大王製紙/2022年秋を目途にフラッフパルプの生産開始
大王製紙はこのほど、これまで輸入品が大半を占めていたフラッフパルプの自社生産を開始することを決めた。
フラッフパルプはロールパルプから解繊した綿状パルプで、高分子吸収材と混合して紙おむつや生理用ナプキンなどの吸収体製品に使用する。針葉樹が原料の漂白クラフトパルプであり、輸入品が大半を占めている。
自社生産に当たっては、三島工場の洋紙生産設備を、加工原反となるロールパルプ生産設備に改造してフラッフパルプを生産する。改造するのは、印刷・情報用紙を生産している15号抄紙機(月産5,000t)で、2022年4月に停機し、5ヵ月間の改造期間を経て9月に再稼働させる予定。フラッフパルプ生産能力は月産7,500tとなる。設備投資額は約60億円。
この改造により、需要減少が続く洋紙からの転換に加えて、100%輸入依存のフラッフパルプの一部を内製化できる。大王製紙は、ホーム&パーソナルケア事業の主力商品として、紙おむつ、ナプキン、失禁ライナーなどの吸収体製品を成長分野と位置付けており、今回の内製化によって、日本だけでなく中国、東南アジアの生産工場でも、フラッフパルプのサプライチェーン強化を図る。
(FUTURE2020年8月24日号)