日本製紙/研究開発の一部を東京・王子から富士市へ
日本製紙は2017年下期から、研究開発の一部を静岡県富士市の富士工場敷地内に移転する。これまでは東京・北区の王子地区に研究開発本部を置き、機能を集中させることで効率的な研究開発を行ってきたが、グループの競争力向上につながる技術開発を迅速に進めていく観点から、体制を再編するもの。
現研究開発本部の機能のうち、移転の対象となるのは次の通り。
(1) 総合研究所の一部機能
近年、特に新聞・印刷用紙をはじめとする洋紙は構造的な需要縮小が続いており、最適な生産システム構築を意識した技術開発が求められるようになってきている。富士地区は、富士工場に加え、その近隣にはグループ会社の工場が多数あり、生産現場との連携を図るには適地であることから、総合研究所の一部機能を移転する。
(2) CNF研究所
日本製紙は10月から、CNF事業推進室を「CNF研究所」と「新素材販売推進室」に分けて新体制にしたが、その中で、CNFの用途開発については、より実機に近いスケールの設備で課題を抽出しながら技術開発していく必要が出てきたことから、場所の拡張性を確保でき、関東や中部の大都市圏に近い富士工場の敷地内に、その機能を移転する。同社では、「静岡県と富士市がCNF実用化を進めていく体制を整えている観点からも、CNF研究拠点の富士工場への移転はメリットがある」としている。
(Future 2017年1月16日号)