KPPグループホールディングス/欧州で買収を加速
KPPグループホールディングス(=KPP-GH)の連結子会社で、フランス・パリに本社を置くAntalisは事業会社を通じ、欧州で紙関連企業の買収を加速させている。このほど、ポーランド、チェコ、スペインでの買収と事業譲受を発表した。
まず中欧地域では、Antalisの事業会社、Antalis Poland Spolka Z.o.o.(ポーランド・ワルシャワ)が、広告・装飾・パッケージングに関する技術・材料および建材の販売会社「Integart Sp.zo.o.」(ポーランド・ミエンキニャ)と、産業用デジタル印刷技術の販売会社である「Smart LFP IBMT Sp.zo.o.Sp.k.」、「Smart LFP Sp.zo.o.」(いずれもポーランド・カトヴィツェ)の全株式を取得し、子会社化する。またAntalisの事業会社、Antalis sro(チェコ・プラハ)が、「Integart CZ s.r.o.」(チェコ・チェストリツェ)の広告・装飾に関する技術および資材の販売事業を譲り受ける。
これらの会社は、ドイツ、チェコ国境に近いポーランド南西部に拠点を置き、本社のほかにポーランド全土に16拠点、チェコに2拠点、スロバキアに1拠点を持つ。ビジュアルコミュニケーション事業を展開しており、主な取扱商品は、LFP(メディア)、ハードウエア、プラスチック・シートで、ポーランド市場ではLFPが第2位、ハードウエアの取扱いは第1位と、市場のリーダー的存在になっている。また自社ブランドも立ち上げるなど、充実した商品ラインアップを誇る。Antalisはこれらの買収と事業譲受により、ポーランド市場でAntalisのビジュアルコミュニケーション事業のプレゼンスが高まること、ハードウエアの取扱いが確固となること、戦略的サプライヤーとの関係が強固になることなどを見込んでいる。なお、株式取得および事業譲受の成立は、ポーランドの競争・消費者保護庁による許認可取得が要件となっている。
またスペインでは、Antalisの事業会社、Antalis Iberia S.A.(スペイン・マドリード)が、「Embalajes Gosuma S.L.」(スペイン・ブルゴス)の産業用パッケージ(段ボール箱、プラスチック容器、ポリエチレン、粘着テープ、機械などのパッケージ製品)の販売事業を譲り受けた。
Embalajes Gosuma S.L.は、主に自動車業界や食品・医薬品業界向けに産業用パッケージを販売しており、製品に関する幅広い専門知識を持つ。スペイン北部のバスク地方ブルゴスに位置し、フランス国境に近いスペイン東部をカバーしているので、イベリア地域でのAntalisのパッケージ事業拡大が期待できる。
(FUTURE 2023年5月22日号)