トップページ > 業界ニュース > 日本製紙ユニテック/簡単設置で低価格の設備監視システムを開発

日本製紙ユニテック/簡単設置で低価格の設備監視システムを開発


 日本製紙グループのエンジニアリング事業会社、日本製紙ユニテックはこのほど、製造設備など稼働中の機械装置を無線センサーで常時監視し異常予兆を知らせる『e-無線巡回』を開発した。
 『e-無線巡回』は、同社が設備保全を手がける中で、「簡素に多くの機械装置を監視できる低価格なシステムが欲しい」という製造現場のニーズを吸い上げて独自開発したシステム。従来の設備異常予兆は、人が現場を巡回し、異常を発見する方法が中心で、巡回者の経験や勘という、数値化できない技術・技能に依存してきた。しかし『e-無線巡回』は、稼働中の機械装置の「温度・振動加速度」データを蓄積し、数値データで傾向監視できるので、設備に異常傾向が見られたら、適切な対処で設備トラブルを未然に防ぐことができる。
 同システムは、モーターなどの機械装置に取り付けるセンサー付の「子機」、子機が取得したデータを蓄積する「親機」、親機のデータを管理する「ソフトウェア」で構成。より多くの機械装置に取り付けられるようにするため、必要な機能を限定することで低価格に設計でき、かつ無線式・電池式なので設置工事不要で簡便に取り付けられる。また、「親機」1台あたりに接続できる「子機」が最大500台と拡張性に富むほか、「子機」に付属するセンサーの取り付けもマグネット式とネジ込み式の選択が可能で、手軽に設置できる。
 日本製紙は2015年に北海道工場白老事業所で『e-無線巡回』を稼働させ、製造現場のデータ集積とIoTの基盤づくりを開始。「今後は、国内すべての工場に導入を進め、IoTを推進していくとともに、外部販売も展開する」としている。

(Future 2017年8月7 日号)

ページのTOPへ