KPPグループHD/完全NON-FIT型電源開発事業に参画
KPPグループホールディングスの連結子会社であるBMエコモは、日本アジア投資㈱、長谷工コーポレーション、㈱レクスポート、JA三井リースとともに、パワーエイド三重合同会社(三重県松阪市)が行う「完全NON-FIT型木材・製造業生産副産物ハイブリッド燃料による脱炭素電源開発事業」に参画した。
太陽光などの再生可能エネルギーで発電した電気を、電力会社が一定価格で一定期間買い取ることを国が約束する制度であるFIT制度が、再エネ賦課金による国民負担などの問題を抱える一方、国民負担に依存しないのが、パワーエイド三重が進める“完全NON-FIT型”の電源構築。
パワーエイド三重では、松阪市のウッドピア松阪内に、2025年1月の商業運転開始を目指して発電所を建設する計画で、同発電所では、ホクト㈱(三重県多気町)の「三重きのこセンター」から排出される廃菌床と、中部圏から排出されるリサイクル木材チップおよびプラスチック系資源を燃料として発電した電力を、燃料提供元であるホクトに供給していく。発電規模は1,990kW、年間想定発電量は約1,647万kWhで、これにより、多気町の廃棄物処理業務の負担を低減しつつ、地域の資源・エネルギー循環に貢献する。
BMエコモは、すでにKPPグループの既存顧客の各事業所で排出される木質系廃棄物や食品系(特に飲料類)の難処理バイオマスを燃料として調達している実績がある。今回の事業では、年間数万tのバイオマス燃料を供給する予定で、また、BMエコモのプラント管理高度化IoTプラットフォーム「BMecomo」を活用し、プラント耐用年数の底上げや管理ノウハウの次世代への承継を支援、数十年にわたるベース電源の供給実現を目指す。
KPPグループは、今まで活用が難しかった食品系副産物などを燃料として活用することで、エネルギー自給率の向上を推進し、廃棄物削減、循環型経済および脱炭素社会の実現に貢献すると同時に、同事業で得られる知見をもとに、自社発電所の運用や、さまざまな企業との脱炭素電源開発の可能性についても検討していく考え。
(FUTURE 2023年4月17日号)