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大王製紙/三島工場のバイオマス発電設備が完成


 大王製紙はこのほど、三島工場でバイオマス発電設備(写真)の新設工事が完了し、再生可能エネルギー固定価格買取制度(FIT制度)を利用した電力販売を開始した。投資額は約220億円、電力販売の売上高は年間約70億円を見込んでいる。

 三島工場(愛媛県四国中央市)では、これまでもクラフトパルプ製造工程で発生するパルプ廃液(黒液)を黒液回収ボイラーで燃焼させ、エネルギーとして活用するバイオマス発電を行ってきた。今回の発電事業は、新たに黒液回収ボイラーを建設し、これまでのノウハウを活かして発電した電力を電力会社に販売するもの。

 新たに導入した黒液回収ボイラーは、既存設備と比較して効率が5%改善し、年間25,000tのCO2排出量削減(一般家庭の約7,200世帯分に相当)が可能。四国地方における電力需要の再生可能エネルギー比率向上にもつながる。設備能力は、黒液回収ボイラー蒸発量248t/時、 蒸気タービン発電量62,920kW。なお投資資金の一部は、2015年9月に発行した2020年満期ユーロ円建転換社債型新株予約権付社債と2018年10月に発行したグリーンボンドを活用した。

 大王製紙グループは、建築廃材を主燃料とするバイオマス発電設備を稼働しているほか、可児工場(岐阜県可児市)での重油からLNGへの燃料転換など、さまざまな環境対策を進めてきた。今後も、三島工場でのバイオガス製造設備新設(10月稼動予定)など、再生可能エネルギーの有効利用を継続していく。

 

(FUTURE 2020年7月27日号)

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