ダイナパック/中野グループのクラウン紙工業を完全子会社化
主力の段ボールのほか印刷紙器、軟包材などを幅広く製販するダイナパック (本社:愛知県名古屋市、杉山喜久雄社長)は5月27日、東京の板紙・産業用紙系専門商社、中野紙商事(東京都千代田区、中野健太郎社長)系列のクラウン紙工業を買収し、完全子会社化すると発表した。
このスキームは最初に、中野紙商事と(旧)クラウン紙工業が共同新設分割で、紙器事業などを承継する(新)クラウン紙工業を設立。新会社の資本金は3,000万円(予定)で、出資比率は中野紙商事66.7%、(旧)クラウン紙工業33.3%。ダイナパックが全株式を取得するのはこの(新)クラウン紙工業で、紙卸事業の中野紙商事は従来通り存続する。
(新)クラウン紙工業の設立は今年7月1日の予定だが、代表者などは現時点で未定。設立と同時に(旧)クラウン紙工業が埼玉県草加市に保有する土地・工場設備などは(新)クラウン紙工業に移管され、併せてダイナパックが新会社の全株式を取得して100%子会社とする。
クラウン紙工業の獲得はダイナパックにとって、小口・高付加価値の印刷紙器分野へ本格的に参入することを意味する。ダイナパックは今年3月、川越事業所(埼玉県川越市)に日本初のHP社製デジタル印刷機「Scitex15500」を導入。高精細印刷・小ロット対応・短納期・バリアブル・大判印刷などの特徴を持つ同機の稼働により、付加価値の高い製品を提供していく体制を整えた(本誌3月21日号既報)。
同社は完全子会社化するクラウン紙工業を「紙器事業の競争力・収益力強化のためのプラットフォームと位置づけ、関東・東北エリアにおける最適な紙器製造販売体制を構築していく」としている。なお(旧)クラウン紙工業の2015年9月期業績は売上高が13億9,800万円、営業利益が2,100万円。
(Future 2016年6月20日号)