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日本家庭紙工業会/家庭紙製品の品薄騒動でコメントを発表


 日本家庭紙工業会(日家工)は、SNSの投稿に端を発したトイレットペーパーやティシュなどの品薄騒動を受けて、コメントを発表した。

 日本で使われるトイレットペーパーやティシュのほとんどは国内生産で、原材料も中国への依存はなく、現在、製品在庫は十分に確保されている。日家工は、一般的なトイレットペーパーの利用量は一人当たり1週間1ロール程度であるとして、「こうした利用実績を参考に、買い占めや転売によって、必要な人にトイレットペーパーが届かないといったことがないよう、理解と協力をお願いする」と、冷静な対応を呼びかけた。

 2月末に突然降って湧いた家庭紙の品薄騒動は、島根県の男性がSNSに、新型コロナウイルスと関連づけてトイレットペーパーなどの品薄を予測する投稿をしたことから始まったと言われている。また、「投稿はデマ」としながらも、新聞やテレビなどの大手メディアが品薄ニュースを一斉に報じたことで、全国での買いだめ行動に拍車がかかった。こうした状況を受けて、投稿者の男性が勤務する団体が、謝罪コメントを発表する事態にまで発展している。また、直販サイトへの注文集中で出荷業務に遅れが生じた丸富製紙が、倉庫の写真とともに“潤沢な在庫”をアピールしたツイートを投稿すると、これが拡散され、各メディアで取り上げられるなど注目を集めた。

 買いだめで売り場からトイレットペーパーやティシュがなくなる中、トラック確保の問題から店頭への配荷が遅れたが、日家工では「物流が整い次第(店頭に)届けられる」とコメント。3月前半には品薄状態は解消される見通し。トイレットペーパーなどの家庭紙は、製品単価が安いためフリードライバーに高額運賃を提示しにくく、また荷積み・荷下ろしの待ち時間も長いことから、他の物資に比べてトラックドライバーに敬遠されがちという側面があり、物流課題の一つとなっている。

 

(FUTURE2020年3月16日号)

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