日本製紙/CNF蓄電体のLED点灯検証に成功
日本製紙はセルロースナノファイバー(CNF)による蓄電体開発に向け、学術実験以外では世界で初めて、CNF蓄電体のLED点灯検証に成功した。
CNFの製品開発において同社では、TEMPO酸化CNF(工業用途全般)、金属イオン担持変性セルロース(紙製品・不織布など)、カルボキシメチル化CNF(食品・化粧品など)、CNF強化樹脂(自動車、家電などの構造材料)の4タイプをラインアップし、用途開発に取り組んでいる。中でも、東北大学と共同研究しているCNFの蓄電性については、今年3月に東北大学が「アモルファスセルロースナノファイバーを利用して創成した物理的高性能電子吸着体の発見」として公表し、現在両者で国際特許を申請中。
CNF蓄電デバイスは既存の電気化学的蓄電池と比べて、
①電流長時間充電法でなく高電圧短時間充電法である
②劣化しにくく、リサイクル性が高い
③化学反応を使わず安全性が高い
などの優位性が期待されている。
現在、日本製紙はこの蓄電デバイスの開発に向けCNF蓄電膜の製造プロセスの開発を進めており、今回の検証はその取組みの一環。
(FUTURE2022年1月3 日号)