リンテックと浜松ホトニクスはかねて、ステルスダイシング技術に対応した半導体・LED製造関連テープの開発プロジェクトを共同で進めていたが、これをさらに強化・加速していくことで、このほど合意した。12月1日から幕張メッセで開催された「SEMICON Japan 2010」で、リンテックがステルスダイシング用ダイシングテープの新規開発品を参考出展した。
浜松ホトニクスでは、ICチップやLEDの製造プロセスで円盤状のウェハを切断する新技術として、レーザーでウェハ内部に亀裂を形成し、エキスパンド(引っ張りによる拡張)によって切断・個片化するステルスダイシング技術を確立・提唱している。この技術は、通常のブレードダイシング(刃物による切断プロセス)と違って、水洗浄をしない完全ドライプロセスなので、チップへのダメージが少ない、あるいは切断くずが発生しないなどのメリットがある。このため業界では今後、パワーデバイス、メモリー、MEMS、LEDなど、次世代の薄型チップ製造プロセスに不可欠な技術になると予想されている。
リンテックは、浜松ホトニクスがステルスダイシングの技術を社外発表した当初から同社と連携し、専用テープの要求性能について精査するなど、共同開発を進めてきた。そして今回、新製品の基礎技術確立の目途が立ったことから、早期の製品化を図ることにしたもの。両社は今後、浜松ホトニクスの技術とリンテックの粘着剤処方技術などを融合し、特にハイスペックのICチップやLEDの量産プロセス構築を視野に入れたテープ製品の開発を強化していく。