業界ニュース

三菱製紙/八戸工場に大判カッターを新設
 三菱製紙では、7月から八戸工場で、新設の大判カッターが営業運転を開始した。
 東日本大震災で被災した八戸工場は、2011年11月に生産設備全般の復旧を完了し、その後は競争力強化のため仕上設備への効率化投資を進めてきた。そして今年1月にはPPC仕上ラインの営業運転を開始、これに続いて大判 カッターが完成したもの。投資額は約11億円、生産(仕上)能力は約5,000t/月。これにより同社は、「第1次中期経営計画」の推進テーマの一つである「仕上げ設備効率化」を完了した。

(Future 2013年7月29日号)

丸三製紙/段原紙設備の更新工事を2015年1月の稼働予定で開始
 レンゴーの連結子会社、丸三製紙(本社:福島県南相馬市、三田計社長)は、かねて計画していたライナー抄紙設備の更新工事に着手した。
 丸三製紙はグループの東北地方における段ボール原紙の生産拠点として、現在ライナー用6号機、中芯原紙用7号機の2台で、月産約2万tの段原紙を生産している。しかし6号機は1973年の設置以降40年が経過して老朽化するとともに、2011年3月の東日本大震災でも被害を受け、環境面から最近ニーズが高まっている薄物化への対応も困難な状況となっている。
 そこで現在の市場ニーズに合致し、省エネ・省資源も考慮しながら品質の向上を図るため、6号機を更新することにしたもので、2015年1月の運転開始を予定している。この設備更新により丸三製紙の持続的な発展成長を目指すとともに、レンゴーグループの東日本地域における段原紙供給体制を充実させ、製紙−段ボールの一貫生産体制を強化する。
丸三製紙は東日本大震災と福島第一原発の事故により、震災直後から3ヵ月余り操業停止を余儀なくされたが、現在は従前通りの操業を行っている。今回の設備更新は、地元の南相馬市および福島県における継続的な産業振興と雇用の安定確保を通じ、地域の復興・再生にも大きく貢献できると期待されている。なお、この投資は「ふくしま産業復興企業立地補助金」の対象事業となっている。

<丸三製紙の概要>
資本金:3億円
主要株主:レンゴー(95.16%)
事業内容:板紙(段原紙)、特殊紙(機能紙)の製造、加工、販売
売上高:123億円(2013年3月期)
従業員数:208名

<設備更新の概要>
名称:8号抄紙機(設置後に6号機は停機)
生産品種:段ボール原紙(ライナー)
最大生産量:日産500t
設備投資総額:250億円
稼働時期:2014年度中

(Future 2013年8月5日号)

レンゴーグループ/大和紙器が瀬戸内工場の建設に着手
 レンゴーの連結子会社、大和紙器はこのほど、瀬戸内工場の建設に着手した。場所は瀬戸内市の宮下工業団地内(岡山県瀬戸内市長船町土師1696番外) 。敷地面積3万9,248u、延床面積2万3,556u。開業は2014年5月の予定。写真は完成予想図。
 大和紙器では昨年8月、岡山工場のコルゲータが火災で焼失。また、かねてより懸案としていた姫路工場との統合を見すえ、新工場の建設を検討していた。瀬戸内工場の建設に当たっては、4月末に瀬戸内市との間で立地協定を締結、すでに7月3日に地鎮祭も執り行っている。新工場は、太陽光発電やLED照明など、環境にも配慮した工場となる。レンゴーは、「これにより、今まで以上にユーザーニーズへの迅速な対応と品質向上を図り、グループの段ボール事業を強化する」と述べている。

(Future 2013年7月22日号)

レンゴー/MHDの完全子会社化で重包装袋をコア事業として強化
 レンゴーは重包装資材事業を強化するため、マルソルホールディングス梶i以下「MHD」、本社:東京都千代田区、代表者:神ア 恭)の全株式を取得、100%子会社とする。
 MHDの発行するすべての普通株式11万2,320株を、現在保有している独立系のプライベート・エクイティ投資会社、WISE PARTNERS梶i本社:東京都千代田区、代表者:中野 智弘)が運営するWP1号投資事業有限責任組合(以下「WP1号ファンド」)や、その他の株主から取得するもの。7月3日に決議し、同日付でWP1号ファンド、その他の株主との間で株式譲渡契約を締結した。なお、この取引は公正取引委員会から独占禁止法関連の許認可を得ることが最終的な条件となるが、譲渡の完了は7月26日を予定している。
 MHDは傘下に森下鰍ィよび森下化学工業鰍有し、グループ全体として主にコンテナバッグ、産業用樹脂シート、樹脂製ネットの3領域で事業を展開している。現在では岡山県瀬戸内市長船町の本社工場をはじめ、タイやインドネシア、中国など国内外に9ヵ所の拠点を持ち、重包装資材の製造・販売を行っている。
 レンゴーグループは板紙・段ボール・紙器・軟包装・重包装・海外という6コア事業を中心に、あらゆるニーズに最適包装で対応するゼネラル・パッケージング・インダストリーを目指している。
 レンゴーは2009年5月に日本マタイ鰍子会社化して重包装事業に参入、同年12月には同社を完全子会社化するなど事業の強化を図ってきた。レンゴーとしては、MHDの持つ強固な事業基盤と広範にわたる製品群がグループ重包装事業の一層の強化とサービス拡充につながると考え、今回の取引を行うことにしたもの。
 「株式取得後はMHDグループの役職員とともに、日本マタイをはじめとした当社グループとのシナジーを追求し、企業価値の向上を実現していく所存」(レンゴー)としている。
<MHD鰍フ概要>
○会社名:マルソルホールディングス
○所在地:東京都千代田区一番町2番地
○代表者:代表取締役社長・神ア 恭
○事業内容:森下鰍ィよび森下化学工業鰍ノ対する投融資
○資本金:1億円(12年5月現在)
○設立年月日:2009年10月19日
○株主と持株比率:WP1号投資事業有限責任組合98.2%、その他株主1.8%

(Future 2013年7月22日号)

日本紙パルプ商事/富士市で家庭紙工場の再開発に着手
 日本紙パルプ商事は、連結子会社のコアレックスグループを通じ、静岡県富士市で家庭紙工場の再開発に着手する。
 コアレックスグループは、北海道、神奈川県、静岡県、山梨県、ベトナムに製造拠点を持ち、古紙を原料とした再生家庭紙を生産している。静岡と山梨には複数の生産拠点があるが、既存の生産拠点を集約して保管・配送コストを削減するため、グループ会社が所有する工場跡地の再開発を行う。併せて、エネルギー効率の高い最新鋭設備を導入して製品品質の向上を図り、生産の効率化、環境負荷の低減も目指す。これに伴い、静岡県および山梨県内の既存生産拠点は順次閉鎖する予定。
<事業の概要>
〔事業名〕信栄製紙 富士川工場(仮称)
〔事業地〕静岡県富士市中之郷
〔敷地面積〕約40,000u
〔投資額〕約100億円(土地除く)
〔事業内容〕再生トイレットペーパー・ティッシュの製造
〔竣工予定〕2015年3月

(Future 2013年7月29号)

日本製紙/国内初の大都市での紙おむつリサイクルシステム構築へ
 日本製紙は2013年度から、福岡県と福岡都市圏17自治体が連携して立ち上げた「福岡都市圏紙おむつリサイクルシステム検討委員会」に参画する。循環型社会の形成を促進するため、使用済み紙おむつの水溶化処理事業を手がけるトータルケア・システム梶i長武志社長、福岡市)とともに、新たなリサイクルシステム構築へ向けた技術協力を行うもの。
 わが国では高齢者人口の増加に伴い、特に大人用紙おむつの需要が拡大しており、12年の大人用紙おむつ生産量は約62億8,800万枚と、10年前に比べ約2.6倍に増えている(日本衛生材料工業連合会調べ)。
 それに伴い、治体が回収する一般廃棄物に占める使用済み紙おむつの割合も、増加傾向をたどっている。そのため焼却や埋め立てといった廃棄物処理方法は、多くの自治体にとって負担が重くなりつつあり、全国規模での課題解決につながる取組みが求められるようになってきた。
日本製紙グループでは、連結子会社の日本製紙クレシア(南里泰徳社長)が大人用紙おむつの生産・販売をはじめ、社会のニーズに対応した各種衛生用品を提供している。今回の技術協力では、製紙事業において長年培ってきた古紙処理技術などの強みを生かし、コストの削減や再生パルプの高品質化と実用化へ向けた技術確立に取り組み、使用済み紙おむつのリサイクルシステムの構築を通じて、人々が安心して生活できる循環型社会の形成に貢献していくとしている。
 なおトータルケア・システムは、使用済み紙おむつから再生パルプを取り出すマテリアルリサイクルとしては、国内唯一のプラントを2005年に大牟田エコタウンに設置し、大牟田市内の病院などから排出される紙おむつをリサイクル、11年からは大木町の一般家庭にも回収対象を広げている。
 福岡県などが立ち上げた検討委員会では、このリサイクルシステムをより広域化して廃棄物の減量化と再資源化を進めるため、今後3年間かけて実態調査や実証試験を行いながら多方面にわたって検討・議論する。

(Future 2013年8月5日号)

大王製紙/社員の育児支援制度を強化
 大王製紙は、社員の仕事と育児の両立支援を目的とした「GOO.N子育てサポートプログラム」を7月1日より導入し、社員育児支援制度をリニューアルした。
 同社では従来から、○育児休業中の失効年次有給休暇の最大60日までの取得 ○育児を目的とした小学校就学前までの短時間勤務 ○ノー残業デー(定時退社)実施などの育児支援を行っている。これに加えて今回、「GOO.N子育てサポートプログラム」を導入するもの。これにより、仕事と子育ての両立の不安や負担を軽減し、社員が長期的なキャリアを描ける環境づくりを支援していく。プログラムの詳細は次の通り。
@マザーケアサービス(ベビーシッター)利用補助…育児支援会社、潟}ザーネット(本社:大阪市)の育児・家事代行サービスを大王製紙社員が利用した際に、利用料金を補助する。マザーケアサービスの内容は、病気の子どものケア、保育園のお迎え、保育園や学校が休園・休校時の子どものケアなど。小学校低学年までの子どもを持つ女性社員が対象で、正社員、契約社員は問わない。
A出産祝いプレゼント…従来の出産祝金に加え、佐光正義社長からベビー用紙おむつ『GOO.N』特製オリジナルおむつケーキと、『GOO.N』製品(ベビー用紙おむつ、おしりふき)のプレゼントを開始する。
B『GOO.N』製品の購入支援…ベビー用紙おむつ使用中の子どもを持つ社員を対象に、ベビー用紙おむつとおしりふきの購入支援を行う。

(Future 2013年7月29日号)

紙・板紙需給5月/ 印刷用紙と段原紙が牽引し国内出荷が2ヵ月連続のプラス
 日本製紙連合会が集計した5月の紙・板紙国内出荷は前年同月比+2.4%の208.4万t。うち紙は+2.9%の119.2万t、板紙は+1.8%の89.2万tと、いずれも2ヵ月連続の増加となった。ただし品種別では、塗工・非塗工印刷用紙と段ボール原紙を除き減少しており、特定品種が牽引した形だ。
 紙・板紙のメーカー輸出は前年同月比+30.4%の8.2万tで、9ヵ月連続の増加。うち、紙は+26.5%(9ヵ月連続)の7.3万t、板紙は+75.6%(7ヵ月連続)の0.9万t。ともにアジア向けを中心に増加した。震災前の水準に対しては、紙・板紙で9割弱。
 紙・板紙の在庫は前月比+0.8万tの192.7万tで、4ヵ月ぶりに増加した。うち紙は+3.5万t(4ヵ月ぶり)の132.3万tで、新聞用紙、印刷・情報用紙、衛生用紙が増加している。板紙は△2.7万t(2ヵ月連続)の60.4万tで、段ボール原紙が減少した。
 以下、主要品種の動向である。
 〔印刷・情報用紙〕
 国内出荷は前年同月比+6.5%の66.4万tで、3ヵ月連続の増加。荷動きは緩慢ながら、輸入の減少や価格修正などが影響し、一部品種ではタイト感も見られる状況。品種別では情報用紙を除き増加。メーカー輸出は+24.6%の5.7万tで、塗工紙を中心に5ヵ月連続の増加。
 〔包装用紙〕
 国内出荷は前年同月比△5.2%の6.2万tと、7ヵ月連続で減少した。主要品種の中では、落ち幅が最大だった。他方、輸出は+23.9%の1.2万tで、前年の10月を上回り過去最高を記録している。
 〔衛生用紙〕
 国内出荷は前年同月比△0.7%の14.2万t。ほぼ横ばいだが、前月の増加から減少に転じた。価格修正や、ティシュを中心に製品輸入の増加などが影響しているようだ。
 〔段ボール原紙〕
 国内出荷は前年同月比+2.4%の71.3万t。2ヵ月連続の増加で、荷動きは比較的堅調。青果物向けなどの回復が寄与している。
 〔白板紙〕
 国内出荷は△1.0%の11.4万t。落ち幅は縮小したものの、一般向けを中心に7ヵ月連続の減少だった。

(Future 2013年7月8日号)

2012年包装産業出荷統計/6兆円割れだが包材では紙・板紙比率が上昇
 日本包装技術協会は先頃、2012年の包装・容器出荷に関する統計結果を取りまとめた。これは同協会が毎年実施しているもので、わが国で出荷される包装・容器の出荷金額・数量および包装機械の生産金額・数量を、経産省をはじめとする諸官庁の統計、日銀統計、包装産業関連諸団体の統計および個別企業情報などを基に集計・試算したもの。
 それによると昨年の実績は「包装・容器」の出荷金額が前年比△2.2%の5兆6,454億円、「包装機械」の生産金額が同+1.2%の4,330億円、合計で△1.9%の6兆784億円と大台割れ寸前のところまで来ている(表1)。つまり仮に今年も△1.5%程度のマイナス成長に陥るとすると、03年以来の6兆円台割れとなってしまう計算だ。
 一方、数量ベースでは「包装・容器」の出荷が前年比△2.4%の1,838万t、「包装機械」の生産が同+1.6%の366万台だった。
 次に、包装・容器の素材別に見た過去5年間の出荷金額推移をでは全体として漸減傾向が続いているが、そうしたなかにあって紙・板紙の比率は相対的に高まっている点が注目される。12年の構成比が08年との対比で、どう変化したかをトレースすると、紙・板紙+2.1ポイント(pt)、プラスチック△2.7pt、金属+1.0pt、ガラス±0.0pt、木材△0.4pt、その他±0.0ptと、概ね紙・板紙の1人勝ち状態。
 この傾向は出荷数量の構成比変化を見ても変わらず、12年と08年の対比で紙・板紙のみが1pt近くシェアを高めている。入手の容易さ、加工のしやすさに加えリサイクル可能という環境適応性が、紙・板紙のシェアを押し上げている。

(Future 2013年7月15日号)

レンゴーグループ/大阪の包材メーカーから段ボール事業を譲受
 レンゴーの連結子会社である朝日段ボール(香川県高松市)は、シコー梶i大阪市)から段ボール事業の営業権を譲り受ける。
 シコーは、産業用包装資材の大型紙袋、ポリエチレン重包装袋、段ボールケース、プラスチック段ボールなどを製造販売する包材メーカー。段ボール事業では四国地域を中心に多数の得意先と取引関係を構築している。朝日段ボールは今後、シコーの段ボール事業の取引先を順次継承していく。これによりレンゴーグループは、四国での段ボール事業の拡充を図る。
 <朝日段ボールの概要>
〔本 社〕香川県高松市国分寺町国分156−2
〔代表者〕村本健(むらもと・たけし)
〔資本金〕2,400万円
〔株 主〕レンゴー(65.63%)
〔事業内容〕段ボールシート・ケースの製造販売
〔売上高〕52億円(2013年3月期)
〔工 場〕本社工場
〔従業員〕90名

(Future 2013年7月8日号)

日本製紙/エネルギー事業本部を新設
 日本製紙は、6月27日付でエネルギー事業本部を新設、同本部内にエネルギー事業部を置く。
 同社は現在、洋紙以外の事業育成を強化しており、特に強みを生かせる分野としてエネルギー事業の拡大を進めている。これまでは技術本部内にエネルギー事業部を置いていたが、関連プロジェクトが増加していることから、独立した本部を新設して陣容を大幅に拡大するもの。より機動的な体制を確立し、事業機会を素早く着実に獲得していく。
 なお同社では、2014年度には新たに熊本県の八代工場で未利用材100%による木質バイオマス発電事業、また徳島県小松島市の社有地では四国最大規模のメガソーラープロジェクトを実施する。

(Future 2013年6月17 日号)

日本製紙/四国最大規模のメガソーラーを建設

 日本製紙は三菱商事と共同で、徳島県小松島市に所有する社有地の一部を使い、四国最大規模となるメガソーラープロジェクト(約2.1万kW)を開始する。徳島県小松島市は、年間を通じて日照量が多い地域として知られている。
 今秋設備建設に着工し、2014年後半から「再生可能エネルギーの固定価格買取制度」を活用して四国電力へ電力を販売する予定。プロジェクトの運営は、日本製紙と三菱商事が共同出資して設立した特別目的会社が行う。日本製紙の資産と技術力に加え、三菱商事が蓄積してきた海外でのIPP事業のノウハウを生かし、運営していく。
 日本製紙はエネルギー事業をグループ収益事業の一つとして力を入れており、工場の発電設備を活用した売電事業では、2012年度に約11億kWhの実績を上げている。
<特別目的会社の概要>
〔名称〕日本製紙メガソーラー小松島合同会社
〔設立〕3月7日
〔出資構成〕日本製紙50%、三菱商事50%
〔事業内容〕太陽光発電事業(場所:徳島県小松島市豊浦町1番。約25万u)

(Future 2013年6月17 日号)

大王製紙、北越紀州製紙/総合技術提携の効果見通しを発表
 大王製紙と北越紀州製紙は、両社が結んでいる総合技術提携の効果について、その試算を発表した。
 試算では、2013〜15年度の3年間累計で約54億円(大王約35億円、北越紀州約19億円)、うち15年度には約29億円(大王約17億円、北越紀州約12億円)のコスト削減を主とする効果を見込んでいる。また両社は、「今後も相互に有益となるテーマの抽出を継続するとともに、現時点で選定したテーマを掘り下げ、さらなる効果を発現させていく」としている。
 大王製紙と北越紀州製紙は、2006年に「塗工紙・パルプの製造技術」を対象とする技術提携をスタートさせ、12年にはその対象範囲を「両社が共通して製造する製品全般および各工場の運営技術の分野」にまで拡大した。また相互OEM、交錯物流改善、原燃料の相互融通などにも取り組んでいくとしている。

(Future 2013年6月17 日号)

中越パルプ工業/戦略プラン『ネクストステージ50』で収益力強化へ
 中越パルプ工業は、今年度を初年度とする5ヵ年の中長期戦略プラン『ネクストステージ(NS) 50』を策定した。最終2017年度の数値目標は連結売上高1,100億円、経常利益55億円、利益率5%。
 製紙業界を取り巻く環境は、電子媒体へのシフトや輸入紙の定着による市況低迷、原燃料価格の高止まりで厳しさが続いている。長期的に見ても少子・高齢化に伴う内需の落ち込みなど、厳しい情勢が予想される。NS 50計画では、“深化”と“進化”で独自性を高め、存在感を示せる企業を目指す。また社会貢献を通じたブランディング強化で企業価値を高めていく。計画の骨子は次の5項目。
@生産品種の構造転換…市況の影響を受けにくい体制とするため、高板系加工原紙マシンを更新するほか、印刷・情報用紙マシンの生産品種転換と台数削減を行い、『竹紙』『里山物語』といった特徴ある環境対応紙のほか、トップシェアを誇る壁紙原紙などの特殊紙分野を強化する。
 高岡工場で更新する加工原紙マシンはワイヤー幅3,800o、抄速250m/分、月産9,000tで、2015年度中に稼働の予定。能力は15%アップする。投資額は約200億円。カップ麺容器や飲料用カップ、酒パックなどの食品用紙容器分野を主なターゲットとしており、「世界一、衛生的なマシン」がセールスポイント。
A包装用紙生産と製袋事業の発展強化…海外での製袋事業を強化し、原紙生産と製袋加工品の包括的な生産販売を行うことでアジア圏の旺盛な需要を取り込み、原紙販売を強化しつつグループの事業拡大を図る。
Bエネルギー事業への参入…年間を通じて好天に恵まれ、また未利用間伐材の森林資源が豊富にある南九州に位置するという川内工場の立地を活かし、木質バイオマス燃料発電事業と太陽光発電事業を開始する。
Cコストダウン…生産体制見直しを含めたコスト削減を強化。
Dパルプ高度利用化計画…コア技術の木質パルプに高機能を付与し、優れた補強用繊維としてセルロースナノファイバーの製品開発を目指す。

(Future 2013年6月3 日号)

王子ホールディングス/王子ペーパーアジアがミャンマー支店を開設
 王子ホールディングス100%子会社の王子ペーパーアジア(マレーシア・クアラルンプール)は5月28日、ミャンマーのヤンゴン市内にミャンマー支店を開設した。経済発展が期待されるミャンマーで、植林・木材加工事業や段ボール加工事業を含む、幅広い事業を展開していく。拠点開設はその第一歩。当面は2名の駐在員を派遣し、各種案件の進捗に応じて随時、適切な要員を補充する計画。
 王子ホールディングスは、「ミャンマー支店を拠点として、より迅速かつ的確な情報収集を行い、ミャンマーでの事業機会の早期実現に努める」としている。
<ミャンマー支店の概要>
〔名称〕Oji Paper Asia Sdn Bhd, Myanmar Branch
〔所在地〕#401, 4th Fl. YUZANA Hotel, 130 Shwe Gon Taing Road, Bahan Township, Yangon, Myanmar
〔代表者〕徳永清朗支店長

(Future 2013年6月17 日号)

レンゴー/タイ・バンコク近郊の段ボール2社を買収
 レンゴーの合弁会社、タイコンテナーズ・グループ社はこのほど、バンコク近郊のサムサコーン県にある段ボールメーカー2社の株式75%を取得するため、条件付株式売買契約を締結した。
 タイはASEAN諸国の中でも特に多くの日系企業が進出し、製造拠点を設けている。国民所得も増加していることから今後も段ボール需要の伸びが期待でき、このためレンゴーは同国内での段ボール事業拡充を進めている。
 今回の株式取得によって、タイ国内でのレンゴーの段ボール生産拠点は13工場に拡大、年産能力は80.1万tとなる。同社では、「タイをはじめ東南アジアにおける段ボール事業は、グループ海外事業の重要な戦略事業であり、今後も段ボール供給体制の一層の充実を図る」としている。
【買収企業】タイコンテナーズ・グループ社▽代表者:Poramate Larnroongroj▽主要株主:レンゴー30%、SCGペーパー社70%▽事業内容:段ボールシート・ケースの製造・販売
【被買収企業】@ダイナ・パックス社▽代表者:Adisak Ovathitsakul▽事業内容:段ボールシート・ケースの製造・販売 
Aオリエント・コンテナーズ社▽代表者:AdisakOvathitsakul▽事業内容:段ボールシート・ケースの製造・販売

(Future 2013年6月17 日号)

レンゴーグループ/中国で不織布事業展開へ
 レンゴーの100%子会社で、不織布事業を展開するレンゴー・ノンウーブン・プロダクツ梶i=RNWP社、本社:岡山県総社市)は、このほど不織布事業で初の海外展開として、中国・江蘇省に不織布の販売会社を設立するとともに現地生産を開始する。
 RNWP社は1986年の設立以来、主に紙おむつや生理用品などの衛生用品向けサーマルボンド不織布を製造しており、現在では国内トップメーカーとして、長年にわたる不織布製造に関する技術とノウハウの蓄積を通じ、顧客のさまざまなニーズに対応した高品質な不織布製品を提供している。
 近年、中国では高水準の経済発展を背景に紙おむつなどの需要が急拡大しており、今後とも布おむつからの切替えなどにより高伸長が期待される。そこで今般、江蘇省無錫市にRNWP社100%出資の不織布販売会社を設立するもの。
 一方、不織布の製造はレンゴーの中国子会社、無錫聯合包装有限公司(本社:中国江蘇省無錫市、小澤善孝董事長)が行い、工場建屋を増改築して新たに製造設備を導入するとともに、製品は新設の販売会社に全量供給する。
 第一期計画(年産4,800t)として2014年1月からの生産開始を予定しており、今後数年内に約1万tまで規模を拡大する予定。今後このプロジェクトを皮切りに、不織布事業においてもグループ全体で連携しながら、グローバルな事業展開を推進していく。
<新設する販売会社の概要>▽社名…無錫聯爽商貿有限公司(Wuxi RNP Trading Co.,Ltd.)▽所在地…江蘇省無錫市高新技術産業開発区華友工業園華友東路21号(無錫聯合包装の建屋内1区画を賃借)▽董事長…早田譲二(レンゴー・ノンウーブン・プロダクツ代取社長)▽総経理…三原英樹 ▽資本金…500万米 j ▽株主構成…レンゴー・ノンウーブン・プロダクツ100% ▽事業内容…不織布製品・同原料の仕入・販売 ▽事業開始…2014年1月(予定)▽従業員数…6名(予定)

(Future 2013年6月3 日号)

日本製紙/バイオケミカル製品で新たな研究成果を発表
 日本製紙は紙だけでなくバイオケミカル分野でも多彩な製品を開発しているが、そのひとつであるオリゴ糖製品『サンセロビオ−K』について、栄養病理学研究所との共同研究により、新たな可能性が確認された。『サンセロビオ−K』の摂取が、腸内細菌によるイソフラボンからエクオールへの変換を促進する可能性のあることがわかったもの。
 エクオールは、女性ホルモン(エストロゲン)と似た働きをすることから、更年期症状の緩和、骨粗鬆症の予防と改善、乳がん予防、高血圧などの生活習慣病への効果が期待されている成分。また、北海道大学との共同研究では、アレルギー性の接触皮膚炎の炎症を抑制する可能性も見出した。
 『サンセロビオ−K』の主成分は、木材セルロースを原料として酵素分解・結晶化したセロビオースという糖質。ヒトの体内では分解されにくい難消化性オリゴ糖で、食品原料として健康食品を中心に幅広く使用されている。これまでに、各種研究機関との共同研究などで次のような効果が確認されている。
○吸湿性が非常に低く安定性が高い(ハンドリング性が良好)
○整腸作用がある
○腸内の善玉菌を増やす
○脂質代謝改善の効果
 なお、研究成果の詳細はwebサイト(http://www.npchem.co.jp/product/cellooligo/pdf/cello-biose_005.pdf )で見ることができる。

(Future 2013年6月24日号)

古紙再生促進センター/新代表理事に日本製紙副社長の岩瀬廣徳氏
 古紙再生促進センターは6月5日開催の通常理事会で、2012年度の事業報告・決算報告を承認するとともに、石田現理事長(代表理事)の任期満了に伴う後任に、日本製紙代取副社長の岩瀬廣徳氏を内定した。6月24日に開かれる定時評議委員会と理事会で正式に決定する。

(Future 2013年6月24日号)

レンゴー/防炎段ボール『RAFEP』が木下賞の包装技術賞を受賞

 レンゴーの防炎段ボール『RAFEP(ラフェップ)』が、日本包装技術協会主催の「第37回木下賞」で「包装技術賞」を受賞した。
 木下賞は1977年に創設された、包装分野では歴史ある表彰制度。毎年、顕著な業績に対して賞が授与される。今回の受賞対象となった『RAFEP』は、バーナーで2分間以上火を当てても燃え広がらず、防炎製品として日本防炎協会から認定を受けている。一般的な構造用防炎合板2級規格品と比べて重量は約6分の1、強度は同等以上を有し、それでいて通常の段ボール同様の加工ができ、オフセット印刷も可能。また、防炎加工に用いられる薬剤は人体に安全無害で、100%リサイクルできる。
 すでに災害時避難所での間仕切り用として東京都板橋区で採用されているほか、更衣室、エレベーターキャビネット、家具転倒防止材、書類・書籍保管箱など、防炎・防災向けを中心に幅広い分野で応用製品が広がっている。写真はエレベーターキャビネット。エレベーターに閉じ込められた時に必要な水、懐中電灯、携帯トイレをコンパ クトに収納し、コーナーに設置できる。

(Future 2013年6月17 日号)


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