日本製紙グループ/『SchoolPOP』の生産拠点を3工場に拡大
日本製紙グループは、ストローがいらない学校給食用牛乳パック『SchoolPOP』の生産体制を拡大する。これまで日本製紙リキッドパッケージプロダクトの石岡事業所(茨城県)と三木事業所(兵庫県)の2拠点で生産してきたが、新たに同社江川事業所(茨城県)でも生産体制を整備し、2022年2月から3拠点での供給体制とする。
『SchoolPOP』は、昨年の製品開発発表後、“脱プラスチックとコスト削減を同時に実現できる容器”として高知県で採用が決定し、今年7月には北九州市と鹿児島県でも学校給食用牛乳用パックとして採用が決まった。
北九州市では10月を目途にモデル校でのテスト運用を実施し、22年4月から本格的に供給を開始する予定で、鹿児島県も薩摩半島エリアでの採用が決まり、今秋以降に供給が開始される。北九州市の学校給食用牛乳は1日当たり75,000本(198校)、年間約1,500万本にのぼり、これが『SchoolPOP』に切り替わると、削減されるプラスチックストローは年間約7,000㎏となる。また薩摩半島エリアでは、1日45,000本(220校)、年間約850万本の供給量から計算すると、年間4,250㎏のストロー削減となる。
日本製紙によれば、『SchoolPOP』については乳業メーカーからの問合せに加えて地方自治体や教育委員会、環境関連NPOなどからの反響も大きいという。これまでの採用事例に加えて、すでにいくつかの地域で採用が内定しており、同社は数量の拡大を見込んでいる。今回の生産強化により、日本全国の学校給食用牛乳パック(約14億パック/年)の全量を供給できる体制を整える計画で、また、複数の生産拠点を整備することで、包材供給体制のBCP(事業継続計画)を実現する。
(FUTURE2021年7月26 日号)