三菱製紙/高耐熱性リチウムイオン電池用セパレータを開発
三菱製紙はこのほど、470℃の高耐熱性を実現した、リチウムイオン電池用不織布・無機粒子複合セパレータ“NanoBaseX OZ-GXシリーズ”を開発した。
近年、リチウムイオン電池の用途は、従来の携帯機器から車載・産業用などの動力機器まで拡大し、電池のサイズも大型化しているが、それに伴い要求される安全性の確保が喫緊の課題となっている。
三菱製紙のNanoBaseXはすでに国内外の電池メーカーで評価が進められており、フィルム・無機粒子複合セパレータと比較して高い安全性が得られることが確認されている。今回開発したOZ-GXシリーズは、使用材料を全面的に見直すことにより、広く使われているフィルム・無機複合セパレータの耐熱温度(140~200℃)と、同社が2年前に発表した耐熱セパレータOZ-Sシリーズの270℃を大きく上回る470℃の耐熱性を達成した(耐熱試験映像、http://www.k-mpm.com/bs/video.php)。
三菱製紙はこれによりリチウムイオン電池で起こりうるセパレータの耐熱温度問題をほぼ確実にクリアできると考えており、今後2年以内に車載用リチウムイオン電池に採用されることを見込んでいる。
(Future 2017年1月2日号)