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北越コーポレーション/「紙の人工衛星プロジェクト」に参画


 北越コーポレーションは、京都を拠点に超小型人工衛星を開発しているベンチャー企業、テラスペース㈱が進める、「紙の人工衛星プロジェクト」への参加を決めた。
 同プロジェクトでは、紙で人工衛星を制作するという最終目標に向け、第一歩としてテラスペース製超小型人工衛星の初号機となる「TATARA-1」の衛星外壁の一部に、北越コーポレーションが開発した『ReCell(リセル)』を試用し、2023年(予定)に軌道高度での実証実験を行う。
 『ReCell』は、セルロースナノファイバーによって強化された紙。紙を超えた強度と優れた成形性を備えており、『ReCell』を人工衛星の材料に用いることで強度を維持しつつ軽量化が期待される。また従来のアルミニウムと比較して電波を透過しやすいため、通信用アンテナを衛星内部に搭載でき、衛星設計の自由度を広げることができる。さらに、従来の人工衛星はミッションを終えると大気圏に突入し、将来的に大気汚染を引き起こす可能性が指摘されているが、紙は大気との摩擦によって水蒸気とCO2になるだけなので環境汚染は発生しないと言われており、環境負荷の面でもメリットがある。

 

(FUTURE 2022年6月6日号)

 

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