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中越パルプ工業、丸紅/CNFを使用した農業資材試験販売を開始


 中越パルプ工業と丸紅はこのほど、中越パルプが製造するACCセルロースナノファイバー(CNF)『nanoforest』を使用した、新たな農業資材『nanoforest-S【アグリ】』の法人向け試験販売を開始した。
 『nanoforest-S【アグリ】』は、病原菌から植物の葉表面を守る防除資材。主成分はセルロース繊維と水のみで、殺虫・殺菌成分などの合成分は含まれておらず、さまざまな野菜類や果樹に使用できる。葉面に散布すると微細なセルロース繊維の網がネットのように葉面を保護し、病原菌の侵入を物理的に防ぐほか、CNFの両親媒性が葉面を親水性にし、菌が葉面だと認識できなくなる「カモフラージュ効果」もある。
 『nanoforest-S【アグリ】』は、農林水産省が「みどりの食料システム戦略」で推進する総合的病害虫・雑草管理に対応した新しい農業資材でもある。総合的病害虫・雑草管理とは、経済性を考慮しながらも、化学農薬だけに頼らずさまざまな防除手段を組み合わせることで、環境負荷を低減しつつ病害虫・雑草の発生を抑える技術。防除手段には、耕種的防除(圃場の衛生管理など)、生物的防除(天敵の活用)、化学的防除(化学農薬の使用)、物理的防除(防虫ネットなど)があるが、『nanoforest-S【アグリ】』は物理的防除資材に当たる。
 中越パルプ工業と丸紅は、『nanoforest-S【アグリ】』の使用方法の確立に向け、今後も圃場試験と研究開発を重ねていく方針。

(FUTURE 2022年8月1日号)

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