紙・板紙需給速報10月/国内出荷15ヵ月連続減も2桁減からは脱却
日本製紙連合会が集計した10月の紙・板紙国内出荷は、前年同月比△6.6%の190.7万t。15ヵ月連続の減少ながら、6ヵ月ぶりに二桁マイナスから脱した(以下、%表記は前年同月比)。うち、紙は△10.0%の93.6万t、板紙は△3.2%の97.0万t。用途別では、グラフィック用紙(新聞用紙+印刷・情報用紙)が△11.8%の67.8万tで47ヵ月連続減。パッケージング用紙(包装用紙+段ボール原紙+紙器用板紙+雑種紙+その他の板紙)は△4.5%の107.0万tで13ヵ月連続減。いずれも前月よりマイナス幅が縮小している。主要品種は衛生用紙を除き前年割れで、衛生用紙は+4.2%の15.9万tと6ヵ月ぶりの増加。
紙・板紙のメーカー輸出は+41.0%の16.8万tで10ヵ月連続の増加。うち、グラフィック用紙は塗工紙が減少し、△14.1%の4.0万tと7ヵ月連続の減少。東南アジア、南アジア向けが減少している。パッケージング用紙は+75.7%の12.8万tで11ヵ月連続増。段ボール原紙を中心に東アジア向けが増加した。輸出が好調な段ボール原紙は、国内出荷はマイナスながら国内+輸出の出荷全体では+4.4%と3ヵ月連続のプラス。
紙・板紙の在庫は前月比△4.6万tの202.2万tで、前月の増加から減少に転じた。うち、グラフィック用紙は塗工紙を除いて減少し、同△1.5万tの96.9万tで2ヵ月連続の減少。パッケージング用紙は、段ボール原紙、白板紙、包装用紙いずれも減少して同△3.0万tの96.8万tとなり、5ヵ月連続減。衛生用紙は同△0.1万tの8.5万tで3ヵ月ぶりの減少。
〔主要品種の動向〕
新聞用紙:国内出荷は△10.7%の18.2万tで36ヵ月連続減。
印刷・情報用紙:国内出荷は△12.2%の49.6万tで15ヵ月連続減。非塗工紙、塗工紙、情報用紙ともに減少。メーカー輸出は△14.1%の4.0万tで7ヵ月連続減。
包装用紙:国内出荷は△16.0%の5.0万tで19ヵ月連続減。未晒、晒ともに減少。メーカー輸出は+42.0%の1.8万tで2ヵ月連続増。
段ボール原紙:国内出荷は△2.0%の79.2万tで13ヵ月連続減。メーカー輸出は+115.3%の10.1万tで11ヵ月連続の増加。
白板紙:国内出荷は△8.6%の11.4万tで15ヵ月連続減。高板、特板、コート白ボールともに減少。
衛生用紙:トイレットペーパーは前年並みながらティシュ、タオル用紙が増加し、主要品種唯一の国内出荷プラスとなった。
(FUTURE2020年12月14日号)