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大王製紙/摩擦指数の共同研究を日本設計工学会で発表


大王製紙は東北大学大学院・堀切川教授らとの共同研究によりティシュの摩擦を指数化し製品開発に役立てているが、このほどその研究結果の一部を、日本設計工学会2015年度秋季研究発表講演会で発表した。
今までのティシュの肌触りの評価は、柔らかさ・滑らかさ・好み・強度など、個々の評価の総和による官能評価値に依存しており、そうした“人の感覚”とティシュの機械的性質との関係性は、定量的には分析されていなかった。そこで大王製紙と堀切川教授らは、官能評価値とティシュの性質の関係について分析するため、さまざまな官能試験や摩擦試験を行った。
試験に使用したティシュは、水分量や機械的性質の異なる10種類の市販ティシュ。官能試験では、それらのティシュを24名の成人に、「鼻に当てる」「手でこする」などの方法で触ってもらい、7点満点で評価、また摩擦試験では、シリコンラバー製の指紋付人工皮膚を使った「直動型すべり摩擦試験装置」によって、各ティシュの摩擦係数を求めた。これらの試験結果を踏まえて、官能評価値と摩擦係数およびティシュの機械的性質の関係を明らかにした(詳細はエリエールwebサイト http://www.elleair.jp)。
その結果、肌触りに関する官能評価値が摩擦係数の平均値のみで説明可能であることが示され、摩擦係数の低減が肌触りの向上に極めて有効であることを実証。また、この研究成果を元に、肌触りの評価を指標化した「肌への摩擦指数(トライボ指数)」を見出した。

(Future 2015年11月2 日号)

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