新東海製紙/経済産業省が事業再編計画を認定
新東海製紙の「事業再編計画」がこのほど経済産業省に認定された。
新東海製紙は日本製紙と特種東海製紙の産業用紙分野における事業統合スキームの一環として、特種東海製紙の島田工場を分社化するために設立された会社。「事業再編計画」は島田工場を新東海製紙へ吸収分割して日本製紙が新東海製紙に出資するというもので、これにより島田工場の生産効率向上やコスト削減、品質競争力の向上を目指す。事業再編計画の実施時期は2016年10月~19年3月。
紙パ全体で厳しい事業環境が続くなか、特種東海製紙の段ボール原紙、重袋用・一般両更クラフト紙は、生産工場が島田工場のみのため、コストダウン活動に限界があった。そこで、この分野を重要な事業分野と位置づける日本製紙と提携し、日本製紙の生産ノウハウを島田工場に活用すると同時に営業機能を統合することとなったもの。
事業再編計画に基づき、島田工場は10月1日付で新東海製紙に吸収分割され、同日、日本製紙は新東海製紙の第三者割当増資を引き受ける形で62億5,000万円を出資。これにより新東海製紙の資本金は31億3,500万円(増資前は1,000万円)となった。新東海製紙は今後、生産性向上の目標値として「2018年度の修正ROAを2015年度比で2.4ポイント以上向上」、また財務健全化の目標値として「有利子負債はキャッシュフローの2.2倍」「経常収支比率は113.6%」を掲げ、取り組んでいく。さらに、日本製紙のノウハウを活かし、バイオマスボイラなど新たに導入すべき設備を検討するほか、設備保全やメンテナンスなど維持管理能力の向上も図る。これにより2018年度には、「商品1単位当たりの製造原価を2015年度実績比で5.2%以上削減」する方針。
(Future 2016年10月17日号)