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中越パルプ工業/ものづくり日本大賞で特別賞を受賞


 中越パルプ工業と九州大学はこのほど、両親媒性を有するACCナノセルロース「nanoforest」の開発と実用化に向けた取組みが高く評価され、「第7回ものづくり日本大賞」の特別賞(製品・技術開発部門)を受賞した。
ものづくり日本大賞は、日本のものづくり継承のため経済産業省や国土交通省、厚生労働省、文部科学省が連携して隔年開催している表彰制度。中越パルプ工業が受賞した製品・技術開発部門は、高度な技術的課題を克服し、優れて画期的な製品もしくは部品や素材の開発・実用化を実現させた個人またはグループを表彰するもので、ナノセルロースに関連した案件が受賞するのは今回が初めて。
 受賞理由には、竹など生物材料のナノ微細化を、化学薬剤を使わず水だけで可能とする独自の技術「水中カウンターコリジョン法(ACC法)」を開発したことがあげられている。ほかの方法で製造したナノセルロースには見られない両親媒性を有することがACCナノセルロース「nanoforest」の大きな特徴であり、一般に困難なPP樹脂との複合化に化学修飾なしで成功した。さらに、安心安全が要求される食品、化粧品、医療品などの分野への応用展開の可能性が高く、幅広い産業分野へのナノセルロースの普及に貢献している。これらの成果は、九州大学と共同で行った基礎研究と、それをベースに量産化・産業利用を目指した製品開発を同時に進めてきた産学連携によるチームワークによって得られた。

 案 件 名:両親媒性を有するACCナノセルロース「nanoforest」の開発と実用化
 受 賞 者:近藤哲男(九州大学)、坪井国雄(中越パルプ工業)、橋場洋美(同)、才田英明(同)、疋田慎一(同)、辻翼(同)

(Future 2018年3月26日号)

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