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紙パルプ産業と環境 2025 SDGsとカーボンニュートラルに向けての貢献


 新型コロナウイルス感染症のパンデミックやロシアによるウクライナ侵攻など国際社会が大きな衝撃を相次いで受け、企業による国際的な経済活動は大きく制約されるようになりました。一方では地球温暖化や海洋汚染、SDGs(持続可能な開発目標)、プラスチック汚染対策などの取組みにも見られるように、世界における環境意識の高まりは一段と勢いを増し、新たな価値観による産業構造の再構築へと進みつつあります。企業が成長戦略を立てていくうえで転換点にあると捉えられており、そのなかで製紙業界は自然由来の資源による循環型産業としての利点を活かすことで、持続可能な社会の実現へ向け大きな役割を果たすと期待されています。
 わが国ではすでに業界を代表する日本製紙連合会が温暖化対策として2021年1月に「2050年の温室効果ガス排出を実質ゼロにする」という長期ビジョンを発表、SDGsへの貢献も22年3月「サステナビリティレポート2021」、23年5月にその2022年版を公開して具体的な方向性を示しました。また、プラスチック汚染対策に関しては製紙各社により“紙”や木質バイオマスをベースにしたプラ代替素材の開発が積極的に行われています。さらに早い時期から古紙利用や植林などに取り組んできた業界として、環境問題への対応を融合させた高度な資源循環システムを実現させつつあります。
 弊社は長年にわたり“紙”を中心に据えた出版活動に携わってきた立場から、毎年『紙パルプ産業と環境』シリーズとして環境問題に焦点を当てた出版物を刊行していますが、今年の2025年版では『SDGsとカーボンニュートラルに向けての貢献 〜資源循環による新たな価値創造へ〜』と題し、紙パルプ産業における環境対応の現状を総合的に概観するとともに企業個々の事例を紹介、今後の展望なども探ります。業界内に限らず関連他産業の企業をはじめ一般消費者、市民運動団体、官庁・公共機関など広範な対象の方々が紙パの実情に対する理解を深めるための有益な1冊として構成・編集しています。

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再生可能エネルギーや発電事業、バイオマス利用の可能性、古紙・森林の新たな課題を追う。

B5判・本文180頁

定価 2,200円(税込・送料別)

2024年8月9日

本書の内容

●木質バイオマスにより循環型社会実現に寄与み
紙パのグリーン成長戦略 持続的な業界発展もたらす環境対応
製紙連 サステナビリティレポート バイオリファイナリー産業としての一歩を
違法伐採対策モニタリング 深化する取組みに監査委員会も高評価
私はこう考える/バイオマスとカーボンニュートラル ─ 炭素ストックと持続可能性の視点での考察 北越コーポレーション㈱ 安全環境品質本部 中俣 恵一

●カーンカーボンニュートラル実現への新たな動き
国環研 建材のCO2排出ゼロ達成に必要な対策とは 鍵を握る木造化・国産材供給・再造林
コーポレートPPA 効果的な自然エネ電力購入方法でCO2排出量の長期にわたる削減効果も
電通「カーボンニュートラル」生活者調査 「脱炭素」との認知率格差が過去最少に
私はこう考える/カーボンニュートラルとバイオ炭 ─ COP28より読み解く世界の潮流から、地域社会でできることまで みらい廃棄物研究所 木村 篤樹

●省資源・脱プラ・廃棄物の成果と今後
3R推進団体連絡会 資源節減効果は前年度比10.2%増に
アジア大洋州のサーキュラーエコノミーと脱プラ規制 日系企業の事業機会と課題を探る
グリーンピースがプラ意識調査を実施 生産量削減に8割強が賛同支持
私はこう考える/廃棄物のエネルギーへの利用について 岩崎 誠

●古紙業界はどのように変化しているか
女性経営者による座談会/「リサイクル女子」の活躍に業界の未来がかかっている
「グリーン購入法」見直し 古紙パルプ配合率の最低保証を撤廃
古紙センター/地方自治体の紙リサイクル施策調査 「可燃ごみに占める紙の量が多い」
企業や工場によって異なる減少幅 紙・板紙の減産でマイナスになった2023年のメーカー別古紙消費
日本の古紙輸出/23年の古紙輸出は再び200万t台に、過半に迫るベトナムのシェア
世界の古紙需要/途上地域では増加基調だが全体では再びマイナスに転じる

●データで見る紙パの環境対応
データで見る紙パの環境対応①/原料調達:着実に成果あげる間伐材と認証材の利用
データで見る紙パの環境対応②/エネルギー:進展するエネルギーの高効率利用

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