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日本製紙/紙パック事業で生産体制再構築とテクニカルセンター設置


 日本製紙が紙パック事業の強化策を加速させている。同社はこのほど、国内における紙パック生産拠点の集約を進め、より効率的な生産体制を構築するとともに、紙パック製品の開発拠点として新規にテクニカルセンターを設置する。

 同社はかねて紙パック事業の国内リーディングカンパニーとして、原紙から加工、充填機の販売・メンテナンスに至るまで、トータルシステムサプライヤーとしての体制確立を推進している。

 今年3月にはノルウェーのElopak(エロパック)社と、新製品に関するライセンス契約を締結し、同社が世界各地で展開するチルド用液体紙パックのラインアップについて、プレビュー日本市場への導入を進めている。また米国のウェアーハウザー社から液体容器用原紙事業を譲り受け、この9月より新会社「日本ダイナウェーブパッケージング」として営業を開始した。

 同社は一連の体制強化策を通じ、今後さらに世界の市場も視野に入れつつ「顧客の多様なニーズに柔軟かつ迅速に対応するとともに、新しい価値の提案を通じて人々のより豊かな暮らしの実現に貢献していく」と説明している。今回発表された新たなスキームは次の通り。

 (1) 紙パック生産会社などの統合
 草加紙パック㈱(埼玉県草加市)での生産を2017年7月末に停止。また同年10月に江川紙パック㈱(茨城県猿島郡五霞町)、石岡加工㈱(茨城県石岡市)、三木紙パック㈱(兵庫県三木市)、セントラル興産㈱(埼玉県草加市)の4社を統合し、日本製紙の100%子会社として「日本製紙リキッドパッケージプロダクト㈱(仮称)を新たに設立する。
 〔新会社の概要〕<
 本  社;茨城県猿島郡五霞町江川2572
 株  主;日本製紙100%
 事 業 所;江川事業所(茨城県猿島郡五霞町2572)、石岡事業所(茨城県石岡市柏原7-1)、三木事業所(兵庫県三木市別所町巴9)

(2) テクニカルセンターの設置
 国内の紙パック生産会社を統合して、新規に設立する日本製紙リキッドパッケージプロダクト㈱に、2017年11月を目処にテクニカルセンターを設置。紙パック製品の開発拠点として、原紙、紙パック加工、充填機とそのメンテナンスに関する技術と知見を集積する。これに伴い従来、試験・開発機能を担っていたリキッドパッケージングセンター(東京都北区)は閉鎖される。

 共同印刷と合弁会社を設立

 さらに日本製紙は、茨城県守谷市にある共同印刷㈱守谷工場の敷地内に、ラップカートンやティシュボックスなどのパッケージ生産・販売を行う新合弁事業会社を設立することで同社と合意し、9月28日に契約を締結した。

 前記したように日本製紙は、紙パック事業生産体制再構築の一環として、来年7月末に草加紙パック㈱での生産停止を決定しているが、新合弁事業会社においては草加紙パックで生産している日本製紙クレシア㈱東京工場向けのティシュボックス生産と、これまで共同印刷守谷工場で生産していたラップカートンなど紙器製品の生産を引き継ぐ。

 現在、第5次中計(2015~17年度)に取り組む日本製紙は、将来にわたり成長が見込める分野への経営資源再
配分を進めている。とりわけパッケージ分野ではサプライチェーンの積極的な拡充を図っており、今回の新合弁会社設立により、ユーザーからの要望が多岐にわたるパッケージ分野において、両社が保有する加工機能を活用し、成長拡大につながる取組みを進めていくとしている。

 〔合弁事業会社の概要〕
 社  名;共同NPIパッケージ㈱(仮称)
 本  社;茨城県守谷市
 設立時期;2017年1月(予定)
 資 本 金;4,500万円
 出資比率;共同印刷65%、日本製紙35%
 事業内容;ラップカートンやティシュボックスなどパッケージの生産・販売

(Future 2016年10月17日号)

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