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大王製紙/フラッフパルプの生産開始時期を変更


 大王製紙は2022年秋の生産開始を予定していたフラッフパルプについて、生産開始時期を25年6月に変更することを決めた。
 生産設備の設置場所は当初計画通り三島工場で、洋紙生産設備(生産能力5,000t/月)を、フラッフパルプの加工原反となるロールパルプ生産設備に改造する(フラッフパルプ生産能力7,500t/月)。設備投資額は約60億円。
 フラッフパルプはロールパルプから解繊した綿状パルプで、高分子吸収材と混合して紙おむつや生理用ナプキンなどの吸収体製品に使われ、これまでは輸入品が大半を占めていた。大王製紙は、需要減少が続く洋紙からの転換と同時に、100%輸入依存のフラッフパルプの一部を内製化して紙おむつなどの供給体制を強化する目的で、三島工場の洋紙生産設備を停機し、フラッフパルプ生産設備として再稼働させる予定だった。
 対象設備の15号抄紙機は21年3月に停機しており、同社は「他の洋紙マシンの稼働率を高めることで、洋紙事業の構造改革は一段進んだ」とする一方、コロナ禍の需要変動を踏まえ、三島工場の競争力のあるパルプを衛生用紙、段ボール原紙、クラフト紙へ活用していくためのパルプバランスと、最適なタイミングを再検証した結果、フラッフパルプ生産開始時期の変更を決めたもの。
 生産開始に向けた準備については、生産技術の研究と品質の確立に取り組むと同時に、使用済の紙おむつから再生したパルプを配合したフラッフパルプの生産技術開発など、SDGsにも貢献できる取組みの調査、研究を進める。

(FUTURE2021年11月22 日号)

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