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日紙商/『震災対策ガイド』を刊行~被災組合員の体験・意見も採録


 日本洋紙板紙卸商業組合(柏原孫左衞門理事長、組合員数353名)は、このほど『震災対策ガイド』を刊行、全組合員への配布を終えた。来たる6月13日(水)に東京で開催される第33回全国大会では、当日来賓として招かれるメーカーおよび代理店のトップにも配られる。
 このガイドはA5版、本文100頁の冊子。タテ組みとヨコ組みの違いはあるものの、1980年に東京都紙商組合が刊行した労作『紙商地震読本』と同じ体裁であり、その改訂版としてのポジションも意識した様子がうかがえる。

 冒頭では、柏原理事長が次のようなメッセージを寄せている(要旨)。
 「2011年の東日本大震災や16年の熊本地震では、多くの組合員が本社建物・設備・倉庫・商品在庫などに甚大な被害を受け、会社によっては事業継続が危ぶまれるような危機的な事態に遭遇した。しかし残念ながら現在の地震学のレベルでは、正確な地震予知は困難という現実がある。したがって地震に対する真に有効な予備措置は、1980年に刊行された『紙商地震読本』にも書かれている通り、“日頃の備え”しかない。

 われわれ紙卸商として、“どう備えておくべきか”を考えるための一つの指針として、被災された組合員の被災体験に基づく記録や、全組合員に実施したアンケート調査の結果などをまとめ、各社が今後の地震対策を検討する上での参考として役立ててもらうことを狙いに、本ガイドを作成した」

 ガイドの頁構成は次のような章立てになっている(肩書きはヒアリング当時のもの)。

第1章 東日本大震災・熊本地震の記憶と記録
1.東日本大震災
(1)概要と被害
(2)被災組合員からのメッセージ
 常盤洋紙㈱・松田利文社長
 ㈱七星社・刈谷芳博社長
 ㈱シオザワ・加藤幸和取締役
2.熊本地震
(1)概要と被害
(2)被災組合員からのメッセージ
 ㈱紙弘・深浦修社長
 ㈱レイメイ藤井・藤井章生社長

第2章 知っておきたい地震の基礎知識
1.地震の知識
2.津波の知識

第3章 大震災への備え
1.内閣府の被害想定
2.大震災シミュレーション
3.地震対策の基本
(1)営業所の基本対策
(2)倉庫の基本対策
(3)その他

参考資料
資料① 組合員へのアンケート調査結果
資料② 震災対策チェックリスト

 コンテンツづくりなど実際の作成作業に当たったのは、日紙商経営革新委員会(中村真一委員長)のメンバー。中でも中村委員長は、被災組合員5社のヒアリング取材にすべて立ち会った。このほか巻末では、震災対策に関する組合員へのアンケート調査の結果を詳細にまとめている。過去にこれほど体系的な調査を実施したことはなく、資料的価値も高いと考えられる。なお、現地の取材や編集には弊社が協力している。
 末尾では中村委員長が「被災組合員への取材では、大地震への備え、そして対応への貴重なお話しを多々お聞かせいただいた。ぜひ参考にされ、各社に合った対策、対応を講じてください。大規模地震が発生すれば想定外のことが多々出てくると思う。このガイドを一読されることで、想定外のことが少しでも減れば幸いです」と結んでいる。

 ◆『震災対策ガイド~紙卸商が震災体験から学ぶべきこと』(2018年6月発刊)
 ◆*体裁;A5版、本文100頁 *頒価;日紙商組合員には1冊を無償配布、2冊目からは1,000円、外部には1,500円(税・送料別)

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