業界ニュース

王子ホールディングス/ラオスの植林会社でFSC森林認証を取得
 王子グループが共同持株会社のOji Lao Plantation Holdings Ltd.(=LPH)を通じて出資している、ラオス政府との合弁植林事業会社Oji Lao Plantation Forest Company Ltd.(=LPFL)はこのほど、FSC森林認証(FM/CoC認証)を取得した。 
 LPFLは1999年から事業を開始し、現在はラオス中部に1万8,000haの植林を行っている。伐採時期を迎えた植林木は、主に製材や合板用など付加価値の高い木材製品として、また一部は製紙原料用として加工し、王子木材緑化が販売する。
 王子グループは、世界9ヵ国14ヵ所で合計28万4,000haの海外植林事業を展開しており、このうち23万7,000haがFSC森林認証(FM/CoC認証)を取得。同社では、「今後もこの森林資源を活用して資源環境ビジネスを推進する」と述べている。
 〔LPFLの概要〕
 ・本  社;ラオス・ビエンチャン市
 ・設  立;1999年
 ・資 本 金;5,408万ドル
 ・出資比率・LPH85%、ラオス政府15%(LPHは王子HD72%および日本企業13社による共同持株会社)
 ・事業地域;ラオス中部(カムアン県、ボリカムサイ県)
 ・植栽樹種;ユーカリ、アカシア
 ・植栽面積;1万8,278ha(2012年12月末)

(Future 2013年10月7日号)

日本製紙/タイのSCGペーパー社に事業参画
 日本製紙は、タイのSCGペーパー社へ事業参画する。両社は、2014年第1四半期での実現に向けて協議を開始することで合意した。
 今後SCGペーパー社は、2014年度第1四半期までに、同社が保有するフィブラス事業の再編を進めていく。フィブラス事業とはSCGペーパー社の植林、パルプ(47万t/年)、紙(57万t/年)で構成される事業群の総称で、2012年度売上高は約170億バーツ、SCGペーパー社全体の約30%を占めている。再編後の事業体へは日本製紙が30%を目途に出資する予定で、現在そのスキームが検討されている。
 日本製紙は、洋紙事業の収益力強化と同時に、パッケージ・紙加工事業、木材・ケミカル事業、エネルギー事業など成長が期待できる分野への事業構造転換を進めている。今回の事業参画により、成長市場である東南アジアで、両社の経営資源を活用した新たな事業展開を加速させる考え。

(Future 2013年9月23日号)

レンゴー/マレーシア段ボ会社の株式を取得
 レンゴーは、タイの合弁会社、タイ・コンテナーズ・グループ社の100%子会社であるTCG Rengo Subang (M) Sdn. Bhd.(=TCGM)株式の75%を取得した。これによりTCGMへの出資持分はレンゴー75%、タイ・コンテナーズ・グループ社25%となる。TCGMはマレーシアの首都クアラルンプールに本社を置く段ボールメーカー。
 マレーシアは1970年代以降の積極的な外資導入により、製造業を中心に工業化が進んだ。現在も、「2020年までに先進国入りを目指す」という経済プロジェクト「ビジョン2020」に沿って、長期開発政策を推進している。この国家戦略を背景に、今後も安定的な段ボール需要の伸びが見込まれている。
 レンゴーは、「同国をはじめ東南アジアでの段ボール事業を重要な戦略事業と位置づけ、今後も段ボール供給体制の一層の充実を図る」としている。

(Future 2013年9月2日号)

日本製紙/三菱商事、中部電力と火力発電の新会社を設立
 日本製紙は三菱商事および中部電力と、石炭を燃料とする10万kW級火力発電の新会社を設立する。
 発電設備は日本製紙・富士工場鈴川の敷地内に建設し、設備の運転・保守を日本製紙が受託。電力はダイヤモンドパワー梶iPPS)に販売する。9月を目途に設立し、事業開始は2016年5月の予定。
 日本製紙は、工場の自家発電設備や用地、操業技術を活用したエネルギー事業の拡大に力を入れており、今回の石炭火力発電もその一環。
<新会社と発電事業の概要>
〔所在地〕静岡県富士市今井4丁目(日本製紙富士工場鈴川の敷地内)
〔設立時期〕9月中旬(予定)
〔事業内容〕発電設備の運転・維持・管理および電力の卸供給販売
〔資本金〕約26億円(予定)
〔出資比率〕日本製紙20%、三菱商事70%、中部電力10%
〔発電出力〕送電端約10万kW

(Future 2013年9月2日号)

日本製紙/国際販売統括部を新設し輸出体制を強化
 日本製紙は、グループの輸出体制を強化し戦略的な輸出を拡大するため、9月1日付で「国際販売統括部」を新設する。
 同部では、洋紙・板紙の全般にわたり、専門性の高い輸出関連業務を集中的に行うほか、海外現地販売組織も強化しながら、海外市場で成長が期待される戦略製品の販売拡大を図る。

(Future 2013年9月2日号)

日本製紙/板紙・産業用紙事業を強化
 日本製紙は板紙事業本部を再編し、10月1日付で「段原紙営業本部」と「白板・産業用紙営業本部」を新設する。同社は、第4次中期経営計画における事業構造転換の一環として、パッケージ・紙加工分野の拡大に取り組んでいる。

(Future 2013年9月16日号)

三菱製紙/情報用紙輸出拡大のため海外営業部を新設
 三菱製紙は、10月1日付で洋紙事業部内に「海外営業部」を新設する(関連人事26頁)。需要拡大が見込まれる産業用インクジェット用紙、感熱紙など情報用紙の輸出拡大を加速させるのが狙い。
 また海外営業部は、ドイツ事業も担当する。三菱製紙グループはドイツ国内の2工場で情報用紙を生産している。同部で情報用紙事業のグローバル戦略を立案・実行し、各組織の体制強化と連携強化につなげて海外市場での躍進を目指す。体制は、部長を含め4名でスタートする。

(Future 2013年9月23日号)

紙・板紙需給1〜6月期/輸出増で3年ぶりプラスとなった出荷
 日本製紙連合会が集計した1〜6月期の紙・板紙需給は、円安に伴う輸出増−輸入減の基調に加え、アベノミクス効果による景気回復への期待もあり、一部の品種に明るさが感じられるものとなっている。だが円安とはいえ、PPC用紙や塗工紙では月平均5万t台に迫る輸入が行われており、ミルクカートン用紙を含む白板紙では輸入品の対内需比率が25%を超えている。月平均1万tの大台を突破した衛生用紙を含め、これらの品種では為替に左右されない輸入がすでに定着したとも言える。
 その一方で円高の是正は輸入原燃料価格の上昇というコストアップ要因となって、製紙業界の上に重くのしかかりつつある。輸入紙との競争が続く中で、需要家の“紙離れ”を招くことなくコストアップ要因をどう吸収していくのか――国内メーカーには複雑な連立方程式の解が求められている。この点について製紙連は次のように現状を分析している。

 【概 況】
 昨年12月に誕生した安倍内閣の経済政策「アベノミクス」を背景に、日本経済は持ち直しの動きが続いている。当初、金融市場における円高是正や株価上昇など、“期待”先行の感も強かったが、株高による資産価格上昇の効果などから個人消費が底堅く推移し、企業活動も円高修正による収益改善や国内景気の回復期待が強まる中で、先送りしていた投資を再開する動きも見られ、6月の日銀短観では大企業製造業の設備投資計画が上方修正された。
 このように4月の金融緩和などを通じてアベノミクス効果は波及してきており、輸出や生産も持ち直しを裏づける指標が相次いでいる。一方、海外では米国が緩やかな回復基調を続けているが、中国の景気回復は足踏み状態にあり、景気後退の続く欧州(ユーロ圏)も依然不透明感が強く、日本経済のリスク要因と見られている。
 紙・板紙需給に目を向けると、1〜6月期の生産は前年比△1.5%の1,289.7万t、出荷は+1.0%の1,291.8万tと、生産は前年10月以降の紙を中心とした減産の継続もあって前年を下回ったが、出荷は輸出の回復や輸入の減少などにより、1〜6月期ベースとしては3年ぶりに前年実績を上回った。在庫は前年9月をピークに紙を中心に削減が進み、3月以降は前年を下回る水準となっている。市況(日銀:企業物価指数)を見ると、板紙・包装分野では動きはなかった(ほぼ横ばい)が、今春に価格修正が打ち出された印刷用紙分野では6月にほぼ決着し、約1年半ぶりの上方修正となった。
 円高修正、株価上昇、緊急経済対策、日銀の金融緩和政策の強化などにより足元の景況感は改善しているが、製紙産業を取り巻く環境は依然として厳しい。特に輸入原燃料価格の上昇や古紙の輸出価格上昇の影響といったコストアップが収益の圧迫要因となってきている。製品需要は景気回復に伴い上向いてくると期待されるが、足元では価格修正の反動とも見られる動き、加えて紙から他媒体へのシフトなども懸念されるため、需要動向には注意を払い引き続き需給バランス維持に向けた取組みが必要となっている。

(以下、詳細はFuture 2013年8月26日号で)

古紙輸出1〜6月期/FOB単価の上昇で金額は25%増に
 1〜6月期の古紙輸出は、合計数量が前年同期比+13.5%の272.1万tと2桁伸長。さらに金額(FOB)ベースでは同+25.5%の482億5,700万円と数量の伸びを大きく上回り、前年同期より98億円も増えている。旺盛な海外需要を背景に平均輸出単価はs当たり17.7円と前年より1.7円アップとなり、期中の国内価格を大きく上回った。
 品種別では、全体数量の45%を占める主力の段ボール古紙が+18.7%の123.6万tと全体を牽引、平均単価は前年比+1.5円の17.4円を付けており、金額では+29.9%の214億7,000万円に達している。この輸出価格の騰勢は国内製紙各社の大きなプレッシャーとなっており、一部のメーカーが8月からの購入価格引き上げに動く要因ともなった。
 ほとんどの品種が数量を伸ばす中で、雑誌古紙のみは△9.8%の67.1万tと2桁近いマイナス。雑誌の国内入荷は今年に入って△6%前後の減少傾向が続いており、国内メーカーの発注に対しても未納の生じるケースが目立っている。
 仕向地別の輸出数量では、トップの中国が+6.8%の209.6万tとなり大台に乗せたが、2位のタイや3位の韓国の伸長がより高かったため、全体に占めるシェアは前年の81.8%から77.0%に低下した。
 税関別では東京が例年と同様、数量・金額とも全国の半分近くを占めトップ。2位には前年に続いて神戸が入り、以下、大阪→横浜→名古屋→博多と続いている。

(Future 2013年8月26日号)

王子グリーンリソース/北海道江別市でバイオマス発電事業
 王子ホールディングスの100%子会社である王子グリーンリソースは、北海道江別市にバイオマスボイラーを設置し、発電事業を実施する。稼働開始は2015年7月の予定。投資額は約85億円。
 王子グループは、グループ資源を活用した資源環境ビジネスの拡大を目指しており、発電事業はその大きな柱の一つ。北海道ではすでに水力発電増強工事ならびに太陽光発電設備の設置を決定しており、今回のバイオマスボイラーはそれに続くもの。バイオマスボイラー設置は、静岡県富士市、宮崎県日南市に続く3基目。
 主燃料は北海道の山林未利用材を使用する計画で、燃料集荷に当たっては、王子グループの社有林や木材生産拠点を活用する。バイオマスボイラーで発電した電気は全量外部へ販売する計画。また、発電過程で発生する蒸気および温水の一部を、隣接する王子エフテックス江別工場に供給し、コジェネレーションを推進する。
 王子グループでは、「バイオマスボイラーの設置により、間伐材などの山林未利用資源の活用が進み、森林整備が促進されるとともに、地域林業の活性化にも貢献できる」と述べている。
 〔設置するボイラーの概要〕
 設置場所;王子エフテックス江別工場構内
 設備能力;▽ボイラー発生蒸気量:100T/h▽発電能力:25MW
 売 電 量;約150GWh/年(一般家庭4万戸分相当)
 売 上 高;約40億円/年
 使用燃料;未利用材などの木質バイオマス燃料など

(Future 2013年8月26日号)

三菱製紙/八戸工場に大判カッターを新設
 三菱製紙では、7月から八戸工場で、新設の大判カッターが営業運転を開始した。
 東日本大震災で被災した八戸工場は、2011年11月に生産設備全般の復旧を完了し、その後は競争力強化のため仕上設備への効率化投資を進めてきた。そして今年1月にはPPC仕上ラインの営業運転を開始、これに続いて大判 カッターが完成したもの。投資額は約11億円、生産(仕上)能力は約5,000t/月。これにより同社は、「第1次中期経営計画」の推進テーマの一つである「仕上げ設備効率化」を完了した。

(Future 2013年7月29日号)

丸三製紙/段原紙設備の更新工事を開始
 レンゴーの連結子会社、丸三製紙(本社:福島県南相馬市、三田計社長)は、かねて計画していたライナー抄紙設備の更新工事に着手した。
 丸三製紙はグループの東北地方における段ボール原紙の生産拠点として、現在ライナー用6号機、中芯原紙用7号機の2台で、月産約2万tの段原紙を生産している。しかし6号機は1973年の設置以降40年が経過して老朽化するとともに、2011年3月の東日本大震災でも被害を受け、環境面から最近ニーズが高まっている薄物化への対応も困難な状況となっている。
 そこで現在の市場ニーズに合致し、省エネ・省資源も考慮しながら品質の向上を図るため、6号機を更新することにしたもので、2015年1月の運転開始を予定している。この設備更新により丸三製紙の持続的な発展成長を目指すとともに、レンゴーグループの東日本地域における段原紙供給体制を充実させ、製紙−段ボールの一貫生産体制を強化する。
丸三製紙は東日本大震災と福島第一原発の事故により、震災直後から3ヵ月余り操業停止を余儀なくされたが、現在は従前通りの操業を行っている。今回の設備更新は、地元の南相馬市および福島県における継続的な産業振興と雇用の安定確保を通じ、地域の復興・再生にも大きく貢献できると期待されている。なお、この投資は「ふくしま産業復興企業立地補助金」の対象事業となっている。
 〔丸三製紙の概要〕<
 資 本 金;3億円
 主要株主;レンゴー(95.16%)
 事業内容;板紙(段原紙)、特殊紙(機能紙)の製造、加工、販売
 売 上 高;123億円(2013年3月期)
 従業員数;208名
 〔設備更新の概要〕
 名  称;8号抄紙機(設置後に6号機は停機)
 生産品種;段ボール原紙(ライナー)
 生 産 量;日産500t(最大)
 投 資 額;250億円
 稼働時期;2014年度中

(Future 2013年8月5日号)

日本紙パルプ商事/富士市で家庭紙工場の再開発に着手
 日本紙パルプ商事は、連結子会社のコアレックスグループを通じ、静岡県富士市で家庭紙工場の再開発に着手する。
 コアレックスグループは、北海道、神奈川県、静岡県、山梨県、ベトナムに製造拠点を持ち、古紙を原料とした再生家庭紙を生産している。静岡と山梨には複数の生産拠点があるが、既存の生産拠点を集約して保管・配送コストを削減するため、グループ会社が所有する工場跡地の再開発を行う。併せて、エネルギー効率の高い最新鋭設備を導入して製品品質の向上を図り、生産の効率化、環境負荷の低減も目指す。これに伴い、静岡県および山梨県内の既存生産拠点は順次閉鎖する予定。
 〔事業の概要〕
 事 業 名;信栄製紙 富士川工場(仮称)
 事 業 地;静岡県富士市中之郷
 敷地面積;約40,000u
 投 資 額;約100億円(土地除く)
 事業内容;再生トイレットペーパー・ティッシュの製造
 竣工予定;2015年3月

(Future 2013年7月29日号)

レンゴー/中国広東省の子会社2社の出資持分を売却
 レンゴーは、中国・広東省中山市の連結子会社、中山聯合鴻興造紙有限公司と中山聯興造紙有限公司(以下、「中山2社」)の出資持分の一部を、中山永発紙業有限公司(以下、「中山永発」)に譲渡する。7月31日付で譲渡契約を締結した。これにより中山2社は、レンゴーの連結子会社から持分法適用関連会社に変わる。なお同取引は中国商務部などの承認が条件であり、レンゴーは関係当局の承認が得られ次第、中山永発に譲渡するとしている。予定では2014年1月頃の見込み。
 中山2社は11年1月、レンゴーが増資引受けにより子会社化。両社とも段ボール原紙(ライナー、中芯)の製造販売を主事業とし、子会社化してからは設備改造、生産性向上などを進めてきた。レンゴーは両社に古紙を販売していた。しかし市況軟化の影響もあり、08年以降は赤字状態が続いた。そこに、中山永発の親会社で香港証券取引所に上場している正業國際控股有限公司(本社:英国領バミューダ諸島)から、中山2社への経営参加の打診があり、レンゴーは出資持分の過半数を譲渡することに決めたもの。なおレンゴーは、譲渡後も中山2社への出資は継続していく。
 譲渡内容は次の通り(@レンゴーの譲渡前の出資持分 A譲渡持分 B譲渡価額 C譲渡後の出資持分)。
◆中山聯合鴻興造紙…@62.764% A32.764% B5,020万7,000人民元 C30%
◆中山聯興造紙…@62.764% A32.764% B2,898万1,000人民元 C30%
<関係各社の概要>
【中山聯合鴻興造紙】
 設 立;1995年5月22日
 代表者;長谷川一郎董事長
 資本金;5,366万ドル
 出資者(譲渡前);レンゴー62.764%、LeMonde Inc.15.360%、鴻興印刷集団有限公司11.283%、中山鴻興印刷包装有限公司7.522%、鴻基投資顧問有限公司3.072%
 直近の業績(2012年12月期);売上高2億3,700万元(37億9,200万円)、営業利益△5,573万6,000元(△8億9,200万円)、経常利益△5,067万3,000元(△8億1,100万円)、当期純利益△5,067万3,000元(△8億1,100万円)
【中山聯興造紙】
 設 立;2000年8月16日
 代表者;長谷川一郎董事長
 資本金;2,738万ドル
 出資者(譲渡前);中山聯合鴻興造紙と同じ
 直近の業績(12年12月期);売上高2億6,345万3,000元(42億1,500万円)、営業利益△4,447万4,000元(△7億1,200万円)、経常利益△4,547万9,000元(△7億2,800万円)、当期純利益△4,547万9,000元(△7億2,800万円)
 【中山永発紙業】
 所在地;広東省中山市
 設 立;03年11月26日
 代表者;胡正董事長
 事業内容;段ボール原紙(中芯)の製造販売
 資本金;8,150万香港ドル
 出資者;正業國際有限公司100%(正業國際有限公司は正業國際控股有限公司の100%子会社)

(Future 2013年8月26日号)

王子ホールディングス/子会社の京都森紙業を吸収合併
 王子ホールディングスは10月1日付で、100%子会社の京都森紙業を吸収合併する。これに伴い京都森紙業は解散する。7月31日に合併契約を締結した。
 合併に伴う株式、合併交付金の交付はない。
 〔京都森紙業の概要〕
 本  店;京都府京都市南区西九条南田町61番地
 代 表 者;丸山純代取社長
 設  立;1940年8月
 事業内容;資産管理
 資 本 金;6,800万円
 直近の業績;経常利益9,900万円、当期純利益1億400万円(2013年3月期)

(Future 2013年8月26日号)

日本製紙/紙おむつリサイクルシステム構築で福岡県などに技術協力
 日本製紙は2013年度から、福岡県と福岡都市圏17自治体が連携して立ち上げた「福岡都市圏紙おむつリサイクルシステム検討委員会」に参画する。循環型社会の形成を促進するため、使用済み紙おむつの水溶化処理事業を手がけるトータルケア・システム梶i長武志社長、福岡市)とともに、新たなリサイクルシステム構築へ向けた技術協力を行うもの。
 わが国では高齢者人口の増加に伴い、特に大人用紙おむつの需要が拡大しており、12年の大人用紙おむつ生産量は約62億8,800万枚と、10年前に比べ約2.6倍に増えている。
 それに伴い、治体が回収する一般廃棄物に占める使用済み紙おむつの割合も、増加傾向をたどっている。そのため焼却や埋め立てといった廃棄物処理方法は、多くの自治体にとって負担が重くなりつつあり、全国規模での課題解決につながる取組みが求められるようになってきた。
日本製紙グループでは、連結子会社の日本製紙クレシア(南里泰徳社長)が大人用紙おむつの生産・販売をはじめ、社会のニーズに対応した各種衛生用品を提供している。今回の技術協力では、製紙事業において長年培ってきた古紙処理技術などの強みを生かし、コストの削減や再生パルプの高品質化と実用化へ向けた技術確立に取り組み、使用済み紙おむつのリサイクルシステムの構築を通じて、人々が安心して生活できる循環型社会の形成に貢献していくとしている。
 なおトータルケア・システムは、使用済み紙おむつから再生パルプを取り出すマテリアルリサイクルとしては、国内唯一のプラントを2005年に大牟田エコタウンに設置し、大牟田市内の病院などから排出される紙おむつをリサイクル、11年からは大木町の一般家庭にも回収対象を広げている。
 福岡県などが立ち上げた検討委員会では、このリサイクルシステムをより広域化して廃棄物の減量化と再資源化を進めるため、今後3年かけて多方面にわたり検討・議論する。

(Future 2013年8月5日号)

大王製紙/社員の育児支援制度を強化
 大王製紙は、社員の仕事と育児の両立支援を目的とした「GOO.N子育てサポートプログラム」を7月1日より導入し、社員育児支援制度をリニューアルした。
 同社では従来から、
 ○育児休業中の失効年次有給休暇の最大60日までの取得
 ○育児を目的とした小学校就学前までの短時間勤務
 ○ノー残業デー(定時退社)実施
などの育児支援を行っている。これに加えて今回、「GOO.N子育てサポートプログラム」を導入するもの。これにより、仕事と子育ての両立の不安や負担を軽減し、社員が長期的なキャリアを描ける環境づくりを支援していく。プログラムの詳細は次の通り。
 @マザーケアサービス(ベビーシッター)利用補助
 育児支援会社、潟}ザーネット(本社:大阪市)の育児・家事代行サービスを大王製紙社員が利用した際に、利用料金を補助する。マザーケアサービスの内容は、病気の子どものケア、保育園のお迎え、保育園や学校が休園・休校時の子どものケアなど。小学校低学年までの子どもを持つ女性社員が対象で、正社員、契約社員は問わない。
 A出産祝いプレゼント
 従来の出産祝金に加え、佐光正義社長からベビー用紙おむつ『GOO.N』特製オリジナルおむつケーキと、『GOO.N』製品(ベビー用紙おむつ、おしりふき)のプレゼントを開始する。
 B『GOO.N』製品の購入支援
 ベビー用紙おむつ使用中の子どもを持つ社員を対象に、ベビー用紙おむつとおしりふきの購入支援を行う。

(Future 2013年7月29日号)

日本製紙/Ethibel EXCELLENCEに選定される
 日本製紙は、ベルギーに拠点を置く、SRI(社会的責任投資)の推進団体、Forum Ethibelの投資ユニバースEthibel Investment Registerの「Ethibel EXCELLENCE」に選定された。
 このユニバースは、CSR(社会的責任)の実績が高い企業で構成されており、Forum Ethibelにより継続的に更新・モニタリングされている。「Ethibel EXCELLENCE」の選定に当たっては、人権、人材、環境、経営、ガバナンス、コミュニティへの影響のそれぞれについて調査がある。現在、選出されている企業は374社で、そのうち日本企業は65社。木材品と紙の業種では、日本製紙のほかに米国のIP社とWeyerhaeuser社、スウェーデンのHolmen社とSCA社、英国のMondi社、日本の北越紀州製紙が選出されている。
 欧米では年金運用を中心に優良企業に投資する動きが進んでおり、こうしたユニバースに組み込まれることは、企業としての優位性がより多くの投資家に認知されることにつながる。

(Future 2013年7月29日号)

トッパン・フォームズ/紙媒体の優位性を脳科学実験で確認
 トッパン・フォームズは、ダイレクトマーケティングの専門会社、ニューロ・テクニカと共同で、ダイレクトメール(DM)に関する脳科学実験を、国際医療福祉大学教授・中川雅文氏(医学博士)監修のもと実施した。
 この実験では、人がある特定の活動をする時に脳のどの部位が関わっているかを調べる「近赤外光イメージング装置」を使い、DMに接した時の脳の反応を測定。その結果、DMのメディアとしての特性や、他のメディアと比べた優位性など、これまで実証されなかったことが脳の生体反応レベルで判明した。
 同じ情報であっても紙媒体(反射光)とディスプレイ(透過光)では、脳は全く違う反応を示し、特に脳内の情報を理解しようとする箇所(前頭前皮質)の反応は、紙媒体の方が強かった。ディスプレイよりも紙媒体の方が情報を理解させるのに優れていることや、DMは連続的に同じテーマで送った方が深く理解されることなどが確認された。
 トッパンフォームズでは、今回のデータの分析を進め、そこから得られた知見を今後のダイレクトマーケティング戦略策定に活用していく予定。この実験結果は、同社が7月に名古屋で開催したプライベートショー「IDEA PREVIEW 2013」で紹介された。

(Future 2013年8月26日号)

日本製紙/台湾・永豊餘ケイマンの株式を売却
 日本製紙は、同社が保有する永豊餘英属蓋曼群島股〓有限公司(=永豊餘ケイマン)の全株式を、合弁相手である永豊餘投資控股股〓有限公司グループの永豊餘国際公司に売却する。売却額は1億1,500万j。永豊餘投資控股股〓有限公司は台湾最大の総合製紙グループで、永豊餘ケイマンはその板紙・段ボール事業を担っている。
 日本製紙は2010年3月、永豊餘グループとの戦略的業務提携に基づき、永豊餘ケイマンの株式を取得した。持株比率は日本製紙が20.35%、永豊餘国際公司が79.65%。永豊餘ケイマンは当時、事業拡大を目指して海外の株式市場への上場を計画していた。しかしその後、世界的に株式市場が低迷したため、当初予定した期間内での上場は困難と判断し、資本提携を解消することにしたもの。なお、永豊餘投資控股股〓有限公司との協力関係は継続していく。

(Future 2013年7月22日号)


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