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紙パルプ産業と環境 2024 循環型の特性活かし持続可能な成長へ


 新型コロナウイルス感染症のパンデミックやロシアによるウクライナ侵攻など国際社会が大きな衝撃を相次いで受け、企業による国際的な経済活動は大きく制約されるようになりました。一方では地球温暖化や海洋汚染、SDGs(持続可能な開発目標)、プラスチック汚染対策などの取組みにも見られるように、世界における環境意識の高まりは一段と勢いを増し、新たな価値観による産業構造の再構築へと進みつつあります。企業が成長戦略を立てていくうえで転換点にあると捉えられており、そのなかで製紙業界は自然由来の資源による循環型産業としての利点を活かすことで、持続可能な社会の実現へ向け大きな役割を果たすと期待されています。
 わが国ではすでに業界を代表する日本製紙連合会が温暖化対策として2021年1月に「2050年の温室効果ガス排出を実質ゼロにする」という長期ビジョンを発表、SDGsへの貢献も22年3月「サステナビリティレポート2021」、23年5月にその2022年版を公開して具体的な方向性を示しました。また、プラスチック汚染対策に関しては製紙各社により“紙”や木質バイオマスをベースにしたプラ代替素材の開発が積極的に行われています。さらに早い時期から古紙利用や植林などに取り組んできた業界として、環境問題への対応を融合させた高度な資源循環システムを実現させつつあります。
 弊社は長年にわたり“紙”を中心に据えた出版活動に携わってきた立場から、毎年『紙パルプ産業と環境』シリーズとして環境問題に焦点を当てた出版物を刊行していますが、今年の2024年版では『循環型の特性活かし持続可能な成長へ~期待されるSDGsでの更なる役割~』と題し、紙パルプ産業における環境対応の現状を総合的に概観するとともに企業個々の事例を紹介、今後の展望なども探ります。業界内に限らず関連他産業の企業をはじめ一般消費者、市民運動団体、官庁・公共機関など広範な対象の方々が紙パの実情に対する理解を深めるための有益な1冊として構成・編集しています。

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