大王製紙/ペット用品製造会社を買収
大王製紙は、ペット用品製造会社の㈱大貴(東京)の全株式を取得し、10月3日付で子会社化する。
大貴は国内の主要ペット用品メーカー向けに、主に紙製の猫砂をOEM供給しており、紙製猫砂市場では同社製品が約4割のシェアを占める。製品原料にはメーカーで規格外となった紙おむつ、壁紙、パルプ系不織布などのリサイクル原料を活用しつつ、高品質な紙製猫砂を製造しており、高度化・多様化するニーズに合わせた製品開発とコスト競争力に強みを持つ。工場は2ヵ所あり、東日本は栃木県の真岡工場から、西日本は香川県の四国工場から製品を供給している。
一方、大王グループは「大王グループ サステナビリティ・ビジョン」を策定し、使用済み紙おむつのリサイクルに関する共同研究にも着手するなど、社会課題の解決に取り組んできた。衛生用紙、紙おむつなどの製造過程で発生する生産ロスについては、その多くを原料工程まで戻して製品化する一方、再利用が難しい部分はリサイクル原料として外販、もしくは自社ボイラーの燃料として利用していた。この生産ロスが、大貴の子会社化により、グループ内で完結する形でマテリアルリサイクル可能となり、また、紙製猫砂の製造販売は収益力強化にもつながる。さらに大王製紙では、使用済み紙おむつのリサイクル事業で分離・回収したパルプ・ポリマーの、紙製猫砂への活用も目指す考え。
〔大貴の概要〕
所 在 地:東京都港区
事業内容:ペット用品、紙加工品等の開発および製造販売/リサイクル商品、産業廃棄物の再生処理業/新商品の企画・開発、製造・販売
創 業:1986年
業 績:売上高27億1,300万円、営業利益1億5,200万円(2022年4月期)
(FUTURE 2022年9月5日号)