王子グループ/ホタテ貝殻由来の抗菌シートを開発
王子キノクロスと王子ホールディングスはこのほど、水に濡らすと優れた抗菌効果を発揮する、ホタテ貝殻由来成分配合の抗菌シートを開発した。王子キノクロスが、『ぬらすと!』の製品名で工業用巻取り原反として製造・販売する。
王子キノクロスは、ホタテ貝殻を焼成すると得られる抗菌効果に着目し、かねて商品化を研究していた。そして今回、独自技術のTDSプロセス(水を一切使用しない乾式不織布製法のエアレイド法の一つ)によって、高い抗菌性をもつシートの開発に成功したもの。使用される抗菌成分は、食品添加物に利用される貝殻焼成物と同じもので、天然由来でありながら、食中毒菌、ノロウィルス、真菌(カビ)など、身の回りの細菌からウィルスまで幅広い抗菌効果を発揮する。また、水に触れない限り効果は失われないため長期保存が可能、乾燥シートなので軽量で持ち運びに便利といった特長もある。さらに、塩素系薬剤と同じ効果を発揮しつつ非塩素系成分なので金属腐食性がなく、ニオイもないため広範囲に使用できるなどの利点もある。さまざまな除菌シーンへの展開が可能であり、同社では主に次のような用途を想定している。
・水に濡らして使用する除菌用ワイパー
病院内や介護・公共施設(保育園・図書館)・食品加工所・スポーツジムなどで使用する除菌用ワイパーや、吐瀉物処理後のワイピングシート
・水に濡らさずそのまま使用する雑菌繁殖防止シート
生ゴミなどのゴミ箱へそのまま投入し、雑菌による悪臭発生を防止
(Future 2016年5月16日号)