北越コーポレーション/家庭紙事業の開始とRO膜支持体事業拡大を決定
北越コーポレーションは新潟工場に家庭紙生産設備を新設する。また、タイに子会社を設立して逆浸透膜(RO膜)支持体の生産工場を建設する。生産開始予定はいずれも2023年12月。
北越コーポレーションは現在、洋紙の需要減少に対応した事業ポートフォリオの転換に取り組んでおり、昨年4月には改造した洋紙マシンで段ボール原紙の生産を開始したほか、洋紙マシンの集約などを進めている。また、こうした既存洋紙事業の再構築と平行して新規成長分野への事業拡大も行う考えで、その一環として、安定した需要がある生活必需品の家庭紙や、工業発展などに伴って需要が増加するRO膜支持体のような事業を拡大させる。
まず家庭紙事業では、大量消費地である関東圏に近い新潟工場に、長年培ってきた高品質・低コスト・高効率操業の知見と技術を活かし、家庭紙の生産設備を新設。生産する製品の70%以上をCO2ゼロ・エネルギーで製造する。
〔設備の概要〕
設備投資内容:抄紙設備、加工設備、製品倉庫など
生産品種:トイレットペーパー、ティシュ、ペーパータオルなど
生産能力:25,000t/年
設備投資予定額:約150億円
またRO膜エレメントについては、衛生環境の向上、工業の発展、人口増加などに伴い、工業用水処理や海水淡水化用途、下水・排水の再利用用途、民生用では浄水器など、さまざまな用途で需要が増加しており、それに伴いRO膜支持体の需要も拡大していることから、長年生産してきた長岡工場で培った技術を活かし、新たにタイでRO膜支持体の工場を建設するもの。拡大する世界需要に応えるグローバルな供給体制を、長岡工場とタイ工場で確立する。
〔工場の概要〕
子会社名称:HOKUETSU CORPORATION(THAILAND), LTD. (仮称)
設備投資内容:建物、抄紙設備、加工設備など
生産品種:RO膜支持体
生産能力:5,000t/年
設備投資予定額:約60億円
(FUTURE2021年6月14 日号)