占販売権を取得していることを武器に、新興国市場での絶縁紙事業拡大を目指す。

(Future 2012年3月12日号)

レンゴー/吉川紙業を子会社化
 レンゴーはこのほど、吉川紙業の発行済株式のうち85.8%を取得し、子会社化した。
 吉川紙業は福島県北部を中心に事業展開する段ボールメーカー。レンゴーは今後、同社へ役員を派遣し、近隣のレンゴー直営工場およびグループ企業と連携しながら、東北地区における段ボール事業の拡充を図る。
 <吉川紙業の概要>
 ・本  社;福島県伊達郡桑折町大字成田字元宿2番地
 ・代 表 者;小川俊治
 ・資 本 金;7,000万円
 ・株  主;レンゴー85.8%、吉川友道14.2%
 ・事業内容;段ボールケース・片面段ボール・紙器箱の製造販売、各種包装資材・包装機器の販売
 ・売 上 高;25億円(2011年3月期)
 ・工  場;本社工場、郡山工場
 ・従業員数;69名

(Future 2012年3月19日号)

日本製紙パピリア/感熱水溶紙を発売
 日本製紙パピリアは日本製紙と共同で、水に溶ける感熱紙“感熱水溶紙”を開発した。
 “感熱水溶紙”は、「感熱プリンターで印字でき、なおかつ印字したラベルを対象物から剥がす時に水で洗い流せる紙」というコンセプトから生まれた機能紙。日本製紙パピリアが持つ“紙が瞬時に水に溶ける技術”と日本製紙が蓄積してきた感熱紙技術を組み合わせて開発され、すでに海外の食品業界で使用されている。
 販売は日本製紙パピリアが担当し、同社の水溶紙のラインアップに加える。水で洗い流すことを前提とした物流ラベルなど、新しい用途を生み出せる感熱素材として市場開拓していく方針。

(Future 2012年3月19日号)

荒木紙商事/冨岡と経営統合し新社名「KAMIOL」へ
 ともに新潟県の紙卸商の荒木紙商事鰍ニ兜y岡は、4月1日付で経営統合し、新会社「階AMIOL」(カミール)として発足する。両社は昨年10月から業務提携し、新潟地区で共同配送を行っていた。
 <KAMIOLの概要>
 ・本  社;長岡市高見町17-1
 ・新潟支店;新潟市江南区亀田大月2-5-30
 ・東京支店;東京都千代田区神田須田町1-14辰巳ビル2F
 ・役員陣容;代取社長・荒木次雄▽専務・田中伸治▽常務・羽賀勝一▽同・近藤正平▽取締役・荒木千鶴子▽同・荒木理崇▽監査役・荒木亨崇

(Future 2012年3月5日号)

日本紙パルプ商事/今秋を目途に本社を移転
 日本紙パルプ商事(JP)は、今秋を目途に本社を次記へ移転する。
 現本社ビルが老朽化していることと、現本社の立地を生かして跡地を再開発し有効利用するため。
 <移転先>
 東京都中央区勝どき3-12-1フォアフロントタワーT
 東京都中央区勝どき3-13-1フォアフロントタワーU
 (いずれもJP保有ビル)

(Future 2012年3月12日号)

2011年古紙需給/板紙生産の拡大で利用率は63%に
 古紙再生促進センターの集計による2011年の古紙需給実績がまとまった。わが国の古紙需給はここ数年、国際市場の動向に大きく左右されるようになっているが、2011年はそれに加え3.11大震災の影響も色濃く表れた。昨年の実績は、メーカーへの入荷が前年比98.9%の1,704万t、メーカーの消費が同98.2%の1,698万tと再びマイナスに転じた。
 消費の▲1.8%は、紙・板紙生産の▲2.9%を反映したもの。うち紙向けは新聞用紙や中・下級紙、微塗工紙など古紙配合率の高い品種の生産が引き続き大きく前年割れしたため、▲7.9%の591万tにとどまった。これに対し板紙向けは板紙全般の堅調な生産の伸び(+1.6%)を受けて、+1.8%の1,107万tと伸長した。特に段ボール古紙は段ボール原紙生産の+1.7%を上回り、+2.4%の809万tに達している(表2)。
 昨年の需給は、紙部門を中心に減産による消費減から製紙各社とも発注を減らしたため、年間を通して軟化基調で推移した。さらに10月を境に輸出価格が低下ししため、それまで輸出に回っていた分が国内へ還流するようになって発注を上回る入荷が続き、年末にかけて各社の在庫が増加、工場によっては満杯に近い状態で越年している。
 価格では新聞古紙と雑誌古紙の国内向けが年末まで横ばいで推移したが、段ボールは10月にt当たり2,000円の上昇をみた。一方、年半ばまで上昇が続いた輸出価格は、主力の中国市場で国慶節明けから段ボール(OCC)を中心に欧州品、米国品、日本品とも下げ足が強まり、11月には段ボールの輸出価格が国内価格を下回った。
 古紙回収率は78.1%で、過去最高だった09年の79.7%から2年連続で低下した(表3)。これは、回収量にカウントされる国内製紙工場への入荷が減少したことによるものだ。一方、古紙利用率は紙・板紙合計で63.0%となり、前年の62.5%から0.5ポイント上昇した。こちらは、総生産に占める板紙のウェイトが高まった結果である。

(Future 2012年3月12日号)

日本製紙グループ本社/日本製紙・石巻のN5・N6が再稼働
 日本製紙グループは、東日本大震災で被災した日本製紙石巻工場で、N5号抄紙機とN6号抄紙機の運転を再開する。
 いずれも生産品目は塗工紙で、N5(年産15万t)が2月22日、N6(同27万2,000t)が3月9日に運転再開の予定。昨年9月の8号抄紙機、11月のN4号抄紙機・4号塗工機に続く再稼働となり、これにより復興完了後の年産約85万tのうち、75%以上を回復できる見込み。
 なお、同社グループでは今回の再稼働に当たり、国内洋紙市場の動向を考慮し、復興計画の中で停機を予定している一部生産設備について、次の通り休転を実施する(対象設備、品種、休転開始、停機時期の順に記述)。
 〔日本製紙〕
 ・岩沼工場;2号抄紙機/30号塗工機(年産10万8,000t)、塗工紙、2月下旬、3月末
 ・富士工場;13号抄紙機/33号塗工機(年産13万7,000t)、塗工紙、2月下旬、3月末
 〔日本大昭和板紙〕
 ・吉永工場;N2号抄紙機(年産8万6,000t)、情報用紙、3月初旬、3月末

(Future 2012年2月27日号)

大王製紙/連結子会社19社・持分法適用17社の体制に
 大王製紙はコーポレート・ガバナンスを改善するため創業家一族との間で、かつて同社の連結子会社だった企業の株式について、買取り含む資本関係の整理に向けた交渉を進めている。去る2月3日には、その交渉状況を踏まえた子会社の異動が次の通り発表された。
 ・持分法適用関連会社から連結子会社への異動8社;いわき大王製紙、大津板紙、大日製紙、関西大王製紙パッケージ、東海大王製紙パッケージ、ダイオーペーパーテック、エリエール印刷 、中国紙販売
 ・連結外から連結子会社へ異動2社;中部大王製紙パッケージ、九州大王製紙パッケージ
 ・持分法適用関連会社の子会社から連結子会社へ異動1社;ハリマペーパーテック
 ・連結外から持分法適用関連会社へ異動2社;ダイオーエンジニアリング、大王紙運輸
 以上の異動により、2012年3月期第4四半期における大王製紙の連結範囲は連結子会社19社、持分法適用関連会社17社、連結外1社となる。なお、同社は今後も「引き続き創業家一族に対し、以前に連結子会社だった会社株式の譲渡を要請していく」としている。

(Future 2012年2月20日号)

特種東海製紙/中計目標達成の強化策を発表
 特種東海製紙は昨年4月から第2次中期経営計画をスタートさせているが、このほど目標達成に向けた経営体質強化の施策を発表した。この第2次中計では売上高900億円、経常利益45億円、利益率5%という数値目標を掲げており、11年3月期業績と対比すれば売上高で+106億3,700万円、経常利益で+7億5,000万円の積み上げが必要になる。
 同社は2007年の持株会社方式による経営統合から5年、また10年の合併から2年を経て、ようやく各工場設備の生産体制再構築に一定の目処がつきつつある。そこで、この機を捉え「さらに基盤を強化するために総資産の棚卸を行い、徹底的に贅肉を落とし資産の筋肉質化を目指すべきと判断し、第2次中計の初年度である今期中に重要な一歩を進める」ことにしたもの。
 まず、同社が中計の目標達成に向かって掲げたスローガンは「深化。そして、進化。」である。すなわち、財務および事業基盤の強化と安定化を図る“深化”、そして企業環境の整備と新分野への進出、新製品開発と新技術開拓、海外進出という“進化”の両面に、全力で取り組むとしている。
 このうち基盤強化については@財務基盤の強化、A事業基盤の強化、B事業基盤の安定化、成長戦略としては@企業環境の整備と新分野への進出、A新製品開発ならびに新技術開拓、B海外展開をそれぞれ掲げ、具体的な施策を打ち出している。これらにより、同社は「基礎となる各種施策を全力で実行すると同時に、財務体質を一層筋肉質化して足腰を強化し、収益体質を改善する。機動的に動ける企業規模を活かし、実行できることは、半歩でも先に実行する姿勢で望み、第2次中計の目標達成に邁進し、自主独立経営を堅持していく」としている。

(詳細はFuture 2012年2月27日号に)


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