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紙・板紙需給2022年上半期/段原紙、トイレ紙はコロナ前を上回る


 日本製紙連合会の集計による、今年1~6月期の国内紙・板紙需給実績がまとまった。国内景気は持ち直しの動きが見られるものの、回復のペースは緩やかで、実質GDP成長率は2020年10~12月期以降、1期ごとにプラス成長とマイナス成長を繰り返しており、一進一退の動きが続いている。

 <2022年1~6月の概況>
 こうした経済情勢のもと、紙・板紙需給に目を向けると、1~6月の生産は前年比△0.1%の1.189万t(以下、「%」表記は特記しない限り前年同期比)と、2年ぶりに前年を下回った。出荷は+0.5%の1,189万tで、こちらは2年連続で前年を上回った。出荷のうち、国内向けは+0.2%の1,085万t。価格修正に伴う前倒し需要とその反動減などから、1~3月は+1.9%のプラスも、4~6月は△1.4%とマイナスに転じている。
 一方、メーカー輸出は+3.0%の104万tで、中国を中心にアジア向けが増加し、前年を上回って過去最高を更新も、4月以降はマイナス(4~6月:△4.1%)に転じた。在庫は6月末時点で195万t、一部品種は高水準だが、全体としては概ね適正水準だ。価格(日銀:企業物価指数)は印刷・情報用紙、パッケージング用紙で上昇している。

 <今後の景気と製紙各社の対応>
 国内景気は、回復のペースは緩やかも持ち直し基調が続くと見られているが、ウクライナ危機の長期化による資源・エネルギー価格の高騰や中国のゼロコロナ政策、米国のインフレ、利上げペースの加速といった下振れリスクが大きくなっており、先行きは予断を許さない状況だ。
 製紙産業においても、原燃料価格の高騰や円安の急激な進行など、経営環境は一段と厳しさを増し深刻化している状況にある。各社は需要の構造的な変化に合わせた生産体制の再構築などを通じて、既存事業の競争力を強化するとともに、堅調な段ボール原紙を中心とするパッケージング分野や衛生用紙分野への事業転換を進めている。
 また、環境・社会ニーズに対応した新規事業の立ち上げ、温室効果ガスの削減など、持続可能な社会への貢献を進める取組みを強化している。

 (以下、詳細はFUTURE 2022年8月15日号で)

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