丸紅、中越パルプ工業/CNFの用途開発と販売業務で提携
丸紅と中越パルプ工業は、中越パルプ工業が製造するセルロースナノファイバー(CNF)“nanoforest”の用途開発、販売業務を共同で行うことに合意し、4月17日付で覚書を締結した。
CNFは、原料は植物でありながら、鉄鋼に比べ5分の1の軽さと5倍以上の強度を持つ。用途としては建材、家電、自動車、化粧品などが考えられ、経済産業省の見通しでは2030年にCNF関連材料として1兆円の市場規模創出が期待されている。
中越パルプ工業が量産化を進めるnanoforestは九州大学の近藤哲男教授が開発した製造方法「水中対向衝突法(ACC法)」を採用し、パルプと水のみから製造されている。高吸着性、高強度、透明性、寸法安定性、低線熱膨張などに加え、天然パルプ繊維を優しく微細化する製造方法によって発現する「両親媒性」の特徴をもつ。
同社は、鹿児島県の川内工場に年産能力100tのCNF量産設備「第1期商業プラント」を建設し、6月から稼働を開始する。一方、丸紅は、4月1日付で「チップ・パルプ部CNF事業推進課」を新設、化学品、紙パルプ製品の販売を通じて培った顧客ネットワークをフル活用し、CNFの用途開発および販路拡大に注力していく。今後は、両社で情報交換し、早期の実績化および将来の共同事業を視野に入れた取組みを行っていく。
(Future 2017年5月15日号)