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日本製紙、特種東海製紙/日本東海インダストリアルペーパーサプライ設立披露


 日本製紙と特種東海製紙は昨年、厳しい事業環境が続く産業用紙分野における事業提携で合意。今年4月には段ボール原紙およびクラフト紙事業の強化を図るため、特種東海製紙・島田工場を分社化して、両社の共同出資による新たな製造会社を設立するとともに、両社の販売機能を統合して同じく共同出資の販売会社を立ち上げるという提携スキームを決定した。製造会社への出資比率は特種東海65%/日本製紙35%、販売会社への出資比率は日本製紙65%/特種東海35%。

 その後、製造会社は「新東海製紙㈱」、販売会社は「日本東海インダストリアルペーパーサプライ㈱」と社名も正式に決まり、この10月1日から新体制がスタートしている。
 これを記念して販売会社の日本東海インダストリアルペーパーサプライ(NTI)は10月11日、東京都内のホテルに段ボール、製袋加工、紙流通などの取引先約250名を招き、設立披露パーティーを執り行った。

 冒頭、主催者を代表して武藤悟・NTI社長(写真)が挨拶した後、NTIの役員・幹部が壇上で紹介された。続いて馬城文雄・日本製紙社長の発声で乾杯、定刻すぎまで自由歓談が続くうち、中締めの挨拶に立った松田裕司・特種東海製紙社長の音頭で全員が「エイ・エイ・オー!」の勝ちどきを挙げ、新会社の前途を祝した。
以下、武藤社長の挨拶要旨である。

 

 本社の人間の顔が見える営業に徹する

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 当社は産業用紙の営業に精通したプロ集団としてマーケットインの販売姿勢を貫き、皆様から選ばれる会社になることを経営方針とする。そして、それを実現するには以下に述べる三つの要素が必要だ。
(1)われわれが皆様にとって今まで以上に身近な存在になること。
日々のコミュニケーションをベースに相互の信頼関係を構築し、さまざまな提案をさせていただく。また全国 ネットの販売体制のもと、地方においては従前にも増して本社からのフォロー体制を敷き、私以下、本社の人間の顔が見える営業に徹したい。
 (2)業界№1の品質をはじめとした商品力を持つこと。
 具体的には日本製紙・秋田工場、新東海製紙・島田工場からの自製NUKPによる高品質Kライナーの供給体制を今まで以上に整備していく。また昨今の大きな流れである、段ボールの軽量化ニーズに対応した薄物原紙の品ぞろえは今も業界のトップクラスだが、さらに拡充していきたい。加えて主にナショナルエンドユーザーへの対応として、全工場におけるFSC森林認証の早期取得を目指す。そして、工場立地の優位性を活かした即納体制に磨きをかける。
 (3)業界№1のコスト競争力を構築すること。
 今回の事業提携に当たり、日本製紙から新東海製紙に対し35%の持分に相当する出資金として約63億円を払い込むが、この全額はコストダウン対策に充当される。折よく島田工場では来年1月に2基めのバイオマスボイラーが稼働、これにより工場のコスト競争力は一段と高まる。

 当社の強みは日産1,000t超のKライナーマシンを備えた工場が秋田、吉永、島田、大竹と4ヵ所あること。さらにKライナーの原料となるNUKPを自製する段原紙工場は日本に3ヵ所しかないが、そのうち2ヵ所が秋田工場と島田工場だ。KP製造時に発生する黒液を燃料としたバイオマス発電は、工場のエネルギーコスト削減に大きく貢献している。
 当社は79名の人員で発足したが、間接部門は1人もいない。販売に徹するため、間接部門はすべて親会社に業務委託している。スリムな組織で、私以下の営業部隊が走り回る会社にしたいと考えている。これまで以上のサービス向上に努め、皆様方から信頼される販売会社を目指すので、倍旧のお引き立てをよろしくお願い申し上げる。

(Future 2016年10月24日号)

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