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日本製紙/ストローレス対応の学校給食用紙パックを開発


 日本製紙はこのほど、ストローレス対応の学校給食用紙パック『NP-PAK-mini School POP』を開発、9月から販売を開始する。

 『NP-PAK-mini School POP』は、学校給食用の牛乳を、市場でニーズの高い“ストローレス”にする紙容器。パックに開けやすい工夫を施し、児童・生徒が簡単に開封できるようにすることで、ストローを使用せずに牛乳を飲めるようにした。

 これまでの給食用ミニカートンは、通常のゲーブル(屋根型)容器と異なり、屋根部の隙間が狭いため指を入れにくかったが、『School POP』は屋根型の下部の作りを工夫し、開封時に指を入れやすくしたため簡単に開封できる。また、独自の罫線によって注出口の傾斜を調整、スムーズに飲めるようにした。製品名の「POP」は、容器を押して(Push)、開いて(Open)、引く(Pull)という、基本動作の頭文字から名付けた(イラスト参照)。また、従来型のストロー孔はそのまま残し、子どもの成長などに合わせてストローを継続使用することも可能となっている。

 なお、充填工場では充填機の新設は不要で、既設の充填機の一部を調整することで兼用できる。包装ラインなども特別な対応は必要ない。

 脱プラスチックの流れが加速する中、プラスチックストローは海洋プラスチックごみの象徴として注目され、またSDGsが経営指針に取り入れられるようになる中、業界各社にはこの対応が迫られている。日本製紙はこれまでに、解決策の一つとして、紙ストローを製造・販売してきたが、今回の開発では視点を変え、よりニーズの強い「ストローそのものが不要な紙パック」を、プラごみ問題の解決策と考えた。

 日本全国の紙容器学校給食牛乳の消費量は年間約14億パック。ストロー1本当たりの重量が0.5gとすると、約700t/年の樹脂が使用されていることになる。例えば、1,000万本の学校給食牛乳のストローを廃止すれば、約5tの樹脂を削減できる。仕様にもよるが、これは約50万本のPETボトルに相当する。同社では、「今後も“紙でできることは紙で。”を合言葉に、紙の利用シーン拡大に努めていく」としている。

(FUTURE 2020年7月27日号)

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