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家庭紙メーカー4社/「パレット共同利用研究会」を設立し統一パレット運用へ


 家庭紙を製造・販売する王子ネピア(清水紀暁社長)、カミ商事(井川博明社長)、大王製紙(佐光正義社長)、日本製紙クレシア(山崎和文社長)の4社と、パレット・物流機器の共同利用形態であるレンタル業を中心に事業を展開しているユーピーアール㈱(酒田義矢社長)は、このほど統一パレットの利用・回収に関する業務提携契約を締結し、6月21日付で任意団体「家庭紙パレット共同利用研究会」を設立した。
従来、ボックスティシュやトイレットロールなど嵩高で軽量な家庭紙の物流は、車輌積載効率を上げるために手積み手降ろしを行っており、ドライバーの長時間拘束や入荷車輌の長時間待機などが物流効率化への課題とされてきた。
 この問題解決のため、家庭紙メーカー4社はパレット納品の速やかな実現に向けて、このたび「家庭紙パレット共同利用研究会」の設立を通じて連携し、統一パレットの共同利用・回収を推進する。
 統一パレットは色をグリーンに統一し、標準11型プラスチックパレットのほか、家庭紙の製品ケースのサイズを考慮し、トラック荷台への積み付けに最適な新型パレット2種類を導入する。統一パレットの開発・作製、貸出・回収業務をユーピーアール㈱が担い、家庭紙メーカー4社は今秋より順次、統一パレットの運用を開始する。
 近年、ドライバー不足の慢性化による物流危機は、産業界共通の認識となりつつある。そのような状況下にあって、新たに設立された「家庭紙パレット共同利用研究会」は、統一パレットの共同利用・回収を広く業界に呼びかけるとともに、ドライバーの荷役負担軽減や積み降ろしの時間短縮など、業界全体の物流改善、ひいては将来にわたる持続可能な物流体制の構築を目指していくとしている。
 紙流通業界ではこれまで大手代理店を中心に、物流合理化を目的とした共同配送などの試みが続いてきた。しかし取扱対象を最終商品の家庭紙に限定し、しかもパレットの統一に絞って共同化を追求するスキームは今回が初めて。背景には、家庭紙の物流で常態化している手積み手卸作業の問題がある。積載効率優先の発想で、ドライバーの荷役負担や長時間待機に対する配慮はされてこなかった。
 統一パレットの採用でドライバーの負荷が少しでも軽減されるのは朗報で、そのことが家庭紙業界のイメージアップとドライバー不足の解消につながることを期待したい。

 

(Future 2018年7月9日号)

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