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王子ホールディングス/木質由来ポリ乳酸合成をベンチプラント規模で成功NEW


 王子ホールディングスは、東京・江戸川区の拠点内に新設したポリ乳酸のベンチプラント(規模:500㎏/年)で、世界初となるベンチプラント規模での「木質由来ポリ乳酸」の合成に成功した。
 ポリ乳酸は代表的なバイオマスプラスチックであり、食品用容器・フィルムなどの包装材をはじめ幅広い用途に利用拡大が見込まれている。また、再生可能で非可食の木材を原料とするバイオマスプラスチックの普及は、脱炭素はもちろん世界的に懸念される食糧不足の解消につながるとの期待値も高い。
 王子HDは今後、同設備を活用しながら製造条件を最適化し、並行してサンプルワークを進めて社会実装に向けた取組みを加速させる。また、紙ラミネート用途やフィルム用途など、グループ内での活用を見据えた技術開発も進める。

 CNF×天然ゴム複合材の量産試作設備を導入

 王子ホールディングスはこのほど、セルロースナノファイバー(=CNF)×天然ゴムの複合材のマスターバッチ製造設備(生産能力約100t/年)をCNF創造センター内に導入した。同社はかねて、リン酸エステル化CNFと天然ゴムの複合材を開発してサンプル提供を行っていたが、今後はマスターバッチを量産試作し、社会実装に向けた実証試験を加速させる。
 王子HDが開発した複合材は、天然ゴムの特徴である伸びを損なわずに、カーボンブラック配合並みの硬さも持つバイオ素材。同社ではこの特徴を活かし、タイヤ、防振ゴム、ベルト、ホースなどの自動車用ゴム製品のほか、建築用、家庭用、医療用ゴム製品などさまざまな用途への展開を期待している。

(FUTURE 2024年6月3日号)

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