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王子グループ/木質由来エタノール・糖液のパイロット製造設備を導入


 王子製紙は、2024年度後半の稼働を目途に、米子工場に木質由来エタノール・糖液のパイロット製造設備を導入する。
 同社は「木質由来の新素材」の開発を進める中でも、特に航空業界向けSAF(持続可能な航空燃料)や、基礎化学品製造に利用できる 「木質由来エタノール」、 バイオものづくりの基幹原料となる「木質由来糖液」のニーズ拡大を見込んでいる。木質由来エタノールについてはNEDOプロジェクトで製造技術を磨き、また糖液についても、糖化酵素の回収を含む技術の開発に成功し、サンプルワークを通して多くのユーザーから評価を得ている。
 同社では、今回のパイロット製造設備導入により、実用化を見据えたユーザー向けに大量のエタノール糖液を提供するとともに、継続的に技術改良を行い、事業化に向けた取組みを加速させる考え。製紙工場内への設置により、既存のパルプ製造ラインが活用できるほか、工程から副産物として得られるリグニンをバイオマスエネルギーとして利用可能なことから、CO2発生量を抑えたエタノール製造、糖液製造も期待できる。将来的には、2030年に10万のエタノール供給を目指す。
 【パイロット設備計画の概要】▽能力:①木質由来エタノール⇒最大1,000/年(重量換算820t/年) ②木質由来糖液⇒最大3,000t/年(糖の乾燥重量)▽原料使用量:木材チップとして約6,000t/年、木材パルプとして約3,000t/年

(FUTURE 2023年5月29日号)

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