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日本製紙/バイオマス灰由来肥料の供給体制を確立


 日本製紙はこのほど、勇払バイオマス発電所と八代工場N1バイオマス発電設備で発生する燃焼灰(バイオマス灰)由来の肥料を、本格的に販売開始した。農林水産省が運営する「国内肥料資源マッチングサイト」を活用し、肥料製造会社や肥料利用者へのサンプルワークを進めていく。
木質チップなどを燃料とするバイオマス灰は、カリウムなどの肥料成分が含まれており、また日本は肥料成分の多くを輸入に依存していることから、安定供給できる国産資源として肥料原料への利用が期待されている。
 特に勇払バイオマス発電所は、日本製紙と双日が共同で設立し、2023年2月から営業運転を開始した国内最大級のバイオマス専焼発電所。燃料として海外から調達する木質チップとPKS(パームヤシ殻)のほか、北海道内で発生する林地残材などの未利用木材を常時集荷しているため、肥料を安定的に大量供給できる。一方、八代工場N1バイオマス発電設備は、15年6月から営業運転を開始した設備で、国産の間伐材由来などの木質バイオマスチップ100%を燃料としている。
 日本製紙は18年から、八代工場で発生したバイオマス灰の一部を、試験的に特殊肥料として販売。その結果が良好だったため、23年7月にバイオマス灰の全量(300t/年)を肥料化できる供給体制を確立した。そして同年10月、勇払のバイオマス灰について、肥料法が定める副産肥料の登録を受け、5,000t/年の供給体制を確立した。この八代・勇払合わせて5,300t/年の供給体制を基盤に、本格販売を開始するもの。

(FUTURE 2024年2月12日号)

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