トップページ > 業界ニュース > 凸版印刷/CNFでバリア紙カップ

凸版印刷/CNFでバリア紙カップ


photo%e3%80%8ccnf%e3%83%90%e3%83%aa%e3%82%a2%e7%b4%99%e3%82%ab%e3%83%83%e3%83%97%e3%80%8d 凸版印刷はセルロースナノファイバー(=CNF)を用いて酸素バリア性をもたせた食品向け紙カップを開発、2017年3月からサンプル出荷を開始する。同社は、CNFをコーティングした紙器の開発を推進しており、今回の紙カップはその第一弾。CNFを活用したバリア紙カップは日本初。

 CNFは、紙の原料となる木の繊維を1μの数百分の一以下であるナノオーダーにまで微細化したバイオマス素材。“軽くて強い”、“熱変形が小さい”などの特長があり、自動車、家電、塗料、繊維などさまざまな分野で新素材として期待されている。パッケージへの応用は、従来品と比べて石化由来材料の使用量を削減するものとして注目されている。

 凸版印刷は今回、CNFの持つ酸素バリア性に着目、紙基材にCNFをコーティングすることでバリア層を形成し、食品の酸化劣化を防ぐ環境配慮型製品として開発した。匂いに対するバリア性を併せ持つため、保香性や保存時の移り香防止にも効果がある。同社は、この製品をカップ麺や菓子、アイスクリーム・乳製品など、食品向けに拡販していく考えで、CNFを用いた紙器全体で2020年度に約10億円の売上げを目指す。

(Future 2016年10月24日号)

ページのTOPへ