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大王製紙/CNF実装電気自動車が米国レースで完走


 大王製紙はかねてセルロースナノファイバー(CNF)の事業化に向け、モータースポーツチームのSAMURAI SPEEDとパートナーシップを結んでいる。このほどCNF素材を実装した電気自動車で参戦したSAMURAI SPEEDが米国レースを完走した。
 SAMURAI SPEEDは去る6月20~26日に米国コロラド州で開催された第100回パイクスピークインターナショナルヒルクライム(略称:PPIHC)に電気自動車(EV)で参戦。ドライバーの大井貴之選手は本レース初出場だったが、改造無制限クラスで12チーム中9位(13分37秒568)という成績で完走した。
 チーム代表の神子力氏は、この結果について「車体上部の軽量化を実現できたことで、急勾配のヒルクライムレースにおいて有利とされる後輪駆動や4輪駆動がひしめく中、前輪駆動車両で大いに善戦した。急変する山岳特有の環境に対応し、目標としていた完走を無事に果たすことができた」とコメントしている。
 参戦したレース車両は昨年と同様、EVの日産リーフe+をベースにCNF複合樹脂をドアミラー筐体に、CNF成形体をルーフ、ドアのすべてに実装。さらに今回はCNF連続成形体をフロントボディ、リアボディに新たに採用した。このCNF連続成形体は愛媛大学、川之江造機との共同開発により、従来バッチ式で生産していた成形体を連続式で製造した素材。
 CNF実装の効果として、日産リーフe+のドアミラー筐体、ルーフ、ドア、フロント・リアボディをCNF部材に置き換えたことで約60㎏、率にして51%の軽量化に貢献した。また標高4,000mを超える環境下でも耐久性において通常パーツと遜色なく、使用することができたという。

 

(FUTURE 2022年9月5日号)

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