業界ニュース

全段連/年末記者懇談会を開催
 全国段ボール工業組合連合会は12月9日、都内で年末恒例の記者懇談会を開催、理事・監事が全員出席したほか、日本紙加工産業労働組合協議会の代表も招かれた。
 会の冒頭、大坪清理事長(レンゴー社長)が2010年を振り返って「段ボールは他業界と比べれば、低位ではあるが安定していた1年だったのではないか」と前置きして、次のように挨拶した。
 「先ほどまで開催していた理事会ではトップの方々に、安定した収益が得られたのだから従業員へ少しでも多く利益を還元するよう、お願いした。本日は労組の方々もお招きしているが、前年比で見ればインカムは増えていると思う。ぜひ貯蓄に廻したりせず有効に使って、日本の消費を多少なりとも増やすことに貢献してほしい。
 10年の日本は、政治がふらついたため世界の中での地位がやや低下した観もあるが、こと段ボールに関して言えば回復基調に入ったと見てよいだろう。すなわち、わが国の段ボール生産量は07年にピークの139億uに達した後、08年に135億uとやや後退、09年は126億uと大きく落ち込んだが、10年は130億u台を回復する見通しで、11年についても前年比1%程度の伸びが想定されている。物流に即応して動くのが段ボールだから、この伸長は11年の日本経済がそれなりの成長を果たすことを意味する。
 一方、低位安定であっても段ボール産業がそれなりの収益を上げられるようになった背景には、業界の意識改革がある。互いに理解し合えるようになったことに加え、フルコスト主義に対する認識が深まった。われわれは、ともすれば“付加価値=利益”と考えがちで、これを推し進めると限界利益の思想に通じるが、付加価値の中にはいくつかのコストが含まれていることを忘れてはならない。その第一は人件費で、これが最も大きなウェイトを占める。第二は金融費用や株主への配当、第三は税金だ。これらを含めたフルコスト主義で経営を考えなければならない。
 11年は業界として、また個々の企業としてイノベーションを図る年になるのではないか。延期していた設備の更新を進めるのもイノベーションだし、やや停滞していた人事を活性化するのもイノベーションだ。そのような取組みを通じて、引き続き段ボール産業の社会的地位向上を図っていきたい」
 続いて大澤勝弘副理事長(浅野段ボール社長)が「来年5月30日、恒例の段ボール産業ゴルフ大会を愛知県の三芳カントリー倶楽部で開催する。1人でも多くの方に参加してほしい」と述べて乾杯の発声を行い、自由歓談に移行。最後に児島圭多朗副理事長(児島段ボール社長)が中締めを行い、お開きとなった。

(Future 2011年1月3日号)

日本製紙/業界最高峰の嵩高中質紙『フロンティタフ』を発売
 日本製紙は12月6日、中質紙の新製品『フロンティタフ』シリーズを発売した。
 『フロンティタフ』シリーズの特徴は、たっぷりとした紙厚と柔らかさ。従来品と同等の紙厚と印刷再現性を維持しながら業界最高峰の嵩高度合いを達成し、従来品を上回る軽量化を実現している。ページ数の多い作品でも開きやすく、一方ページ数の少ない作品ではボリューム感を出せる。
 品揃えは、白色度70%の『フロンティタフ70』、同75%の『フロンティタフ75』、80%の『フロンティタフ80』の3種類。『70』は、シリーズの中で最も嵩高でありながら、不透明度、インキ着肉性も重視した。『75』は紙厚、自然な白さ、不透明度、インキ着肉性をバランスよく設定している。また『80』は、メリハリのある白さに加え、若干の表面塗工を施すことで印刷再現性をさらに高めた。
 同社では、コミック用紙、書籍、雑誌などの本文用紙のほか、ワンポイントのアクセントページなど、紙の厚みと風合いのある印刷仕上がりを活かせる分野での採用に期待を寄せている。生産は石巻工場8号マシン。

(Future 2011年1月3日号)

リンテック/浜松ホトニクスと共同で半導体関連テープを開発
 リンテックと浜松ホトニクスはかねて、ステルスダイシング技術に対応した半導体・LED製造関連テープの開発プロジェクトを共同で進めていたが、これをさらに強化・加速していくことで、このほど合意した。12月1日から幕張メッセで開催された「SEMICON Japan 2010」で、リンテックがステルスダイシング用ダイシングテープの新規開発品を参考出展した。
 浜松ホトニクスでは、ICチップやLEDの製造プロセスで円盤状のウェハを切断する新技術として、レーザーでウェハ内部に亀裂を形成し、エキスパンド(引っ張りによる拡張)によって切断・個片化するステルスダイシング技術を確立・提唱している。この技術は、通常のブレードダイシング(刃物による切断プロセス)と違って、水洗浄をしない完全ドライプロセスなので、チップへのダメージが少ない、あるいは切断くずが発生しないなどのメリットがある。このため業界では今後、パワーデバイス、メモリー、MEMS、LEDなど、次世代の薄型チップ製造プロセスに不可欠な技術になると予想されている。
 リンテックは、浜松ホトニクスがステルスダイシングの技術を社外発表した当初から同社と連携し、専用テープの要求性能について精査するなど、共同開発を進めてきた。そして今回、新製品の基礎技術確立の目途が立ったことから、早期の製品化を図ることにしたもの。両社は今後、浜松ホトニクスの技術とリンテックの粘着剤処方技術などを融合し、特にハイスペックのICチップやLEDの量産プロセス構築を視野に入れたテープ製品の開発を強化していく。

(Future 2011年1月3日号)

中越パルプ工業/「木づかい運動」で感謝状を受賞
 中越パルプ工業は、特定非営利活動法人 活木活木(いきいき)森ネットワークより平成22年度「木づかい運動」農林水産大臣感謝状(国産材利用推進部門)を受賞した。
 同社は国産材、とくに間伐材を積極活用し,国産材活用印刷用紙“里山物語”や“レジーナ間伐材PPC”として製品化。これによりCO2吸収量の多い森林保全や山村の経済循環に貢献するとともに、国産材活用の意義を各種イベントなどを通じてPRしており、今回の受賞はこうした活動が評価されたもの。
 なお、「木づかい運動」とは京都議定書におけるCO2削減目標達成に向け、林野庁が05年度から取り組んでいる国産材利用に関する普及活動。

(紙パルプ技術タイムス2011年1月号)

平和紙業/カタログ・ポスター展で日印産連奨励賞を受賞
 平和紙業はこのほど、「平和紙業環境活動報告書2010年版」(印刷:大日本印刷)で、第52回全国カタログ・ポスター展の「カタログ部門日本印刷産業連合会奨励賞」を受賞した。
 平和紙業は、1999年に東京でISO14001の認証を取得、2000年には認証の登録範囲を全社に拡大し、これを機に2001年から環境活動報告書発刊している。
 なお、全国カタログ・ポスター展の受賞作品は、12月8〜10日の3日間、東京都立産業貿易センター浜松町館で展示公開された。

(Future 2011年1月3日号)

富士工業技術支援センター/試料断面作製セミナーを実施
 近年はアルゴンビームによるエッチングを利用した試料断面作製技術が進み、従来の機械研磨では困難だった紙など脆弱な材料でも短時間に精密な断面出しが可能となっているが、今回は日本電子・技術企画本部の菊地辰佳氏を講師に迎えて試料断面作製装置(日本電子SM-09020)の事例紹介と使用法が解説されたほか、装置の実演も行われた。
 なお、セミナーで取り上げた装置は平成22年度に富士工業技術支援センターが購入したもの。

(紙パルプ技術タイムス11年1月号)

紙の博物館/60周年記念最後の企画展を開催中
紙の博物館は創立60周年記念の最後の企画展として「時代紙万華?60年ごとにみる江戸から平成」を開催している(3月6日まで)。
同展は60周年にちなみ、60年の単位で江戸時代から現代まで、暮らしとともにあった紙を振り返るもの。紙の博物館では通常、展示を2人担当制で企画しているが、今回は特別に1時代を1人が担当し4人担当制でつくり上げたという.
 具体的には、@江戸時代(1830年);紙産業の発達と庶民への普及、紙の生産・流通の拡大、庶民文化の発信源、出版文化の興隆、庶民生活を支えた紙製品、A明治時代(1890年);日本洋紙業の黎明と和紙の全盛、洋紙の登場と発展、明治における生活と紙、輸出された和紙、B昭和時代(1950年);物資不足から大量消費時代へ、耐乏生活?戦後の子どもの遊びと紙、高度経済成長下の紙、C平成時代(2010年);現代の紙と地球環境問題、現在の紙事情、書く・包む・拭う紙、紙と環境問題、現代に生きる和紙、などを内容とし、それぞれの時代を象徴する作品・資料を展示している。

(紙パルプ技術タイムス11年1月号)

丸石製作所/韓国からスキッド包装機を受注
 丸石製作所は,韓国Moorim P&P社のマシン新設にともないストレッチスキッドおよびシュリンクスキッド包装機を受注した.
 丸石は韓国向けとして,フルシンクロ大判カッター2台,平判自動包装機5台をはじめバキュームリフターを含むロールストレージシステム,ストレッチフィルムロール包装機など多くの納入実績をもつ.
 受注した包装機は80パレット/hの能力をもち,製品寸法は流れ545?1,300mm,幅420〜1,000mm,高さ550〜1,700mm(パレット含む).フィルム仕様はトップフィルム80〜130μm,ストレッチフィルム20?25μm,シュリンクフィルム90〜150μm.

(紙パルプ技術タイムス11年1月号)

<< 前へ

次へ >>


Copyright © 2010 紙業タイムス社 テックタイムス. All Rights Reserved.