京都大学、ナノセルロースファーラム/第310回生存圏シンポジウムを開催
京都大学生存圏研究所とナノセルロースフォーラムは3月22日、京都テルサで“構造用セルロースナノファイバー材料の社会実装に向けて”をテーマに、「Nanocellulose Symposium 2016/第310回 生存圏シンポジウム」を開催する。
今回のシンポジウムでは、経済産業省紙業服飾品課長の渡邉政嘉氏による日本のナノセルロース戦略についての特別講演のほか、セルロースナノファイバー(CNF)材料の社会実装に向けた技術や取組みの最新動向が紹介される。京都大学を集中研とするNEDO事業では、パルプのナノファイバー化と樹脂中への均一分散を同時達成する実用的CNF複合材料製造プロセス“京都プロセス”が発表される。
また、今年は近畿経済産業局「部素材産業-CNF研究会」との連携により、CNF原料観察や試作結果の発表も行うとともに、約40機関がブース出展する。
シンポジウムの開催概要は以下の通り。
・日 時:2016年3月22日(火)12時20分~18時00分(受付11時30分~)
・会 場:京都テルサ テルサホール(京都市南区東九条下殿田町70 京都府民総合交流プラザ内)
・主 催:京都大学生存圏研究所、ナノセルロースフォーラム
・共 催:近畿経済産業局および京都市産業技術研究所(部素材産業-CNF研究会)
・後 援:紙パルプ技術協会、高分子学会、日本材料学会、セルロース学会、日本木材学会、新エネルギー・産業技術総合開発機構、京都大学産官学連携本部、(予定を含む)
・講演内容:
(1) 特別講演「日本のナノセルロース戦略」経済産業省紙業服飾品課・渡邉政嘉氏
(2) 「高機能リグノセルロースナノファイバーの一貫製造プロセスと部材化技術開発」成果発表(NEDO非可食性植物由来化学品製造プロセス技術開発事業)
『京都プロセス』の概要/京都大学生存圏研究所・矢野浩之氏
『京都プロセス』による様々なCNF強化樹脂の製造/京都市産業技術研究所・仙波健氏
マスターバッチ法によるPP樹脂の補強/星光PMC・片岡弘匡氏
CNF強化ナイロン樹脂の発泡成形/京都市産業技術研究所・伊藤彰浩氏
(3) 「工学との連携による農林水産物由来の物質を用いた高機能性素材等の開発」成果発表(農研機構・革新的技術創造促進事業「異分野融合共同研究」)
CNFエラストマーナノ複合材料の実用化開発/信州大学カーボン科学研究所・野口徹氏
物理処理と酵素処理を併用した木質材料由来ナノファイバーの食品等への応用/農林水産省森林総合研究所・林徳子氏
消化管におけるナノセルロースの生理機能/京都大学大学院農学研究科・谷史人氏
樹脂強化用のCNFマスターバッチの開発/DIC・ 原田友昭氏
(4) 部素材産業-CNF研究会「複数CNF原料の観察・シート化試作結果発表」(「CNFに係る公設試研究者向けの勉強会」で実施した複数CNF原料の実習成果を発表」
全体総括/京都市産業技術研究所 部素材研究会-CNF研究会・北川和男氏
参加公設試における成果報告およびCNF実用化開発の紹介(CNFの形態観察および凍結乾燥時における分散溶媒の影響について)/滋賀県東北部工業技術センター・脇坂博之氏
セルロースナノファイバーのキャスト成形について/香川県産業技術センター・宇高英二氏
燃料電池用電解質膜への応用展開について/青森県産業技術センター・葛西裕氏
セルロースナノファイバーのゴム用補強剤への応用/兵庫県立工業技術センター・長谷朝博氏
・同時開催:ポスターおよび試作品展示(展示予定者、順不同)
第一工業製薬、大王製紙、中越パルプ工業、トクラス、ユニチカ、大阪ガス、凸版印刷、旭化成せんい、DIC、増幸産業、モリマシナリー、神栄化工、服部商店、三和化工、スターライト工業、岡山県、あいち産業科学技術総合センター、兵庫県立工業技術センター、滋賀県東北部工業技術センター、青森県産業技術センター、京都市産業技術研究所、産業技術総合研究所、森林総合研究所、東京家政大学家政学部、東京大学農学生命科学研究科、大阪大学産業科学研究所、鳥取大学工学部、徳島大学大学院・ソシオテクノサイエンス研究部、九州大学農学研究院、京都大学化学研究所、京都大学生存圏研究所、ほか
・申込方法などは下記のwebにて
http://www.rish.kyoto-u.ac.jp/labm/ncsympo2016