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凸版印刷/浴室でも使える紙パックの本格生産を開始


 凸版印刷は、プラスチックボトルからの代替が可能な紙パック『キューブパック』の本格生産を4月から開始する。すでに太陽油脂のボディソープ、コーセーの日やけ止めクリームで採用が決定している。プラごみによる海洋汚染が世界的に問題となる中、プラスチックボトルを『キューブパック』に代えれば、石化由来材料を約55%削減できる。写真はサンプル。

 『キューブパック』の最大の特長は、紙製ながら浴室や洗面所などの水回りで使えること。水と常時接着する底部付近に紙端部を設けない独自構造により、プラスチックボトルとほぼ同等の耐水性を実現した。従来の紙パックでは不可能だった、口栓を中央につける形状も実現したため、ポンプを付け替える「付け替え容器」としても使用できる。また内容物の充填は、既存のプラスチックボトルの充填機を流用でき、基材となる紙素材には森林認証紙も使用可能。

 『キューブパック』は、平らな状態からボックス型に組み立てる「組立て式」を採用しており、最初は凸版印刷が製函して納入する形でスタートするが、将来的にはユーザー企業の生産ラインに製函機を導入してもらうことにより、キューブパックを平坦な状態で輸送・保管できるようになる。これにより、同容量のプラスチックボトルと比較して占有容積を大幅に削減できるため、積載効率の向上や保管スペースの大幅な削減にもつながる。凸版印刷は今後、化粧品・トイレタリー業界などへ拡販していく考えで、2022年度に約10億円の売上を目指す。

(FUTURE2021年3月22日号)

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