レンゴー/段ボール原紙事業を再構築
レンゴーは2月2日開催の取締役会で、グループ全体の段ボール原紙生産体制について、金津工場2号機のライナー化改造と2年後の淀川工場閉鎖を含む事業の再構築を決めた。経営資源を有効活用し収益力を一段と強化するため、生産拠点を5工場に集約して事業の成長戦略を加速させる。
同社グループは国内において、直営5工場と連結子会社の丸三製紙を合わせ計6工場で段ボール原紙(ライナー、中芯原紙)を生産しているが、中芯の生産量は消費量を上回る一方、ライナーの生産量は消費量に対して不足しており、アンバランスな状態となっている。そのため、中芯抄紙機は稼働率を下げて在庫調整を行う反面、ライナーは不足分を外部から購入している。
今回の決定はこうしたグループ内の需給アンバランスを改善し、原紙-段ボール一貫メーカーとしての強みを最大限に発揮していこうというもの。淀川は1930年(昭和5)に段ボール工場として開設され、その後1936年(昭和11)に製紙工場が完成している。当時は原紙から段ボールまでを一貫生産する、東洋一の工場とも謳われた。
現在の1号抄紙機は1972年(昭和47)の導入以来、同社の西日本におけるライナー生産拠点として重要な役割を担ってきたが、稼働後40年以上が経過して設備の老朽化・旧式化が進み、品質やスピード、生産コストの面から競争力の低下は否めない。また環境面でも、坪量160g/㎡以下の薄物化への対応が難しくなっている(表3)。同社は淀川を存続させる場合、将来にわたって必要となる設備の維持・更新投資なども考慮した結果、2017年(平成29)12月末をもって抄紙機を停機し、翌18年(平成30)3月末で工場を閉鎖する決断を下した。
一方、淀川工場の閉鎖に先立ち現在は中芯を生産しているレンゴー金津工場(福井県あわら市)の2号抄紙機を、ライナーも併抄可能な設備へ改造するとともに(表4)、余力のある八潮、尼崎の両工場で中芯を増産することにより、グループ内における中芯とライナーの生産比率見直しを行い、需要に見合った最適な生産体制の再構築を進める。改造に伴う投資額は70~80億円。
(以下、詳報はFuture 2016年2月22日号)