業界ニュース

東北地方太平洋沖地震(第一報)/宮城県を中心に操業停止工場が続出
 3月11日に東北地方沿岸部を襲った大地震と巨大津波は、わが国に有史以来の大災害をもたらしつつある。15日現在、被害の全容はまだ把握できない状態だが、判明している限りにおいてさえ当該地域の製紙関連事業所には大きな損壊が生じている(表)。以下、各社からのアナウンスをもとに被災状況をまとめてみた(社名50音順)が、事態の推移によっては被害がなお拡大する可能性もある。
●王子製紙(14日現在)/製紙工場では王子板紙・日光工場(栃木県宇都宮市白沢町)が設備被害を受け、操業を停止した。現在、設備の点検中。
 段ボール関係では、王子チヨダコンテナーの仙台工場(宮城県多賀城市宮内)が津波の被害により操業を停止、現時点で復旧の目処は立っていない。同・福島工場(福島県伊達市保原町)も設備被害を受け操業を停止したが、一両日中に再開できる見込み。森紙業グループの仙台森紙業(宮城県柴田郡柴田町)は停電などにより操業を停止、現在のところ復旧の目処は立っていない。また常陸森紙業(茨城県東茨城郡茨城町)は設備被害により操業を停止、設備の点検を実施中とのこと。
 なお、いずれの事業所においても人的被害の情報はない。このほか、東北・関東地区にある複数の倉庫で製品在庫に被害が出ているが、その程度については確認中としている。
 一方、同社は今回の被害に対する義援金として1億円の拠出を決めた。この中には紙おむつ、トイレットロールなど被災地で必要な現物の支援も含まれる。
●大王製紙(14日現在)/同社本体と関係会社・協力事業所の従業員に人的被害はなかった。
 新聞用紙と板紙を製造するいわき大王製紙(福島県いわき市南台)では、操業が全停止している。取水配管が破損しており、現在復旧作業を実施中。数日後には運転を再開できる見込みとしている。
 段ボール関係では、大王製紙パッケージの本社・茨城工場(茨城県猿島郡五霞町)が地震直後、電源設備の損傷によりマシンを停止。だが13日午前中に復旧し、運転を再開している。同社・栃木工場(栃木県芳賀郡茂木町)は停電により全マシンが停止していたが、その後停電が解除されたので運転再開に向け、設備点検を行っている。
 紙おむつ、ナプキン、ウェットティシュなどを製造するエリエールペーパーテックの本社・喜連川工場(栃木県さくら市鷲宿)では、建屋天井の一部が崩落したため、操業を全停止している。その他の設備については現在、被害状況を確認中。
 さらに大王製紙も被災地への支援として、以下の物資を届けると表明した。▽食糧2,500食▽ミネラルウォーター(2?)1,000本▽生活必需品(エリエールティシュ3万8,000カートン、同トイレットティシュ6万5,000ロール、大人用紙おむつ1万枚、ベビー用紙おむつ6万5,000枚、生理用品8万8,000枚、ウェットティシュ1万本)
●特種東海製紙(14日現在)/同社グループの製紙工場は静岡・岐阜の両県に集中しており、今回の震災による直接的な影響はない。ただし、タオルペーパーなどの加工を行う東海加工紙・関東工場(栃木市藤岡町)では、工場建屋の一部天井が脱落。設備への被害はなかったものの、自動倉庫内の荷崩れにより出荷ができない状態となっている。16日から操業再開の予定だが、交通状況などによっては出荷遅れや遅延の可能性があるという。
●日本製紙グループ本社(13日現在)/グループ従業員の安否と各工場の被害状況に関する情報の把握に努めるとともに、今後の対応策検討を早期に進めるため、12日に社長をトップとする災害対策本部を本社に設置した。被害のあった主要工場の状況は次の通り。
 *日本製紙・石巻工場(宮城県石巻市南光町)…操業は全停止している。津波の被害により工場構内は土砂などが堆積しており、設備の被害はまだ確認できていない。従業員の1名が微傷災害に遭ったとの情報が入っているが、詳細は確認できていない。製品在庫は、ほぼ全損の模様。
 *日本製紙・岩沼工場(宮城県岩沼市大昭和)…操業は全停止。マシン建屋の一部天井が崩落し、側壁が一部崩壊したとのことだが、設備の被害状況の詳細は現在確認中。操業に当たっていた従業員については、人的被害はないとの報告を受けている。製品在庫の半分程度が被害を受けている模様だ。
 *日本製紙・勿来工場(福島県いわき市勿来町)…操業は全停止。設備の被害状況は現在確認中。操業に当たっていた従業員については、人的被害はないとの報告を受けている。製品在庫の半分程度が被害を受けている模様。
 *日本大昭和板紙・秋田工場(秋田市向浜)…操業は全停止。再開の目処は立っていない。
 *北上製紙(岩手県一関市旭町)…従業員への人的被害はない。設備に一部被害があり、操業は全停止中。
 *大昭和ユニボード(宮城県岩沼市字吹上西)…木材チップを熱圧成型した低圧メラミン化粧板、建材、家具材などの製造・加工・売買を行っており、従業員数76名。操業は全停止しているが、従業員への人的被害はない。
 *その他…仙台港の輸出向け在庫や東京・有明倉庫の在庫にも被害が出ている模様。なお他地域の工場については地震・津波の被害はなく、生産を継続している。ただし現在生産を継続している工場においても、今後原料調達・製品物流の面で影響が出ると懸念されるため、事態の推移を見極めながら対応していくとしている。
●北越紀州製紙(14日現在)/関東工場勝田工務部(茨城県ひたちなか市高場)は、地震の影響により設備の一部に被害が発生しており、操業を停止している。また製品在庫の3割前後に荷崩れなどの被害が発生しているが、安全を最優先に全社を挙げて復旧に向け取り組んでいる。
 新潟工場(新潟市東区榎町)は、構外の工業用水送水管が漏水した影響で操業を一時停止していたが、13日より順次再開している。このほか長岡工場(新潟県長岡市蔵王)、関東工場市川工務部(千葉県市川市大洲)などは、平常通りの操業を継続中。
 なお同社では被災者の支援や被災地の復興に役立ててもらうため、義援金1,000万円を寄付するほか、支援物資として更衣室兼授乳室20台の無償提供を行う。具体的な支援先や支援時期などについては、現地における災害対策本部と協議のうえ決定するとしている。
●リンテック(15日現在)/仙台支店(宮城県仙台市太白区郡山)および関東エリアの工場建物と生産設備については、操業に特段の影響を及ぼす損傷は生じていない。
 関東エリアにおける今後の生産活動については、計画停電により一部で支障を来たす可能性もあるが、関西エリア工場でのバックアップ体制を強化していく。原材料の調達面では大きな支障はないと判断している。また製品の輸送については、自動車用燃料の給油制限や道路事情により、関東以北への配送に支障を来たす可能性があると説明している。
●レンゴー(14日現在)/レンゴー本体の事業所のうち、仙台工場(仙台市宮城野区港)では操業が停止している。津波の影響を受け、同工場1階部分が浸水した。建物、設備の詳細被害については不明。また福島矢吹工場(福島県西白河郡矢吹町)では建物、設備の破損などが発生しているものの、現在は操業再開に向けて復旧に努めている。
 一方、連結子会社の中では丸三製紙(福島県南相馬市原町区)の操業が停止している。建物、設備が損壊するなどの被害を受けたが、詳細については不明。
 食品用軟包装資材の製造・販売を行う朋和産業・仙台工場(宮城県柴田郡柴田町)は操業を停止している。工場の建物、設備が損壊するなどの被害を受けているが、詳細は不明。同社・干潟工場(千葉県旭市)でも操業が停止している。工場の建物や設備の破損などが発生しているが、操業再開に向け復旧に努めているという。

(以下、詳細はFuture誌3月28日号)

三菱製紙/興人の化学紙事業譲受で特殊紙事業のシナジー効果に期待
 三菱製紙は2月25日開催の取締役会で、葛サ人の化学紙事業を譲り受けることを決定し、同社と合意に達した。
 興人の化学紙事業は長い歴史の中で築き上げた特殊紙製造技術を背景に、高圧メラミン化粧板紙やテープ原紙、壁紙原紙など独自の製品を製造・販売しており、その品質と技術力は市場から高い信頼と評価を得ている。
 三菱製紙はこの譲受を機に興人の高い技術力と自社の技術力・研究開発力を一体化し、化学紙事業のみならず既存事業分野もさらに発展させ、一つの大きな特殊紙事業として育てていく考え。今回合意した概要は次の通り。
(1)譲受する対象事業…興人の化学紙事業を三菱製紙が譲り受ける。事業の中には興人の富士工場(静岡県富士市)、同社子会社の興人紙工鰍フほか、化学紙事業に関係するその他資産、従業員、契約関係が含まれる。
(2)譲受の方法…興人が、会社分割により設立する新会社に化学紙事業を継承させる。三菱製紙はこの新会社の発行済株式すべてを興人から譲り受け、完全子会社とする。子会社の名称はKJ特殊紙梶B
(3)譲受の期日…2010年3月31日(予定)
 また譲り受ける化学紙事業の全体像は以下のようになる。
<主要製品>○化粧板原紙…システムキッチン、家具、車輌内装材などの表面材 ○含浸化粧シート…高グレードのシステムキッチン、家具などの表面材 ○壁紙原紙…壁紙のベース原紙 ○テープ原紙…車輌や建物などの塗装工程で、塗り分けの境界として貼るマスキング用などのテープ原紙
<事業規模>売上高78億5,500万円(10年3月期)
<富士工場概要>○所在地…静岡県富士市新橋町7−1 ○敷地面積…約6万u ○主要生産設備…抄紙機6台、加工機6台 ○従業員…約180名
 さらに新会社として設立するKJ特殊紙の概要は次の通り。
○所在地…静岡県富士市新橋町7−1(現 興人富士工場)
○代表者…代表取締役社長・立花純一(三菱製紙取締役専務執行役員)
○事業内容…化学紙の製造販売
○資本金…5,000万円
○大株主と持株比率…三菱製紙100%
○従業員数…約190名
 興人は現在、三菱商事の100%子会社だが、この資本形態になったのは昨年9月30日から。それ以前は筆頭株主の三菱商事が73.1%を保有するほか、三菱化学と三菱製紙が各7.9%ずつ、興人従業員持株会が3.6%を保有するなどしていた。今回の化学紙事業譲受は、三菱製紙が保有していた興人の株式を三菱商事に売却した昨年の時点で、既定路線になっていたとの見方もできるだろう。
 なお、興人が昨年11月に発表した2010会計年度の中間決算(4〜9月)では、化学紙事業の売上高は前年同期比+19.7%の43億1,500万円と大幅な増収を記録している。これについて興人では、「建設関連分野の市場好転などにより主力の4製品とも販売数量を大きく伸ばし、売上高は前年同期比+7億900万円となった。中でも海外向けの化粧板原紙、テープ原紙の販売数量伸長が顕著で、また壁紙用裏打紙の拡販効果、感熱孔版紙の堅調な販売数量増加などが増収の形で結実した」と説明している。
 当面に限っても三菱製紙の収益を下支えする効果は大きいと目され、さらに中長期では同社既存事業とのシナジー効果も期待される。

(Future誌3月14日号)

北越紀州製紙/丸大紙業と田村洋紙店の事業譲渡で新会社設立
 北越紀州製紙が系列販売代理店の統合に踏み切る。同社は2月25開催の取締役会で、完全子会社となる新会社「北越紀州販売梶v(仮称)を設立し、丸大紙業と田村洋紙店の販売代理店事業を、この完全子会社に統合することを決めた。
 新会社は4月設立の予定で資本金は1,000万円、決算期は3月。本社を東京都中央区日本橋本石町にある北越ビル内に置き、代表取締役社長には北越紀州製紙取締役の浅井文樹氏が就任する。事業統合は、丸大紙業と田村洋紙店が新会社の北越紀州販売に販売代理店事業を譲渡または承継して集約する方式だが、詳細についてはなお未定の部分もある。したがって新会社の純資産、総資産も未定で、決定され次第、速やかに公表するとしている。
 リーマン・ショック以降の紙パルプ業界では、国内需要の縮小や輸入紙の増大などにより厳しい市場環境が続いている。北越紀州製紙として、このような市場環境の変化にいち早く対応するためには、紙製品の販売代理店事業を集約し、その基盤の強化・拡大を図って業界におけるプレゼンスを高める必要があると判断した。
 顧客により高品質のサービスを提供し、その信頼性向上を通じて新会社の基盤を充実させていくとしており、特に「今後、本事業統合の趣旨に賛同する他の代理店との間でも、その参画について協議していく予定」との一文を付け加えている点が注目される。
 事業統合の対象となる当事会社の概要は次の通り
<丸大紙業梶п、所在地:東京都千代田区神田錦町3−3▽代表者:代表取締役社長・金丸一朗▽資本金:1億6,200万円▽設立年月日:1937(昭和12)年12月27日▽大株主と持株比率:北越紀州製紙36.26%▽資本関係:北越紀州製紙が発行済株式の36.26%を保有▽北越紀州製紙との人的関係:同社・赤川公一常務取締役が監査役を務める▽取引関係:北越紀州製紙と紙パルプ製品の販売代理店契約を締結し、取引関係を継続中▽関連当事者への該当状況:北越紀州製紙の関連会社に該当
<鞄c村洋紙店>▽所在地:東京都千代田区神田神保町3−2▽代表者:代表取締役社長・田村公一郎▽資本金:1億9,100万円▽設立年月日:1940(昭和15)年12月27日▽大株主と持株比率:作成商会26.36%▽資本関係:北越紀州製紙が発行済株式の5.00%を保有▽北越紀州製紙との人的関係:なし▽取引関係:北越紀州製紙と紙パルプ製品の販売代理店契約を締結し、取引関係を継続中▽関連当事者への該当状況:北越紀州製紙の関連当事者には該当せず
 また最近期の両社業績は次のようになっている。
<丸大紙業>(10年10月期)▽純資産…20億6,700万円▽総資産…217億400万円▽1株当たり純資産…638.24円▽売上高…402億5,900万円▽営業利益…3億3,000万円▽経常利益…3億1,600万円▽当期純利益…1億2,600万円▽1株当たり当期純利益…39.52円▽1株当たり配当金…7円
<田村洋紙店>(10年6月期)▽純資産…35億4,700万円▽総資産…97億400万円▽1株当たり純資産…1万3,461円▽売上高…160億2,600万円▽営業利益…1億400万円▽経常利益…1億3,500万円▽当期純利益…4,800万円▽1株当たり当期純利益…184.69円▽1株当たり配当金…50円
 両社の業績を単純合算すると売上高規模で560億円強となるが、北越紀州製紙の連結売上高が2,200億円程度である点を考慮すれば、核の代理店としてまだ物足りない。今後は旧紀州製紙系代理店の動向や、北越紀州製紙の筆頭株主でもある三菱商事との関係が焦点になってきそうだ。

(Future誌3月14日号)

日本製紙/海底浚渫土とPS燃焼灰で新海洋土木材料を開発
 日本製紙はこのほど、熊本大学、福岡建設と共同で、海底浚渫土とペーパースラッジ(=PS)燃焼灰を混合した、環境に優しい土木材料の開発に成功した。熊本港エリアでこれを使った護岸の実証実験を行った結果、干潟の生物多様性の回復を確認した。今後は新海洋土木材料として事業化を目指す。
 浚渫土とは、水深を深くするために海底などを掘削した時に出る土砂。港湾では近年、船舶の大型化や港湾機能の高度化ニーズに対応するため、航路の拡幅・増深などの目的で浚渫事業が実施されており、今後も継続される方向にある。 浚渫事業によって発生する海底浚渫土は全国で年間2,000万にも及ぶが、これらは軟弱な粘性土であることが多く、処分は主に海面の埋め立てに利用するという方法で行われてきた。しかし近年は、処分場の確保に困窮する状況にあり、その利用法の検討が急がれていた。また、内海や内湾といった閉鎖海域では、海岸線の人工化や干潟の埋め立てによって自浄作用が衰退し、海底堆積物がヘドロ化して生物の変化や減少をもたらす環境問題も生じている。
 日本製紙と福岡建設が開発した土木材料は、浚渫土の新しい利用法であると同時に、干潟の環境改善にも役立つという点で期待される。製紙工場で発生するPS燃焼灰は、吸水性に富み水分と反応して固まる性質があるが、この性質を活かし、水分の多い海底浚渫土を混練・造粒して作られたのが今回の材料だ。PS焼却灰は日本製紙・八代工場で発生したものを使った。
 一方、熊本大学では、沿岸域環境科学教育研究センターの滝川清教授の研究グループが、干潟なぎさ線の回復のため、熊本港エリアで「エコテラス護岸」(防災機能だけでなく生物生息環境や親水機能に配慮した護岸)に取り組んできた。そして今回、エコテラス護岸に両社が開発した新規材料を使用したところ、アサリの稚貝などが多数発生し、生物多様性の回復に役立つことが確認できたもの。
 日本製紙では、「この新規材料には、海域の浚渫土や堆積泥といった廃棄物を活用できるだけでなく、干潟なぎさ線、すなわち生物多様性の場を回復できるという二つのメリットがある。今後は、干潟環境回復だけではなく、SCP工法(砂杭を地中に造成して軟弱地盤を改良する工法)の材料など、海洋土木工事で幅広く使用できる材料として用途開発を続ける」としている。

(Future誌3月21日号)

三菱製紙/塗布流動解析事業の新会社を設立
 三菱製紙は、塗布技術についての解析・受託研究を主事業とする新会社「MPM数値解析センター梶vを、京都工場内に設立した。4月1日から営業を開始する。
 高級紙や写真感光材料で生産技術の高さを誇る三菱製紙は、基材に液体を塗る“塗布”の科学的な解明に、長年にわたって取り組んできた。他社に先駆けてその最適化のための「数値解析(コンピュータ・シミュレーション)技術」を確立し、化学工学会(塗布技術研究会)などで成果を公表している。また近年は、紙パルプ業界のみならず電子材料分野などでも塗布技術が注目されていることから、同社には数多くの受託研究などの要望が寄せられていた。そこで、幅広い分野で塗布技術の解析・受託研究ニーズに応えるため、数値解析技術を用いた「コンサルティング・受託研究」に特化した新会社を設立したもの。
 塗布流動解析は、特に迅速な開発対応が求められる成長分野の効率生産に必須な技術。新会社では連成解析技術や高速解析システムにより、ユーザーニーズに応える迅速なサービスを提供していく。
<新会社の概要>
○資本金…800万円(三菱製紙100%出資)
○所在地…京都府長岡京市開田1−6−6(同社京都工場内)
○役員…藤田誠代取社長、安原賢取締役−センター長、田口量久取締役
○従業員数…3名

(Future誌3月28日号)

三菱製紙/東京・葛飾区の土地を約34億円で売却
 三菱製紙は、東京・葛飾区の土地9,150uを、葛飾区土地開発鰍ノ34億1,600万円で売却する。これにより、固定資産の流動化を進めて負債を圧縮する。引き渡しは3月31日。
 この土地は、三菱製紙と子会社の菱紙が所有する土地(内訳:三菱製紙6,141u、菱紙3,009u)で、帳簿価額は13億2,900万円(内訳:同10億6,100万円、同2億6,800万円)。菱紙がスイミングプールとフットサルコートのスポーツ施設用に使用していたが、隣接地に新施設(KSC Wellness)が稼動したため、売却を決めた。土地は現在整地中で、その費用などに約8億円を見込んでいる。
 売却に伴い特別利益12億円が発生する見通しだが、保有有価証券評価損などの特別損失もあるため、業績予想の修正はない。

(Future誌3月21日号)

三菱電機/王子の中国・南通工場向けオゾン製造設備を受注
 三菱電機は、王子製紙が中国の南通プロジェクトで建設を進めている大規模クラフトパルプ製造装置用のオゾン製造設備を、約10億円で受注した。発注者は江蘇王子製紙有限公司。
 王子製紙は、東アジア市場の拡大を見据え、2007年に中国江蘇省南通市に高級紙とクラフトパルプを製造する江蘇王子製紙有限公司を設立、今年1月から高級紙の出荷を開始した。続いて現在は、年間生産量70万t超の大規模クラフトパルプ製造装置を、13年の稼働に向けて建設中だ。
 三菱電機が受注したオゾン製造設備は、このクラフトパルプ製造装置の漂白工程に用いるもの。オゾンは三つの酸素原子からなる分子(O3)で、塩素に勝る強い酸化力を持っている。この酸化反応で漂白、脱臭、脱色などの水質改善ができ、また反応後は酸素に戻る。オゾンを使うことで塩素使用量を最小限にし、製造排水に含まれる有害な塩素化合物の発生を抑えられる。これによって環境負荷を軽減できるというわけだ。
 江蘇王子製紙のオゾン総発生量の計画値は毎時600kgとなっており、オゾン発生量としては東アジア最大級。オゾン製造設備は12年2月頃に三菱電機から出荷され、予定では13年に稼働を開始する。
 三菱電機は、放電技術を応用してオゾンを発生させるオゾナイザの国内販売で40年以上の歴史があり、上下水道分野を中心に1,600台以上の納入実績を持つ。今回のオゾン設備は、05年度に開発した高濃度オゾン発生器を適用したもので、同社では、「今後もパルプ漂白や産業排水処理などへの適用を進めていく」としている。

(Future誌3月21日号)

樽谷包装産業・タルタニパック/段ボール事業再編に伴い事務所を移転
 包装資材総合メーカーの樽谷包装産業・タルタニパック(樽谷清孝社長)は、段ボール事業再編の一環としてタルタニパックの尼崎工場・営業・包装開発研究所を加古川工場に集約。それに伴ってタルタニパックの本社、樽谷包装産業の本社・営業部門・パレット工場・JPR尼崎デポを、現本社工場の南側にある敷地面積約3,300u・2階建の事務所・工場へ移転する。これによりタルタニグループは加古川工場の段ボール、尼崎新本社工場のパレット、伊吹工場の製袋という生産体制が確立する。
 1909(明治42)年に創業した同社は今年で102年の社歴を持つが、樽谷社長は「古くして新しい企業の在り方は、時代の変化へ迅速に対応していくこと」とし、「生産効率、経費など総合的に勘案した利益を生む体制づくり」を進めている。なお、新体制による営業は3月22日からスタートする。
<移転先>
○樽谷包装産業…〒660−0857 兵庫県尼崎市西向島町95−1 電06−6415−2700(従来通り)
○タルタニパック本社業務部…〒660−0857兵庫県尼崎市西向島町95−1 電06−6415−2700 F06−6413−9300(電話・FAXは従来通り)
○タルタニパック加古川工場営業課・製造課・包装開発研究所…〒675−1221 兵庫県加古川市平荘町山角995−61(従来通り) 電079−428−0087 F079−428−0091

(Future誌3月21日号)

日本製紙連合会/紙・板紙の主要品種についてLCIの見直しを実施
 日本製紙連合会は先頃、紙・板紙の主要品種についてLCIの見直しを実施、その概要を公表した。LCIはライフ・サイクル・インベントリの略で、製品ライフサイクル(製造・使用・廃棄)の各工程で消費された資源、エネルギー量、各種環境負荷項目の排出量を定量的に評価した情報を指す。
 製紙連は2000年に初めて、洋紙平均・板紙平均のLCIデータを調査し報告した。さらに原料パルブの相違による数値の多寡に関して議論があったことから、洋紙については05年に6品種、板紙は06年に5品種に分けてデータを再集計。その概要はホームページ上に公開され、詳細をLCA日本フォーラムのデータベースに登録している。
 その後、業界の温暖化対策が成果を上げていることに加え、社会的にはカーボンフットプリント制度の試行事業が進展している現実を踏まえて、主要製品のLCI見直しを実施してきたもの。

(以下、詳細はFuture誌3月28日号)

王子製紙/しなやかで軽い微塗工紙『OKサテンバルーニー』
 王子製紙はこのほど、ラフ肌とシャープな印刷上がりが特徴の微塗工紙『OKバルーニー』の基本特性を受け継ぎながら、しっとりした肌触りを持つ新製品『OKサテンバルーニー』を開発した。
 『OKサテンバルーニー』は、嵩高による軽さに加え、“柔らかな紙腰”が最大の特長。このためページをめくる時の感触がしなやかで心地よく、優しい仕上がりの冊子が作れる。『OKバルーニー』同様、高い不透明度も兼ね備えており、また平滑性を上げたことによってダル調の印刷上がりを実現した。最軽量の60g/uであっても裏抜けが極めて少なく、高級感を演出できる。
 生産は苫小牧工場。王子製紙によれば、「豊富な原料パルプを取り揃える苫小牧工場の強みと王子の技術力を活かした、渾身の製品」。雑誌本文やカタログ向けに販売していく意向で、初年度販売1万2,000tを目指す。なお、3月7日から本社ビル1階の王子ペーパーライブラリーで、展示および見本帳の配布を予定している。

(Future誌3月14日号)

王子ネピア/創立40周年を迎え家庭紙・紙おむつで強力な新商品を投入
 王子ネピア(佐田修一社長)は今年、創立40周年を迎えたのを機に家庭紙、紙おむつの両分野で積極的に新商品を市場投入する。さらに王子製紙グループは現在、リーマン・ショック以降の環境変化に対応するため、事業構造転換のスピードを速めているが、王子ネピアはその中核企業として位置づけられており、今後2012年度までに海外でのM&Aも含め、合計50〜100億円の投資を計画している。
 王子ネピアの前身である王子ティシュ販売は1971年3月に設立された。84年にボックスティシュの5個入りパックを発売したほか、96年には業界に先駆けてコンパクトタイプのティシュを上市するなど、常に市場の活性化を意識した先進的な取組みを続けてきた。一方、紙おむつ分野でも87年に『ドレミ』で子供用市場(07年『ネピアGENKI!』にリブランド)、93年には『ネピアテンダー』で大人用市場に参入、人々の生活に貢献する「日常生活サポート企業」として存在感を高めている。
 その同社がこのほど、さらなる発展を期して策定したのが次記の事業計画。
(1)家庭紙事業では今春、「柔らかさと肌ざわり」をアップした新商品を上市。
(2)紙おむつ事業では子供用、大人用とも加工機を増設し、既存設備のリニューアル工事と併せて品質向上と生産強化を進める。
(3)成長する海外での販売を強化する。
 (1)のうちトイレットロールでは、柔らかさと肌触りを重視するニーズに応えるため、新たに高密度ソフトエンボスを採用した。従来比2.5倍以上のエンボス数を持ち、吸水性にも優れるので、温水洗浄後の拭き取りにも最適。また香りと色を好む消費者向けに「桜の香り・桜色」もラインアップし、多様なニーズに対応する。
 さらに従来から省資源、エコ商品として好評のコンパクトロールも新エンボスを採用し、『ロングロール』シリーズとしてリニューアル。8ロールに12ロール分の長さ(1.5倍巻き)が入っており、持ち運びや収納に簡便さに加えゴミの減量にもなるので、特に都市生活にマッチした商品として好評を得ている。このほか外装袋には、6月出荷予定分からサトウキビ由来のバイオマスフィルムを採用し、環境に配慮した商品づくりを引き続き心がけていく。
 ティシュでは、さらなる柔らかさを追求した『ネピアデラックスティシュ』を新発売。厳選したパルプを使用し紙の厚みを上げることで、柔らかな肌ざわりとしっかりした使い心地を両立させた。また入り数は発売以来の400枚(200組)を堅持、競合他社品より20組多い。
 (2)のうち子供用の市場は全体として縮小傾向にあるが、パンツ型については今後も需要の増加が見込まれている。そこでパンツ型紙おむつの生産設備を新たに導入し、高まる需要に対応した生産体制を構築する。新加工機を設置するのは名古屋工場で、併せて既存の加工機も改造する。完成予定は今年10月で、投資額は既存加工機の改造も含めて17億円。
 また大人用紙おむつ分野では、扱いやすく止めやすい、何度でも重ねて貼れると好評を得ている「幅広テープ」の拡販を目指す。要介護者の人口増加に伴い、テープ型紙おむつの需要は今後も拡大が見込まれる。同社製品は販売が順調に伸びており、このままでは12年度に供給が追いつかなくなるため、新たにテープ型の加工機を福島市に設置する。完成予定は12年5月で、投資額は10億円。
 (3)の海外事業戦略としては、東南アジアにおける子供用紙おむつ市場が将来的にも有望であるため、早期の販路拡大を目指す。また、現地での生産も検討していく。

(Future誌3月7日号)

日本製紙連合会/「2011年紙・板紙内需見通し」で紙1.4%減・板紙0.7%増
 日本製紙連合会は先頃、2011年の紙・板紙内需見通しをまとめた。
 それによると4年ぶりにプラスに転じた10年の実績見込み2,825万tに対し、▲0.5%の2,810万tという予測値になっている。これは概ね1990年代前半のレベルで、過去最高の2000年実績(3,196万t)に対しては▲386万tの減少である。ただし品種別に見ると、紙が▲1.4%と5年連続のマイナス成長を予測しているのに対し、板紙は+0.7%と低レベルながら2年連続のプラス成長が見込まれている。
 インターネットやスマートフォンなど新興他媒体との激しい競合にさらされる紙と、そうした構造的マイナス要因を持たず環境的優位性を備える板紙――両者の明暗がはっきり出た形だ。
 2011年予測の前提となる10年の紙・板紙内需は当初予測の▲0.9%に対し、実績見込みで+1.3%と差し引き2.2ポイント(pt)の乖離が生じている。これは年前半の景気回復基調が寄与したのに加え、段ボール原紙を中心に板紙が想定以上の伸びを示したことによるもの。11年についても引き続き紙のマイナス、板紙のプラスという基調に変化はないと見ている。

(以下詳細はFuture誌2月7日号)

日本製紙連合会/古紙利用率の新たな目標は64%
 日本製紙連合会は1月20日開催の理事会で、製紙業界の自主的な努力目標として「2015年度までに古紙利用率を64%に向上させる」ことを決定した。これは、現行の古紙利用率目標62%が2010年度までの期間を対象としたものであることに加え、この目標がすでに前倒しで達成されていることから、今後の目標設定をどうするか、かねて技術環境委員会を中心に検討してきたもの。
 結果的に現行の利用率目標に2ポイント(pt)上乗せする形で、過去60%から62%に引き上げた時と幅としては同じになった。だが経産省をはじめ政府関係機関からの上乗せ要望がある一方、国内の紙・板紙需要が縮減する中で新たな古紙利用分野の拡大を図るのは容易でないことから、目標値のアップについては内部に慎重論や消極論も少なくなかったと伝えられる。

(以下詳細はFuture誌2月7日号)

古紙再生促進センター/2010年古紙需給で利用率・回収率ともわずかに低下
 古紙再生促進センターの集計による、わが国の2010年古紙需給がまとまった。それによると、まず入荷は前年比+3.6%の1,723.6万t(単位未満四捨五入=以下同)。[入荷−輸入+輸出+古紙パルプ]で弾き出される回収量は+0.2%の2,171.5万tとほぼ横バイだったが、これは本誌前号で取り上げたように同年の古紙輸出が▲11.0%と落ち込み、国内の入荷増分と相殺されたため。一方、古紙の国内消費は同+3.0%の1,729.2万t。[メーカー払出+輸入−輸出]の計算式で出される同年の国内紙・板紙消費は+2.0%の2,775.1万tだったので、古紙消費の伸びの方が高くなっている。
 これにより、10年の古紙回収率は78.3%と前年(79.7%)対比で1.4ポイント(pt)低下した。回収率の分母となる紙・板紙国内消費の伸びが、分子となる古紙回収量のそれを上回ったからだ。また古紙利用率は62.5%で、やはり前年(63.1%)を0.6pt下回っている。こちらは、同年のパルプ消費が+5.6%の1,040.8万tと古紙消費の伸びより高くなった結果である。

(以下詳細はFuture誌2月28日号

紙パの第3四半期決算/原燃料高と価格下落が収益を圧迫
 紙パ企業の第3四半期決算(10年4〜12月)が出揃った。当期は、前半は政府の経済対策や、猛暑効果による段ボール出荷増などの増収要因があったものの、後半は円高の長期化や経済対策の縮小などから、需要の鈍化傾向が強まった。そこに市況軟化や原燃料高が重なり、企業収益が圧迫されている。通期予想を下方修正した企業もあり、今回取り上げた中では王子、日本、レンゴー、北越紀州は据え置きだが、大王、三菱、特種東海は売上高と利益の両方を、中越パルプは利益を下方修正している(以下、連結ベース。単位:100万円。カッコ内は前年同期比)。

(以下詳細はFuture誌2月28日号)

レンゴー/ベトナムの段ボールメーカーを買収
 レンゴーが30%出資しているタイコンテナーズ・グループ社(タイ)は、ベトナムの段ボール会社3社を買収する。3社の親会社であるゴールデン・フロンティア社(マレーシア)と1月18日、契約を結んだ。買収総額は負債の引き受けなどを含め約2,500万j(約21億円)。買収完了は3月末の見込み。
 買収するのは、コルゲータ、製函ラインの一貫生産設備を有するアルカマックス・パッケージング(ホーチミン)とAPパッケージング(ハノイ)に、製函メーカーのパカメックス(ホーチミン)を加えた計3社。ベトナムでのレンゴーの生産拠点は現在、段ボール原紙のビナクラフトペーパー社(年産22万t)と、09年に買収した段ボールメーカー、ニューアジア・インダストリー社があるので、今回の買収によりベトナムでの段ボール供給体制は、原紙1社、シート・ケース3社、ケース1社となる。
 なお、アルカマックス・パッケージング社とAPパッケージング社を合わせた月産能力は約750万uで、ニューアジア・インダストリーを加えると1,450万uの月産能力となる。
 ベトナムの段ボール市場は、昨年度は前年比9.3%拡大し、今後も年率11%程度の伸びが予測されている。レンゴーは今回の買収を機に、同国内の段ボール原紙および段ボールの供給体制整備と品質向上を図ると同時に、中国、タイ、シンガポール、マレーシア、インドネシアの段ボール工場および中国・中山の製紙工場との連携を強め、中国・東南アジアでの原紙から段ボールまでの一貫供給体制を強化する。
 買収会社の概要は次の通り。
○アルカマックス・パッケージング社…▽所在地:ベトナム・ビンズオン省ベトナムシンガポール工業団地内(ホーチミンより北へ25km)▽事業内容…段ボールシート・ケースの製造販売
○APパッケージング社…▽所在地 ベトナム・ハイズオン省ナムサック地区(ハノイより東へ70km)▽事業内容…段ボールシート・ケースの製造販売

(Future誌2月7日号)

レンゴー/中国・広東省の段原紙2社に増資
 レンゴーは中国の関連会社、中山聯合鴻興造紙有限公司および中山聯興造紙有限公司の増資を引き受け、子会社化する。
 アジア戦略のポイントとなる中国での事業基盤強化には、この2社の環境設備および省エネ設備投資が不可欠と判断し、増資を決めたもの。増資によって設備資金を調達すると同時に、子会社化してレンゴー主導の経営体制を整える。
 2社の増資総額は3,750万jで、このうちレンゴーが3,562万5,000jを引き受ける。これにより両社へのレンゴーの出資比率は35.0%から62.8%となる。3月初旬までを目途に増資資金を送金し、併せて両社の営業許可認証の変更手続きを行う予定。
 子会社化する2社の概要は次の通り。
<中山聯合鴻興造紙>
〔所在地〕広東省中山市105国道中山三橋西側
〔代表者〕小澤善孝董事長(レンゴー取締役)
〔主な事業〕段ボール原紙(ライナー、中芯)の製造販売
〔設立〕1995年5月22日
〔資本金〕2,880万j
〔増資前出資比率〕レンゴー35.0%、香港鴻興印刷集団有限公司21.0%、中山鴻興包装印刷有限公司14.0%、LeMonde香港利満達集団公司25.0%、香港鴻基顧問有限公司5.0%
〔増資額〕2,483万j(レンゴー2,358万9,000j、その他4社124万1,000j)
〔09年12月期業績〕売上高27億1,700万円、当期純利益▲4億2,400万円
<中山聯興造紙>
〔所在地〕中山聯合に同じ
〔代表者〕中山聯合に同じ
〔主な事業〕中山聯合に同じ
〔設立〕2000年8月16日
〔資本金〕1,470万j
〔増資前出資比率〕中山聯合に同じ
〔増資額〕1,267万j(レンゴー1,203万6,000j、その他4社63万4,000j)
〔09年12月期業績〕売上高24億9,100万円、当期純利益▲2億7,000万円

(Future誌2月21日号)

レンゴー/東北工業の段ボール事業を譲受
 レンゴーは4月を目途に、東北工業の段ボール事業を会社分割により譲り受ける。レンゴーは、東北工業から段ボール事業を引き継ぐ子会社に役員を派遣し、レンゴーの福島矢吹工場およびグループ企業と連携して東北地区での段ボール事業の充実を図る。
<東北工業の概要>
○本社…福島県郡山市方八町1−12−5
○代表者…カネコ・アン・パトリシア
○資本金…1,852万円
○株主…カネコ・アン・パトリシアほか
○事業内容…段ボール製造販売、包装資材販売、不動産賃貸業
○売上高 …17億円(10年4月期)
○工場…本社工場(福島県郡山市方八町1−12−5)
○従業員数…60名
 またレンゴーはこのほど、親和紙器の発行済株式の99.5%を取得し、子会社化した。親和紙器は、山口県を中心に事業展開している段ボール箱メーカーで、クラフト紙袋も製造している。今後は近隣のレンゴー工場およびグループ企業と連携し、中国地区での段ボール事業、製袋事業の充実を図る。
<親和紙器の概要>
○本社…山口県光市光井1−15−20
○代表者…中村昌則
○資本金…2,000万円
○株主…レンゴー 99.5%
○売上高…4億1,300万円(10年3月期)
○従業員数 …31名

(Future誌2月28日号)

王子製紙グループ/富士工場の一部抄紙機を停止
 王子製紙グループは、王子板紙富士工場の8号抄紙機(中芯原紙)と、王子製紙富士工場のN-1号抄紙機(塗工紙・微塗工紙)を、4月末で停止する。
 同社グループは、需要構造の変化に合わせた生産体制を構築するため、競争力の乏しい設備を逐次停止しており、今回の停止もその一環。一方、板紙事業では段ボール原紙の軽量化ニーズに対応するため、中芯原紙塗工設備の導入を順次実施していく。
 今回の設備停止によるコスト削減額は年間約50億円。当期で構造改善費用を特別損失として計上することになるが、その影響金額は現在算定中(11月発表の業績予想にはすでに概算で織り込み済)。
<停止設備の概要>
○王子板紙富士工場8号抄紙機…▽主要生産品種:中芯原紙▽生産能力:日産460t、年産13万5,000t
○王子製紙富士工場N-1号抄紙機…▽主要生産品種:塗工紙・微塗工紙▽生産能力:日産350t、年産12万t

(Future誌2月21日号)

三菱製紙/不織布製造設備を新設
 三菱製紙は、高砂工場に湿式不織布の製造設備を新設する。営業運転開始予定は2012年1月。投資額は20億円で、需要状況により段階的に追加投資も行っていく。
 同社の不織布は現在、建築材料、印刷材料、光触媒などの機能性フィルター、水処理用濾材、二次電池用セパレータ向けを中心に、高砂工場で製造されている。このうち水処理用濾材は新興国で需要が急拡大しており、また二次電池用セパレータも車載用リチウムイオン電池のセパレータ需要で大きな伸びを見せている。そこで、これらの成長分野に研究資源、人的資源、資金を集中投下して新商品の開発・販売力を強化し、不織布事業の拡大を図るもの。生産設備の新設によって高付加価値商品を増産する計画で、数年内に売上高100億円の事業規模を目指す。
 なお同事業は、経済産業省の10年度「低炭素型雇用創出産業立地推進事業」に採択された。

(Future誌2月14日号)


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