日本製紙連合会/古紙パルプ等配合率検証制度などをフォローアップ調査
日本製紙連合会・品質保証委員会は「古紙パルプ等配合率検証制度」および「再生紙の表示方法」について第10回フォローアップ調査を実施し、このほど調査結果を取りまとめた。
対象期間は2015年7月1日から16年6月30日までで、会員33社のうち31社より回答を得た。概要は以下の通り。
(1) 「古紙パルプ等配合率検証制度」および「再生紙の表示方法」の運用状況
・古紙パルプ等配合率検証制度および再生紙の表示方法は問題なく運用され、需要家から指摘されている問題点はなかった。
・直接取引先による立入監査は16社75件(前回調査;17社61件)であった。
・社内内部監査を再生紙製造企業では全社が実施、第三者機関による監査については、再生紙製造企業の3分の2が受けている状況に変化はなかった。
(2) コンプライアンスへの取組み
① 社内コンプライアンス体制の強化、研修・教育の実施
体制、組織の見直し・改善等では
・コンプライアンス委員会の下部組織3部会からの報告を削減し、部会で解決できない問題を中心に今後の方向性等を審議する時間を増やすことに変更
・3交替作業者に対して安全懇談会(1回/月)でコンプライアンス講習を実施
・コンプライアンス委員会の委員および下部組織を見直し、よりリスクの属性に応じた具体的な実効策を審議・決定・推進することで、実効性の高いリスク管理が行える体制に変更
・コンプライアンス室と内部統制監査室を統合してグループ統制管理室を設置し、各職場、グルーブ会社のコンプライアンスに関わる業務を実施
・ガバナンス強化のため、事務局構成の見直しを実施
などの回答があった。
また、3分の2の企業でコンプライアンスに関わる研修・教育が行われていた。
② 受注体制、生産管理体制および情報開示等に関する見直しなどの報告はなかった。
(3) 古紙配合率問題全般についての意見
・古紙配合率問題を風化させないために、今後も内部監査等で注意喚起とチェックを実施していく
・何が何でも古紙配合率を高めることがエコである、といった単純な認識や先入観を払拭すべきである
(紙パルプ技術タイムス2016年9月号)