業界ニュース

三菱製紙/汚染焼却飛灰の除染処理実証試験を終了
 三菱製紙はこのほど、自社で開発した磁性吸着剤(CS-Catch)とMSエンジニアリングが開発した磁気分離装置を用いて、放射性セシウムを含む焼却飛灰を効率的に処理し指定廃棄物(放射能濃度が8,000ベクレル/kgを超える廃棄物)の量を大幅に減容化できることを実証した。福島県南相馬市でプラントレベルの実用化試験を行ったもの。今後は、焼却飛灰を安全に除染し、分離した放射性セシウムを完全に遮蔽保存できるよう、ピーエス三菱、三菱製紙エンジニアリング、パーム設計、福島大学などとともに構成する「飛灰除染プロジェクト」で、システム全体の完成を目指す。
 三菱製紙などが行った試験では、焼却飛灰3tに含まれる放射性セシウムを50kgの磁性吸着剤へ移行させることに成功。焼却飛灰は、法令上埋め立てなどが可能で取扱いの容易なものに変わったことが確認できた。これにより、指定廃棄物の焼却飛灰を大幅に減容化できる可能性が示された。
 現在、東北地方、茨城県、千葉県などの焼却場に蓄積されている指定廃棄物となった焼却灰は6万3,000tに上り(2012年11月2日現在。環境省の指定廃棄物処理情報サイトより)、日々増加している。指定廃棄物は国が処理することになっているが、焼却飛灰中の放射性セシウムは水に溶け出しやすく、埋め立て処理すると二次災害を引き起こしかねないため、遮蔽密封して保管するなど、厳重な飛散・流出防止対策が求められている。
 三菱製紙が開発したシステムでは、水溶出性の放射性セシウムは焼却飛灰から取り除かれ、少量の磁性吸着剤に固定化される。焼却飛灰の放射能濃度が大幅に低減されると同時に、磁性吸着剤は元の焼却飛灰と比較して体積を大幅に減少できる。また、このシステムの最大の特長は、磁性吸着剤の放射能濃度をモニタリングしながら、放射性セシウムを回収処理できること。これにより磁性吸着剤の放射能濃度制御が容易になり、プロセスを自動化できる。
 被災地の一般廃棄物と産業廃棄物の焼却炉では、日量数tの焼却飛灰が発生している。今回の実証試験のようにt単位で対応できる焼却飛灰の除染処理を行った例はなく、原発事故後の法制度のもとでは今回が初めて。プロジェクトでは現在、プラントシステムに改良を加え、安全・安心に配慮した除染処理システムの高度化を進めている。

(Future 2013年1月21日号)

紙・板紙需給10月/国内出荷は5ヵ月連続の減少
 日本製紙連合会が集計した10月の紙・板紙国内出荷は、前年同月比2.4%減の219.2万t。落ち幅は縮小も、5ヵ月連続の減少となった。うち、紙は3.7%減の121.9万t、板紙は0.8%減の97.3万t。紙は7ヵ月連続、板紙は3ヵ月連続の前年割れである。主要品種では包装用紙、衛生用紙、白板紙を除き減少した。
 紙・板紙のメーカー輸出は前年同月比11.5%増の6.0万tで、2ヵ月連続の増加。震災前の水準は下回るも、紙を中心にアジア向けが増えている。
 紙・板紙の在庫は前月比1.7万減の217.7万tで、3ヵ月ぶりに減少。うち、紙は▲1.3万tの153.4万tで3ヵ月ぶり、板紙は▲0.4万tの64.3万tで2ヵ月ぶりの減少だった。
 以下、主要品種の動向である。
〔印刷・情報用紙〕国内出荷は前年同月比6.5%減の66.8万t。落ち幅は縮小したが、7ヵ月連続のマイナス。塗工紙を中心に輸入に一服感があったものの、荷動きは引き続き低調である。他方、メーカー輸出は同4.0%増の3.7万t。薄物塗工紙を中心に2ヵ月連続の増加となった。
〔包装用紙〕国内出荷は前年同月比0.1%増の6.6万tと概ね横ばいも、前年の9月以来13ヵ月ぶりに増加した。メーカー輸出は同82.6%増の1.2万tとなり、初めて1万tを突破した。
〔衛生用紙〕国内出荷は前年同月比2.1%増の15.1万t。前年が低調だったこともあり、主要品種の中で最も高い伸びを示した。
〔段ボール原紙〕国内出荷は前年同月比1.0%減の76.9万t、落ち幅は縮小しているが、3ヵ月連続のマイナスである。前年の価格修正に伴う前倒し需要などが影響している。
〔白板紙〕国内出荷は前年同月比横ばい(0.0%増)の13.4万t。前年10月以来1年ぶりのプラスだが、荷動きは引き続き低調だった。

(Future 2012年12月10日号)

王子ホールディングス/海外成長地域への戦略投資に重点
 この10月から純粋持株会社制へ移行した王子ホールディングスは11月22日、新体制として初めての経営説明会を開催し、事業構造転換施策の進捗状況や今後の重点課題について所見を明らかにした。
 同社の事業構造転換は、日本経済を取り巻く「グローバリゼーションの進展」「産業の空洞化」「財政赤字の増大」「円高の定着」といった状況変化を踏まえて打ち出されたもので、基本戦略として(1)徹底したコストダウンによる国際競争力強化、(2)海外ビジネスの拡大、(3)研究開発型ビジネスの形成による成長、(4)資源・環境ビジネスの推進、(5)素材・加工一体型ビジネスの確立、(6)商事機能強化―の施策を打ち出している。
 この基本戦略のもと、2010年度からの3年間で国内300億円+海外1,400億円=合計1,700億円の事業構造転換投資を行ってきた。同社は、これを「海外の成長地域と国内の成長分野へ経営資源を重点投入」した結果だと説明するが、金額の配分からしても海外の方に重点を置いているのは明らかである。以下、各事業分野別に海外での3年間にわたる投資実績を眺めてみる。
 〔生活産業資材〕
 ○2010年、マレーシアで板紙メーカーのGSPPを買収 ○11年、タイで紙器メーカーのS.Pack&Printを買収。Harta Packaging(マレーシア、カンボジア)を買収 ○12年、中国の青島、武漢に製袋工場を新設 ○12年、インドで段ボール事業会社を設立(14年1月に工場稼働予定) ○13年、ベトナムで段ボール新工場が稼働予定(4月) ○13年、カンボジアで段ボール新工場が稼働予定(年初)
 〔機能材事業〕
 ○2011年、ブラジルで感熱紙事業を買収 ○11年、タイのOLTで粘着ラミネーターを増設
 〔資源環境ビジネス〕
 ○2012年、ブラジルのCENIBRA(パルプ製造)を子会社化 ○12年、ニュージーランドのPANPACでBC-TMP設備の稼動開始 ○12年、ベトナムで合板製造会社を設立。
 以上、数え方にもよるが進行中のものを含め合計で12案件、その多くがM&Aで占められている。これらの総額1,400億円に国内の300億円を合わせた事業構造転換投資1,700億円の、営業利益に対する効果は2010〜12年度に+140億円、13〜15年度に+110億円、合計で+250億円に上る。
 中でも構造転換投資の8割強を占める海外事業については「成長国・資源国での展開を加速し、M&Aによる積極的な拡大を図る」と謳われており、海外拠点の売上高を12年度計画の1,900億円から15年度に3,600億円まで増やすとしている(各拠点の単純合算値)。
 地域別に見た12年度の海外売上高は以下の通り。
 ・欧州110億(構成比6%)
 ・中国240億(13%)
 ・中国を除くアジア520億(27%)
 ・オセアニア270億(14%)
 ・北米170億(9%)
 ・南米590億(31%)
 このうち最重点地域としてインド・東南アジア・南米を挙げ、15年度にアジア(除:中国)で1,800億円、南米で1,000億円の売上高を達成するとしている。この結果、15年度の海外地域別売上構成比は欧州3%、中国7%、アジア50%、オセアニア8%、北米5%、南米28%となる見込みで、アジアへのシフトが一段と進む。
 そのアジアの事業拠点は現在28ヵ所で、内訳はパッケージング19、資源ビジネス7、機能材2。このうちウェイトの高いパッケージング事業では、直近の案件として
 ・インド;地元製紙大手との合弁により段ボール事業を開始
 ・カンボジア;段ボール新工場を建設
 ・タ イ;S.Pack&Print社の子会社化
 ・タ イ;Box Asiaグループを買収
などがある。
 一方、資源ビジネスとしてはミャンマーで新規植林を検討しているほか、カンボジアでは12年から植林事業を開始(製材事業も検討中)、インドネシアとベトナムでは13年から合板・製材事業を開始する。
 この結果、現在1万人弱の海外人員が数年後には1万5,000人を超える見通しで、その時点で国内人員と拮抗するか、もしくは逆転することになりそうだという。

(Future 2012年12月10日号)

王子グリーンリソース/北海道白糠町で太陽光発電事業を開始
 王子グループの王子グリーンリソースは、北海道白糠郡白糠町で太陽光発電事業を開始する。
 王子グループは、グループ資源を活用した資源環境ビジネスの拡大を目指しており、その中でも発電事業は大きな柱の一つ。先般発表した富士地区のバイオマスボイラーによる発電事業(本誌10月2日号既報)に続き、今回は全国的にも日射量に恵まれた白糠町で、王子グループ所有地に太陽光発電所を設置し、電力事業の強化を図る。王子グループは、「今後も太陽光・バイオマス燃料・水力・地熱・風力などの再生可能エネルギーを活用した発電事業をさらに拡大する」としている。
 〔発電事業の概要〕
 ・所在地;北海道白糠郡白糠町西庶路
 ・発電規模;1.3MW
 ・投資額:約4億円
 ・売電量見込;1.4GWh/年
 ・稼働時期;2013年8月(予定)

(Future 2012年11月19日号)

レンゴー/大阪市の「メガソーラー共同事業」に参加
官民協働のメガソーラー事業『大阪ひかりの森プロジェクト』に、レンゴーなど7社が参加する。
 「大阪ひかりの森プロジェクト」は、大阪市此花区夢洲の北港処分地で実施される官民協働の企業参加型メガソーラー事業。プロジェクトの計画地である北港処分地は、焼却灰を埋め立てた処分場で、スペースは広大であるものの、今後も埋立処分場として利用されるため、通常の土地利用ができない状況だった。そこで大阪市が同地の活用アイデアを公募し、住友商事と三井住友ファイナンス&リースが共同提案した「多くの企業がメガソーラー事業に参加する仕組み(SGS:Solar-power Group Share)」が採択され、「大阪ひかりの森プロジェクト」となったもの。そしてプロジェクトの趣旨に賛同したジュピターテレコム、住友商事、住友電気工業、ダイヘン、日立造船、NTTファシリティーズおよびレンゴーが、参加企業として決定した。
 「大阪ひかりの森プロジェクト」では、運営組織が大阪市と事業協定を締結し、この11月からメガソーラー着工のための準備調査に着手、2013年秋頃を目途に10MWのメガソーラーを建設して発電を開始する。発電される電力は、再生可能エネルギーとして固定価格買取制度により関西電力に売電される。参加企業は、リースによりメガソーラーの設置コストを分担する一方で、売電で得た収益をコスト分担割合に応じて受け取れる仕組み。
 同プロジェクトでは、今後も参加企業を増やしたい意向で、「都市部での再生可能エネルギー発電の促進に携わりたいという、高い環境意識を持つ企業で、500kW分の太陽光発電設備を長期間保有できる企業」を引き続き募集している。
 〔計画の概要〕
 ・設置場所;大阪市此花区夢洲1区の廃棄物埋立処分場のうちの約15ha
 ・発電規模;10MW(標準的な家庭の電力消費量の約3,200世帯分)
 ・運転開始;2013年10月(予定)
 ・SGS運営組織;資産保有者/三井住友ファイナンス&リース、管理運用受託者/サミットエナジー

(Future 2012年11月26日号)

レンゴー/新名古屋工場建設に着手

 レンゴーは新名古屋工場(愛知県春日井市)の建設に着手した。
 名古屋市内の東区にある同社の名古屋工場は、周辺地域の市街化の進展とともに狭隘で老朽化も進んでいることから、かねてより代替地での建て替えを計画していたもの。
 2011年6月、愛知県春日井市の明知東工業団地に移転先として用地を取得し、当初は同年10月からの建設着工を予定していたが、3.11東日本大震災の発生により同社グループも甚大な被害を受け、中でも仙台工場(仙台市宮城野区)が壊滅的被害を受けたため、その再建を優先した。
 従業員一丸となった取組みと関係方面の協力により、震災から1年後となる今年3月15日、新仙台工場(宮城県黒川郡大和町)として起動式を行い、4月に正式稼働し順調に操業を続けている。同社グループの震災復興には一つの区切りがついたため、このほど新名古屋工場の建設に着手することを決め、11月2日に安全祈願祭を執り行った。
 新工場は、太陽光発電設備の導入をはじめとして環境への十分な配慮はもちろん、同社の段ボール工場として初のラック式免震自動倉庫を導入し、効率的な在庫管理と物流作業の安全性向上を図るなど、人にも環境にも優しい21世紀における理想の段ボール工場を追求するとともに、中部地区におけるグループの中核拠点工場として早期完成を目指していく(イラストは完成予想図)。
 〔レンゴー新名古屋工場〕
 ・所在地;愛知県春日井市明知町字頓明1514(明知東工業団地内)
 ・敷地面積;約10万5,800m2
 ・延床面積;約3万6,000u(建築面積 約2万9,300m2)
 ・事業内容;段ボールシート、段ボールケースの製造販売
 ・総投資額;約150億円
 ・開業予定:2014年1月

(Future 2012年11月19日号)

王子コンテナー、協和ダンボール/共同持株会社設立し静岡の三和紙器を傘下に
 王子コンテナーと協和ダンボールは、11月1日付で共同持株会社「葛ヲ和パートナーズ」を設立し、三和紙器の全株式を譲り受けた。
 三和紙器は静岡県三島市にあり、段ボール包装箱の製造・販売を主事業としている。同地区の需要が成熟する中、王子コンテナーと協和ダンボールは、東海地域の基盤強化とシナジー効果の発現が不可欠と判断し、共同持株会社を設立して三和紙器を傘下に入れることを決めた。
 〔協和パートナーズの概要〕
 ・本 店;東京都中央区銀座1-18-2(太平ビル、協和ダンボール東京営業所内)
 ・資本金;1,000万円
 ・主な役員;代表取締役社長・木良直、取締役・渡良司、同・天木幸一
 〔三和紙器の概要〕
 ・本 店;静岡県三島市松本145-1
 ・設 立;1953年5月
 ・代表者;代表取締役社長・青木利治
 ・資本金;1,600万円
 ・従業員;13名

(Future 2012年11月19日号)

日本紙パルプ商事/物流機能を再編
 日本紙パルプ商事は2013年4月1日を目途に本社物流本部と国内物流子会社を統合・再編する。これにより、グループの保管・配送・断裁などの業務を一元管理し物流の効率化と機能強化を図る。
 この再編では、ジェーピー共同物流を「JPロジネット梶vへ社名変更し、同社の共同物流事業を継続するとともに、日本紙パルプ商事の物流本部の機能を移管し、物流機能を一元的に管理する体制を構築する。また、中井紙輸送を「JPトランスポートサービス梶vに社名変更し、JPロジネットの子会社としたうえで、輸送専業子会社としての機能を強化する。さらに、札幌の札幌紙流通センターと福岡の箱崎紙流通センターの2社を、JPロジネットの子会社とする。
 再編対象会社の概要は次の通り(設立・資本金・株主・本社所在地・従業員・事業内容の順に表記)。
 ・ジェーピー共同物流
 2000年6月2日 7,000万円 日本紙パルプ商事100% 東京都中央区 5名 倉庫業、運送業
 ・中井紙輸送
 1949年12月26日 5,100万円 日本紙パルプ商事98.95% 東京都中央区 49名 運送業、貨物荷役業、紙類・化成品・梱包材料販売
 ・札幌紙流通センター
 1972年2月4日 1億円 日本紙パルプ商事100% 北海道札幌市 11名 倉庫業、運送業、製紙パレット回収業
 ・箱崎紙流通センター
 1985年3月8日 600万円 日本紙パルプ商事100% 福岡県福岡市 7名 倉庫業、運送業

(Future 2012年11月19日号)

国際紙パルプ商事/子会社DPICを吸収合併
 国際紙パルプ商事は、同社グループの海外部門で100%子会社のダイエイペーパーズインターナショナルコーポレーション(=DPIC)を、4月1日付で合併する。
 すでに公表の通り、国際紙パルプ商事は住商紙パルプとの合併を予定しており(2013年1月1日)、今後の海外展開のためには海外部門を統合するのが最適と判断したもの。合併方式は国際紙パルプ商事を存続会社とする吸収合併で、DPICは解散する。
 DPICは02年設立、直近の単体業績(11年12月期)は売上高344億4,500万円、営業利益1,800万円、経常利益▲5,900万円、当期純利益▲2,500万円。

(Future 2012年12月10日号)

日本写真印刷/エコとデザイン両立させたパルプ成形技術を開発
 日本写真印刷はこのほど、PIM(Pulp Injection Molding;パルプ射出成形)を用いたパルプ成形同時加飾技術『Nissha PAX』を開発した。この技術で成形されたパルプ成形品は90%以上が自然由来の素材で構成され、またオフセット印刷で加飾された『FiberForm』という特殊な用紙をインサート成形することでデザイン性も高められる。
 包装緩衝材や各種容器として使われるパルプ成形品は、強度を保つための添加剤や成形するための凝固剤が使用されており、必ずしも環境によいとは言えなかった。また、樹脂成形品のような加飾は施せなかった。しかし『Nissha PAX』を使えば、エコ素材でありながらデザイン性にも優れたパルプ成形品を作ることができる。
 「高温多湿に弱い」「ウェルド部は強度が劣る」などの弱点はあるものの、紙独特の触感とデザイン性、紙としてリサイクルが可能、約6ヵ月で土中分解する生分解性能、寸法精度、強度は汎用樹脂と同等、比重が軽い(0.85程度)、などの特長から現在樹脂が使われているパッケージや雑貨市場での代替品として期待できる。

(Future 2012年12月3日号)

レンゴー/「3R推進協議会会長賞」を受賞
 レンゴーの金津事業所はこのほど、リデュース・リユース・リサイクル(=3R)推進協議会主催の「平成24年度3R推進功労者等表彰」で、3R推進協議会会長賞を受賞した。軽量段ボール原紙『LCC原紙(Less Caliper & Carbon containerboard)』の開発を通じた段ボールの軽量化と、古紙資源の有効活用が評価されたもの。
 LCC原紙は、レンゴーの金津事業所で最初に開発された軽量・高性能の段ボール原紙。レンゴーが同会長賞を受賞するのは、09年に続いて2回目。

(Future 2012年11月19日号)

三菱製紙/本社受付スペースに製品展示コーナーを新設
 三菱製紙はこのほど、本社11階・総合受付スペースの見本室ギャラリー内に、主要製品を展示する「PAPER DESIGN SQUARE」を新設した。
【PAPER DESIGN SQUARE】
〔場所〕〒130−0026東京都墨田区両国2−10−14両国シティコア 三菱製紙本社オフィス11階総合受付横見本室ギャラリー内
〔営業時間〕9:00〜17:00(土日・祝祭日・同社定休日除く)
〔内容〕オフセット印刷用紙、デジタル印刷用紙などを展示し、アート紙、A2コート紙、上質紙、書籍用紙、産業用インクジェットコート紙などの各種見本を用意。

(Future 2012年12月3日号)

紙・板紙需給9月/在庫は紙で減少、板紙は増加
 日本製紙連合会が集計した9月の需給速報によると、紙・板紙合計の国内出荷は前年同月比▲6.7%の206.5万tにとどまり、4ヵ月連続で減少した。うち、紙は▲6.3%の119.0万tで6ヵ月連続、板紙は▲7.1%の87.5万tで2ヵ月連続のマイナスだが、ともに前月を上回る落ち込み幅だった。
 一方、メーカー輸出は紙・板紙の合計が前年同月比+37.2%の6.0万t。震災前の水準には及ばないものの、紙を中心としたアジア向けの増勢で、前月の減少から増加に転じている。
 紙・板紙の在庫は合計で前月比+2.4万tの218.7万tとなり、2ヵ月連続で増加した。うち、紙は▲0.6万tのと154.0万t2ヵ月ぶりの減少だったが、板紙は+3.0万tの64.7万tと3ヵ月ぶりに増加している。
 以下、主要品種の動向である(%表記は前年同月比)。
〔新聞用紙〕国内出荷は▲2.9%の25.9万t。、広告出稿など頁数の減少が響き、8ヵ月ぶりの減少。
〔印刷・情報用紙〕国内出荷は▲9.0%の65.6万tで、6ヵ月連続の減少。輸入の高水準に加え、前年の価格修正による前倒し需要の反動減などもあり、2桁に近い減少となった。他方、メーカー輸出は+41.1%の3.9万t。震災前の水準は下回っているが、塗工紙を中心に前月のマイナスからプラスに。
〔包装用紙〕国内出荷は▲17.6%の6.2万t。対前年同月割れは12ヵ月連続となった。前年の価格修正に伴う前倒し需要の反動減により、今年に入って最大の落ち込みを記録している。
〔衛生用紙〕国内出荷は▲0.8%の14.7万tと微減。本来なら需要の上向く時季だが、輸入増の影響が現れているようだ。
〔段ボール原紙〕国内出荷は▲6.0%の68.9万tで、2ヵ月連続の減少。荷動きが全般的に低調なほか、古紙価格の引き下げに伴う先安観から需要家の買い控えなどもあり、落ち幅は拡大している。
〔白板紙〕国内出荷は▲14.0%の12.1万tで、11ヵ月連続の減少。包装用紙と同じく、前年の価格修正による前倒し需要の反動減で、今年最大のマイナス幅となった。

(Future 2012年11月12日号)

王子グループ/現地製紙大手および丸紅とインドで段ボール事業
 王子グループは、かねて検討を進めてきたインドでの段ボール事業について、インド製紙大手のJK Paper Ltd.および丸紅との3社合弁事業とすることを決めた。10月25日付で合弁事業契約を締結している。王子は事業開始に先行し、すでに6月には現地法人Oji India Packaging Private Limitedを設立、具体的な事業計画を検討していたもの。今後は、経済成長に伴い増大するインドの段ボール需要獲得に本腰を入れる。また丸紅も、これを機にインド市場に参入し、紙・板紙事業の拡張を図る意向。
 インドの段ボール市場は年率10%で急成長しており、日系企業を含む外資の進出で高付加価値段ボールのニーズも高まっている。合弁会社が本社を置くグルガオンは、多くの日系企業が進出する新興都市。インドは日系企業の誘致を積極的に進めており、今回工場が建設されるニムラナ工業団地は日系企業専用の工業団地。
<合弁会社の概要>
〔社名〕 Oji JK Packaging Private Limited(合弁事業開始後、Oji India Packaging Private Limitedから変更)
〔本社〕ハリヤナ州グルガオン
〔工場〕ラジャスタン州ニムラナ(ニムラナ工業団地第三期)
〔総投資額〕約14.6億インドルピー(約22億円)
〔資本金(工場完成時)〕7.3億インドルピー(約11億円)。現在は7,200万インドルピーで、建設に合せて順次増資する
〔株主構成〕王子60%、JK Paper 20%、丸紅20%
〔事業内容〕段ボールケース・シートの製造および販売
〔生産能力〕▽段ボールシート貼合:約4,800万u/年▽段ボールケース製函:約4,400万u/年
〔営業開始〕2014年1月(予定)
<JK Paper Ltd.の概要>
〔本社〕ニューデリー
〔事業内容〕上質紙、白板紙、塗工紙の製造および販売
〔売上高〕155億7,100万インドルピー(12年3月期)

(Future 2012年11月12日号)

王子グループ/ベトナムで合板製造会社を設立
 王子グループの王子木材緑化は11月、ベトナムの国営林業公社Vietnam Forest Corporation(以下、VINAFOR社)と合弁で、ベトナム北部のバクザン省に現地法人を設立し、合板製造工場を建設する。営業生産は2013年12月開始の予定。併せて、王子木材緑化100%出資による販売会社をハノイ市に設立する。
 王子グループは、王子グリーンリソースを中核会社として資源環境ビジネスを積極展開しており、王子木材緑化は、その王子グリーンリソースの完全子会社。資源環境ビジネスのうち森林資源事業を推進している。今回の事業では、ベトナム最大の林業公社VINAFOR社が主として原料調達を担当し、王子木材緑化が生産管理と日本・東南アジアへの販売を行う。それぞれの強みを生かした資源環境ビジネスであり、王子木材緑化にとっては重要な海外事業拠点となる。
<合弁会社の概要>
〔名称〕OJI-VINAFOR PLYWOOD CORPORATION
〔資本金〕300万j(王子木材緑化60%、VINAFOR社40%)
〔事業〕ユーカリ植林木を主原料とするフロア用合板などの製造販売
〔生産能力〕約3万/年
<現地販売会社の概要>
〔名称〕OJI FOREST & PRODUCTS VIETNAM(仮称)
〔資本金〕30万j(王子木材緑化100%)
〔事業〕合板などのベトナム国内および輸出販売

(Future 2012年11月5

日本製紙/KP生産設備の転用で溶解パルプの生産体制確立
 日本製紙は釧路工場で、溶解パルプ生産のための設備改造工事を完了、10月11日に竣工式を執り行った。投資額は約22億円。既存のクラフトパルプの連続蒸解釜を使用した溶解パルプの製造は国内初であり、経済産業省のイノベーション拠点立地支援事業「先端技術実証・評価設備整備費等補助金」の交付が決定している。同社では、溶解パルプの需要伸張を背景に、同事業の拡大を目指し今春から工事を進めていた。今後は実証・評価を進め、年間3万t規模まで生産を拡大する計画。
 日本製紙にとって今回の取組みは、木質資源の利用技術を高度化し、事業領域の幅を紙以外にも広げていくためのもの。同社では、「今後さらに“木”の可能性を追求し、木質資源として総合的に活用する」としている。

(Future 2012年11月5日号)

特種東海製紙/ペーパータオル用紙の生産設備を新設
 特種東海製紙と連結子会社の東海加工紙はこのほど、ペーパータオル用紙生産設備の建設を決めた。
 ペーパータオルの国内市場は、デフレや輸入紙の増加など、事業環境が大きく変化している。同社グループでは、今まで以上に品質面を改良しつつコスト競争力も強化するため、既存のペーパータオル用紙生産設備2機を停止し、新設備2機を建設するもの。投資額は計30億円。新生産設備の管理・運営は東海加工紙が行い、製造・加工から販売までの一貫体制で、効率的な事業運営とグループの総合力強化を図る。
 なお、既存設備の停止時期は、横井工場の1号抄紙機(ペーパータオル用紙。年産1万8,000t)が2015年3月、同工場2号抄紙機(ペーパータオル用紙、その他未晒包装紙。年産1万8,000t)が14年3月。新設備の概要は次の通り。
【T1号抄紙機(仮称)】
▽円網ヤンキー、抄幅2,200o▽主要生産品種:ペーパータオル用紙▽生産能力:1万8,000t/年▽稼働予定:14年4月
【T2号抄紙機(仮称)】
▽円網ヤンキー、抄幅2,200o▽主要生産品種:ペーパータオル用紙▽生産能力:1万8,000t/年▽稼働予定:15年4月

(Future 2012年11月5日号)

国際紙パルプ商事、住商紙パルプ/合併比率で合意
 かねて合併を公表していた国際紙パルプ商事と住商紙パルプは、期日を10月1日から2013年1月1日に延期し、合併比率について協議を重ねていたが、このほど合意に達した。
 合併比率は、当初予定の「国際紙パルプ1:住商紙パルプ12.5」を変更し、「国際紙パルプ1:住商紙パルプ7.625」となる。

(Future 2012年11月12日号)

特種東海製紙/ゼオライト不織布の除染シートを発売
 特種東海製紙はこのほど、放射性物質の除去および拡散防止に有効なゼオライト不織布『TT−除染シートSC』を発売した。販売は新生紙パルプ商事が行う。
 同社は今春、ゼオライトを固着させた不織布の開発に成功し(本誌5月7日号既報)、以降、性能評価を繰り返してきた。今回発売した『TT−除染シートSC』は、不織布と不織布の間にゼオライトを均一に固着させたもので、ゼオライト単体で使用した場合と比較して、約80%のセシウム吸着能力を維持することが実証試験で確認されている。
 セシウムを吸着するゼオライトは、原発事故で飛散した放射性セシウムの回収と拡散防止のため、吸着材としての研究開発がさまざまな所で進められている。特種東海製紙が開発したシートは、陸水中の放射性セシウムを分離・濃縮するゼオライトディスクとして、すでに福島大学で利用されているほか、一部地方自治体の震災瓦礫焼却最終処分場でも、安全のためのバックアップシートとして採用される運びとなっている。
 同社では、このほかにも多数の要望が寄せられていることを受けて、安定生産による製品化および一定の販売の目途が立ったことから、当初の予定を繰り上げて販売を開始するもの。
 『TT−除染シートSC』の特徴は、○放射性セシウムを製品内部に吸着し閉じ込める ○用途に応じた不織布を選択できる ○製品表面からのゼオライト粉末の脱落が起こりにくい ○柔軟性が高くあらゆる施工に対応可能 ○枚葉やロール形状で提供でき、断裁、折りたたみ、プリーツなどの加工が可能など。用途としては、土壌や汚染水の放射性セシウムを除去するシートやフィルターのほか、中間貯蔵施設や瓦礫焼却灰の最終処分場で放射性物質の漏出に備えたバックアップシートなどへの応用が可能。
 同社では、今後も用途や仕様に合わせた製品開発を行っていくとしている

(Future 2012年11月12日号)

日本製紙クレシア/介護ウェットの新ブランド『アクティ ラクケア』
 日本製紙クレシアは、介護用ウェットティシュの新ブランド『アクティ ラクケアシリーズ』を立ち上げ、10月1日から販売を開始した。
 高齢化社会の進行に伴い、介護用品市場は大人用紙おむつの需要増と同時に、介護用ウェットティシュも年々伸長している。今回の新ブランド立ち上げに当たり、同社が家族を介護中の人を対象に調査を実施したところ、7割以上の人が「介護で最も負担に感じるのは排泄ケア」と回答した。「食事」や「着替え」、「入浴」などに比べて群を抜いており、介護者にとって大きな負担となっていることがわかった。この現状を踏まえ、使用者と介護者がともに快適に過ごせるように開発されたのが『アクティ ラクケアシリーズ』。
 『アクティ ラクケア』の介護用ウェットティシュはすべて弱酸性で肌にやさしく、ノンアルコール、無香料、アロエエキス配合。また、おむつ交換の際、体を片手で支えながら、もう一方の手でウェットティシュを取り出せるよう、取出口シールに「片手でラクラク取り出し口ストッパー」を採用した。
 製品ラインアップは、使用後にトイレに流せて大容量100枚入りの『トイレに流せるたっぷり使えるおしりふき100枚』、同じくトイレに流せて大判・厚手の『トイレに流せるぬれタオル74枚』、天然コットン100%でやわらかな肌ざわりの『大きなおしりふきタオル60枚』、入浴できない時などに布タオル代わりになる超厚手・超大判サイズの『からだ拭きタオル30枚』の4アイテムを揃えた。
 また同社では、『アクティ ラクケアシリーズ』のほかにも10月発売の新製品として、“エコとお得”を追求した新サイズのキッチンタオル『スコッティ ファイン スマート&ドライ キッチンタオル』や、たたみ直す手間がいらない新形態のポケットティシュ『スコッティ ティシュー ポケット』、ロングサイズのパンティライナー『ポイズ ライナー“さらさら吸水”パンティライナー ロング』を発売している。

(Future 2012年11月12日号)

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