紙パルプ技術協会/第75回定時総会で理事長に日本製紙の福島副社長を選出
紙パルプ技術協会は7月15日、東京・銀座の紙パルプ会館で「第75回定時総会」を開催した。今回は昨年の定時総会同様、新型コロナウイルス感染拡大防止のためマスクを着用し座席の間隔を開けるなど万全の対策を講じて実施され、出席者も限られた数の下で執り行われた、
当日の総会は委任状を含め251名以上の定足数を満たす参加者数によって成立。福井照信専務理事の司会進行でスタートし、進藤富三雄理事長(王子ホールホールディングス・取締役、専務グループ経営委員)が開会挨拶を述べた後、引き続き会則により進藤理事長が議長を務め、2021年度事業、同収支決算書・貸借対照表および財産目録の議案について満場一致で承認。次いで同協会役員の改選が行われ、新理事長に福島一守氏(日本製紙・代表取締役副社長兼副社長執行役員)を選出するとともに、副理事長には海老原洋氏(レンゴー・専務執行役員[上席])、要堺由隆氏(中越パルプ工業・取締役常務執行役員、生産本部長)が就任、福井専務理事は再任となった。
当日の定時総会において各議案が満場一致で承認され役員選出が終了した後、引き続き同会場で三賞(藤原賞、大川賞、佐伯賞)の表彰式が執り行われた。この三賞は故・藤原銀次郎(1869 ~1960年)、故・大川平三郎(1860 ~ 1936年)、故・佐伯勝太郎(1870 ~ 1934年)の3氏が紙パルプ産業で残した偉大な功績を記念し、会社・工場経営、機械技術および化学技術の分野で著しく貢献した人を表彰するもの。2022年度における各賞の受賞者は、藤原賞:加来正年氏(王子ホールディングス・代表取締役会長)、大川賞:石田浩一氏(王子エンジニアリング・顧問、元王子ホールディングス・取締役常務グループ経営委員)、佐伯賞:音羽徹氏(日本製紙専任アドバイザー、元日本製紙常務執行役員)であった。
当日は佐々木賞と紙パルプ技術協会賞の受賞技術も発表されたが、表彰式については10月5日、第65回年次大会の会場(千葉市・幕張メッセ)で行われる予定になっている。佐々木賞は、IHIフォイトペーパーテクノロジー:インテンサマックスによるデトラッシング技術、アンドリッツ:難処理損紙用マシンパルパー Fiber Solve パルパー FSV(U)C型、日本製紙ユニテック:オンラインダート観測装置(Open-K-DO)の3社、紙パルプ技術協会賞は、研究報文「難リサイクル性印刷物の新規判別法の開発とその運用」小泉博比古、渕瀬(福岡)萌、乙幡隆範、後藤至誠の4氏(日本製紙)、研究報文「水性塗料配合用セルロースナノファイバー原料の調製─ ソーダ・アントラキノン蒸解と過酢酸漂白の適用─」真柄謙吾、戸川英二、久保智史、下川知子の4氏(森林研究・整備機構)であった。
(詳細は紙パルプ技術タイムス2022年9月号で)